フローって何だろう。この疑問に取り組むことは、水の流れを静止画で説明するのと同じくらい、あるいはサッカーのルールを静止画で説明するのと同じくらい難しい。

AKB商法とは、アイドルが育つ様子を商品化したものである。「あの子もデビュー当時は初々しくてダンスもたどたどしかったけど、今ではセンターを張るまでに成長したんだよな…」という具合に、初心者からプロへと成長する様子をビジネス化することである。完成品だけではなく、フローも商品になるらしい。

このAKB商法を批判していた中原昌也が12ヶ月連続でCDをリリースしているのを知ったとき、結局フローじゃないか、と私は思った。

たぶん、このフロー化という趨勢は今後数百年間にわたって加速するはずで、「デジタル中世」と呼ばれる現代のフロー化に自分を適応させていくのか、それともフロー化の終了後、数百年後に訪れるかもしれないヒエラルキー再構築の時代に焦点を合わせるのか。

後者はリスクが大きすぎる。ワームホールが発見されたとか、突拍子もない出来事がきっかけで遠未来のパラダイムが形成されている可能性があり、その状況は全く想像がつかない。遠未来では、「たくさんの動画を作って頑張ってる」「たくさんの記事を書いて頑張ってる」という制作フローし続けることが、限られた容量資源を無駄遣いした罪で全否定されているかもしれないしなあ。

「勝負は死ぬまで分からんよ」ってどこぞの作家が言ってたけど、死んでからも分からんよ。