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10/19(火)のJ-WAVE『SONAR MUSIC』出演告知と最新Afrobeats情報(Simi, WSTRN, Ayra Starr)

アフリカ音楽キュレーターのアオキシゲユキです。
タイトルのとおり、今週19日のSONAR MUSICにコメント出演させて頂くことになりました。SONARの皆さま、いつもお声がけ頂き本当にありがとうございます!

今週のSONAR MUSICのテーマは、

「今聴くべきアーティスト"40"」

ということで、これまで番組に出演された音楽ライターさんや番組スタッフさんがオススメする「今聴いておくべき」注目のアーティストの曲を4日間で40曲かけ倒すとのこと。一体どんなアーティストが出てくるんでしょうか。私もアフリカ音楽キュレーターとして「今注目」の超個性的なアフリカ音楽アーティストをご紹介しますので、今週は私達と一緒にSONAR MUSICを聴き倒して頂けたら嬉しいです。

SONAR MUSICJ-WAVE 81.3
そしてインターネットでラジオを聴くならradikoが便利!タイムフリー機能で1週間以内なら後から聴くことも可能です。


さて、そんなわけで今日は、SONAR MUSICでご紹介するアーティスト以外で、最近リリースされたアフリカ音楽の中から気になったものをいくつかピックアップしてみようと思います。
最近仕事があまりにも忙し過ぎた為しばらくぶりのnote更新となりましたが、どうか最後までお付き合いください。

Simi "Woman"

ナイジェリアのシンガーSimiが10/16に発表したニューリリースは、ここ最近までの彼女の作風とは少し変わったような感じを受けました。ブラスやコーラスなど全体的なアレンジがフェラ・クティ的Afrobeatにアプローチしていますね。

Simiは新曲「Woman」のリリースに合わせ、SNSで#NobodyLikeWomanというキャンペーンを開始しました。これは女性が社会の中で受けてきた様々な悲しい体験をSNSで共有し合い、不公平に扱われてきた女性の固定観念に挑戦して女性の強さを示すための活動であり、そうした社会に対する反骨精神の象徴としてフェラ・クティ的アフロビートを表現している、とPulseの記事は伝えています。

ちょうど今から1年前にケリー・ローランドがフェラ・クティの「Mr FollowFollow」をサンプリングしたシングル「Hitman」をリリースしており、ミュージックビデオの構成や衣装などについては私の個人的観点だとケリーに寄せてる印象を受けました。Simiの新曲と一緒にぜひケリーのMVもご覧頂けたら嬉しいです。

Kelly Rowland "Hitman"


WSTRN & Fireboy DML "Be My Guest"

続いて紹介するのは、西ロンドンを拠点とするUKアフロビーツの中心的存在のWSTRN。9月リリースした新曲はナイジェリアのFireboy DMLをフィーチャーした「Be My Guest」です。

WSTRNはUKアフロビーツの中でも個人的にツボなアーティストで、UKならではの洗練されたトラックメイキングとメロディ、そしてメインヴォーカルHaileの声が特徴的。そこに加わるのはナイジェリアだけでなくUKでも人気上昇中のFireboy DMLです。Fireboy DMLについては以前の記事でも取り上げておりますので詳しくはそちらをお読みください。

元々ソングライティングに対する評価が高かったFireboyですが、昨年リリースされた自身のセカンドアルバム「APOLLO」の高評価だけでなく、サム・スミスStefflon Donなどが参加したTiwa Savageのアルバム「Celia」ではCo-Producerとして楽曲制作に関わるなど、その才能には大きな注目が集まっています。

ご紹介している「Be My Guest」はWSTRNらしい中毒性あるメロディラインと、ビデオに登場するダンサーのキレのあるダンスが印象的な作品なんですが、実はこのビデオと同じダンサー3人が現れるもうひとつの曲「Wonder Woman」もまた情緒豊かなメロディがとても美しい曲なので、メロウな楽曲がお好きな方にはWSTRNは超オススメです!

Afrobeatsの洗練度はこのWSTRNJulsなどUKアーティスト勢がシーンに大きな影響を与えているような印象を受けますね。UKアーティストとのコラボでFireboy DMLの活動が今後どう広がっていくのか、非常に楽しみです。

Ayra Starr "Bloody Samaritan"

このnoteでは初登場となる新たなAfrobeatsディーバ、その名はAyra Starrです。彼女が所属するMavin Recordはナイジェリア随一のレーベルで、以前はTiwa Savageが所属したことでも有名です。最近は何と言ってもRemaという素晴らしい才能を発掘し見事なミラクルヒットを連発し続けていることは、Mavinの特筆すべき成果ではないでしょうか。

そのMavinが肝入りで送り出してきた新たな女性アーティストがAyra Starrなんですが、ここ最近のナイジェリアAfrobeats/Afro R&Bシーンでは珍しく「歌えて踊れるタイプ」のアーティストです。USやUKでは珍しくないというか、むしろそれが当たり前な感があるんですが、現在のナイジェリアAfrobeatsシーンでは、アーティストが踊れることはあまり重要視されていないマーケットなので(もちろんMr.PYemi Aladeのように歌えて踊れるアーティストはちゃんといます)、このAyra Starrの人気が今後どうなっていくかはシーンの動向として非常に興味あるところでもあります。

この曲も含め、彼女に対するプロデュースはRemaの成功パターンを踏襲している部分が感じられます。特にAfrobeats曲のリリックのリズム感やトラックのAmapianoフレーバーはその代表的なところですね。ただ決してAfrobeatsだけに拘ってはいないようで、割とR&B的な曲も多いことから、今後どんな楽曲で自分のスタイルを築きつつファン層を広げていくのか、ますます目が離せないアーティストの1人です。
また、彼女のデビュー曲「Away」は私のお気に入りの1曲です。


というわけで今日はSONAR MUSIC出演の告知と3組のアーティストの曲をご紹介しました。最後までお読み頂きありがとうございました。
アフリカ音楽キュレーターで、金属製蝶ネクタイ「Metal Butterfly」プロデュースのアオキシゲユキでした。

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