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SNSにご注意。DM(ダイレクトメッセージ)問題。

 SNSは、誰もが自由に自分の考えや報告を語れる場所だが、特別な露悪趣味な人や、誰に何を思われても構わないと居直った人以外は、つまり普通の人は、それほど内面を暴露したりはしない。SNSは路上であり、路上で、他人の存在を無視して、叫んだりわめいたりはしないものだ。

 それでは、人々の本音や真実の行動はどこにあるのかというと、路上の裏側にある。表では語れないことも、DM(ダイレクトメッセージ)であれば、特定の相手との情報交換なので、安心して本当のことを語れる。そこは誰も見ていない密室である、と思われている。

 しかし、以下のようなニュースが流れた。

現役ツイッター社員が衝撃暴露「あらゆるツイート・写真・DMは永久保存され、社員は自由に閲覧可能」「削除してもムダ。ペニス画像多すぎ」

 これは、ネットの利用者ではなく、ネットの管理者の側に行ったことのある者なら、誰もが分かっていることである。1980年の後半から1990年代の初めに、草の根BBSというのが流行った。個人レベルでサーバーを立ち上げ、ホストになって来客を受け付ける。日本中に無数の草の根BBSが立ち上がった。僕の事務所でも、98に電話回線が3つぐらいのCB-NET(コンセプト・バンク・ネット)というのを立ち上げた。1990年ぐらいだ。

 ホストにとって、システムの中身は、丸裸である。メールは、普通、手紙と同じように、書いた人と読んだ人しか読めないと思っているから、第三者に読まれては困るだろうことも書いてしまう。しかし、そんなことはない。システム管理者は、絶えず、データのバックアップをとっているから、その時に見ようと思えば、メールサーバーの中身は見えてしまうのである。これは、どんなメールだろうと同じ仕組みである。

 当時、草の根BBSにまつわるいろんなトラブルが話題になっていた。あるケースだと、アクセスするユーザーの男性と女性が、リアルな場でもよい関係になっていた。しかし、それを管理しているホストの男性も、その女性に好意を持っていた。それで何をしたかというと、恋する女性が恋する男性にあてたメールの内容を、ホストの男性が勝手に書き換えて、嫌われるような内容にしてしまった、という噂が流れていた。見るだけでなく改変も可能なのである。

 インターネットが始まった頃に、僕がよく書いていたことだが、メールというのは封書ではなく葉書だということだ。葉書であれば、書かれた内容は、郵便局の仕分け係や配達の人が、読もうと思えば読めてしまう。昔は、電話交換機がアナログであった時代は、交換手が簡単に他人の会話を聞けたらしい。今でも、電話の内容を電話会社が録音して分析することは出来る。

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