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ダメではダメよん

 日本がどんどんダメになっていく、と言われているが、ダメになっていくものは、戦後が築いた古い組織や概念ばかりではないかと思う。そんなダメになっていくものを嘆いていないで、ダメでないものを創りだす方にエネルギーを移した方がよい。古いものがなぜダメになっていくかというと、役割を終えてるからだ。今は、新しい時代の役割を考えるべきなのだと思う。

 東芝やシャープの問題は、企業組織というものの本質的な限界を感じる。ビジネスというのは、現場から遠い方が儲かる。現場で原稿書いてるより、編集部で作業指示している編集者の方が儲かり、編集者よりそれを管理する編集長の方が儲かり、編集長より経営者の方が儲かり、経営者より株主の方が効率的に儲かる。儲かるビジネス案件を見つけると組織が大きくなるのは、現場から遠く離れる人たちが生まれてくるからだ。だから経営者は、フランチャイズの数を競い、組織の大きさを目的化する。大きな組織になればなるほど、ピンハネの領域が拡大し、現場から遠い場所が生まれるのだ。

 戦後の混乱期は、社長も労働者も同じ「現場」にいた。それが社会のシステム化とともに、組織が巨大になり、現場の感覚を知らない人が、組織の舵取りをするようになった。シャープという会社は、ドケチの会社として有名で、とにかく現場では、したたかに値切り倒す。経費の使い方も渋くて、50万円の決済もなかなか降りない。商売の現場では、それだけドケチにやっていたのに、液晶工場に4000億円の投資をボーンとやった。これはシャープだけに限らない。現場のコストはギリギリおさえて、マネーゲームのような数字の投資には大胆にやることが、いつの間にか日本の経営のスタイルになっていった。現場は疲弊するばかりだ。家電メーカーが家電の現場を見失ったら、アウトだ。

 なぜ、そんなことになったかというと、現場から切り離された経営の場に、大きな投資をしたり企業買収すればマージンがとれるコンサルの連中が入り込んだからだ。それまでは、商品開発の現場で外部の調査会社やコンサル会社と組んでいたのに、そういうのはどんどん切り倒されて、現場を知らないコンサルが経営陣に接近した。その人たちは、現在の状況に何も責任を感じていないのだろうか。

 日立も松下も、B2Bに活路を見出すといって、生活の現場から撤退して現場から遠いところで商売しようとする。逆だと思う、今こそ、日常生活の現場の中に、未来を見つける時なのだ。高みの見物をしている人たちは、時代の流れから大きく取り残されていくはずだ。

 僕たちがはじめたコンセプト・バンクは、そうした「現場」からの、日本の未来の見直しである。さまざまな現場のキーマンを集めて、まず現場で出来ることをやる。今、必要なことは、頭脳明晰な指導者たちの現場を知らぬ絵空事ではない。現場の人間たちの手による、日本の未来のプロトタイプ・デザインだ。そうした活動が、リンクしていくことによって、旧来型の組織に提案していくようにする。

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橘川幸夫

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橘川幸夫

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