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トランプ大統領の日

 アメリカの大統領選、日本のメディアは、トランプの女性蔑視発言で「もう駄目だろう」という論調だが、アメリカではトランプの人気が急上昇している。アメリカ保守派の親父たちに言わせれば、「俺たちはローマ法王を選んでいるのではないから問題ない」というスタンスである。日本のマスコミ記者は、日本各地の政治家や有力者たちたちの日常的なエロ話を知らないわけではないだろう。

トランプ支持率がまさかの再上昇、クリントンに4ポイント差に詰める

 英国のEU離脱の時も、日本のマスコミは欧米の論調に合わせて、「EU離脱なんて時代の流れに逆行することは許されない」というものであったが、英国国民の投票行動は逆のものであった。要するに、世界共通の価値観を追求し、市場を均一化・拡大化しようとするグローバリズムに、固有の土地の価値観に根差したナショナリズムが抵抗しているのだろう。

 トランプの個人的な悪行よりも、もっと本質的な悪がグローバリズムであるということを、アメリカ人が最初に気が付き、2011年にOccupy Wall Street(ウォール街を占拠せよ)が起きた。サンダースが左の側から、グローバリズムを攻撃し、トランプは右側から攻撃している。サンダースを支援した人たちの中にも、「クリントンよりはトランプの方がまし」と考える人たちが出てもおかしくない。

 グローバリズムは、小さな村的国家をつなげることにより、人類の新しい世界を築いてきたが、それが確実になればなるほど、個人意識が高まり、「少数の人間が多数を支配する」という構造が不可能になってくるのだ。

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