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新学期なので英語でスラスラ読み書きを始める。

「イヤ新学期じゃないし」という人もいるかもしれませんが、

英語でスラスラ読み書き、できるようにしてみませんか?

「イヤ三日坊主になるから」という方、もう一度言いますよ?

英語でスラスラ読み書き、です。

話して聞いてとは言っていません。日常で英語を話すことはもちろん、ネイティブスピーカーの話を聞くこともあまりない日本では、話して聞いてができるようになるためのハードルが高い。それに比べて読んで書いては、ネットで自由にアクセスできる。なのでできる可能性が高いですし、そのために時間を割く価値があります。

英語で読み書きできれば、ネットの活用範囲が飛躍的に広がりますよね!


【英語でスラスラ読み書きをする方法】


1.英文法をわすれる


というわけで、こんにちは!九条いつきです。写真家/現代アート作家です。プロジェクトベース兼コンセプチュアルアート作品となるWebサイトを運営しながら、たまに東京大阪などで作品を展示/譲渡しています。写真はイギリスに留学して学びました。

個人的な話で恐縮ですが、僕が留学する前、小中高また大学で10年以上さんざん英語を勉強した結果、どうだったと思います?

なんにもなっていませんでした、正直いってゼロです。

偏差値50、TOEICでも頑張って400点というまさに普通中の普通人。話して聞いてどころか読んで書いてもままならない。

なので僭越ながら日本人を代表して言い訳をしたいと思いますが、

「日本人、英文法の勉強に力入れすぎ問題」

があると思うんですよ。僕が英語を読み書きできるようになったのは留学してからなんですけど、はっきり言って向こうの語学学校で英文法できるのは日本人だけですからね。

他の国の留学生たちは文法なんかひとつもできないくせに、いきなりベラベラ喋る。日本人が文法のテストで良い点数をとっている間に、彼らはすぐ喋れるようになって読み書きできるようになって良い大学に入りやがるんですよ。

クッソ〜。

そう思って考えたんですけど、そもそも英文法って過去形過去分詞形未来形未来完了ウンタラカンタラ種類がたくさんあるじゃないですか?それを文章読み書きする時にいっこいっこ確認するんですか?ということですよね。

それに輪をかけて混乱を招くのが、逐一日本語に訳していくという勉強法。英語の文章を文法に従って分解して、語順の逆に訳していくというアクロバティック。これで読み書きできるようになると考えている人の方がおかしいですって!科学じゃあるまいし、文章をいちいち分解して分析して読めるわけがありません。

でもこれはただ文句をつけているわけではなくてですね。この身に染み付いた方法論を一度自分の中で完全に否定しておかないと、次のステップに進めないのです。文法はまたあとで必要になるかもしれませんが、

ここで必要なのは、それを一度捨てる覚悟です。


【英語スラスラ読み書きに必要なこと:その1】
こだわりすぎている英文法は一度わすれる。


2.文章は頭から順に理解する


アメリカ人もイギリス人も文章を逆から考えて作っているわけじゃありません。頭から順番に考えて喋っているんですから、当然書き言葉もそのようになっている。なのでそのように理解するのが、英語スラスラ読み書きに必要不可欠な要素です。

これは逆順の日本語訳が身に染み付いている人にはわかりづらいので、特に顕著な’before’と’after’の考え方を例にあげて説明していきましょう。僕が「クッソ〜」といってふてくされていた時に見ていた海外のテレビやニュースなんかでも、もちろんよく出てくる単語です。

ご存知の通り、beforeはそのあとに続く部分「の前に」その前の文章の状況があり、afterはそのあとに続く部分「の後に」その前の文章の状況がある、というように訳すのが「正解」とされていますよね?

ただ、そうすると文章が前後する考え方が必要になってきます。例えば

He played baseball at the park before he did his homework at home.
She drew a picture of ‘Pokemon’ after she watched the TV program.

というような文章があったとして、日本語訳としては

彼は家で宿題をすます前に公園で野球をした。
彼女はTV番組を見た後にポケモンの絵を描いた。

というように訳すのが「正解」だとされています。が、そうすると文章をいちいち前後して考えないと状況を理解できなくなります。

ところが実際のネイティブは

He played baseball at the park before / he did his homework at home.
She drew a picture of ‘Pokemon’ after / she watched the TV program.

とこのように分けて喋っているんですよ。

これはなぜかと考えたのですが、それはbeforeとafterはあくまで時間的な流れがどうなっているかを示す記号のような役割をもっていて、それを聞き手に伝えているのだと気づきました。

つまり時間の流れ(→)を文頭から順に追っているとすると、beforeはそのまま次の動作が続くという記号(→)、afterは時間が遡る記号(←)です。

彼は公園で野球をした(→)家で宿題をした。
彼女はポケモンの絵を描いた(←)テレビ番組を見た。

そうすると実際日本語訳としては、beforeは「その後に」、afterは「というのも」とでも訳す方が(いわゆる「正解」の日本語訳とは逆になりますが)文頭から順に理解できてわかりやすいです。つまり

英語の考え方で英語の文章を理解すれば、前後して意味を把握しなくて済む

ということなんです。

これをもう少し進化させると、英語の文章をそのまま頭の中で情景にして理解していけるようになります。これは日本語でもそうだと思うのですが、映画やテレビのように情景を想像しながら文章を理解できるようになると、読み書きは急に楽しく簡単になっていきます。


【英語スラスラ読み書きに必要なこと:その2】
英語の考え方に切り替えて、文章の頭から順に理解する


3.訓練は初心者コースから


頭から順に理解するのか、なるほど。と頭で分かっても、身につけるとなるとまた別の話。誰でも訓練が必要ですし、僕もなかなかうまく行きません。

で、練習を始めるにあたってですが、いきなりプロコースから始める人います?自転車に乗れるようになりたいと親にいったら、初手でマウンテンバイク買ってこられて山頂から駆け下りろ的なチャレンジさせられたら泣くでしょ?

100人中99人を切り捨てて、残り1パーセントを英才教育するようなのが好きな人はいますが、教わる途中で死ぬ方はたまったもんじゃないと思うんですよ。なのでここでは初心者コースからというのを強くお薦めしておきます。

急がば回れ。

昔の人はいいことを言いますね。

ところで英語スラスラ読み書きの初心者コースは、既に万全の整備がされています。それが段階的多読法。日本だとNPO法人のSSS英語多読研究会というところが中心になって推進しています。

大きめ本屋の洋書コーナーにいくと、100万語読もうとか1000万語目指そうとかいうようなポスターがあったりしますよね?ソレです。英語圏の教育系出版社がそれぞれ独自で用意している教材をまとめて紹介しているという形になっていまして、怪しいものじゃございません。

そして多読の3原則は

一.辞書をひかない
二.わからないところは飛ばす
三.つまらなくなったらやめる

だそうで、これを聞いたらスーパー普通人な僕でもできる気がしてきました!

一応ネガティブな面を言うと、初心者コースの教本は一見簡単すぎるので、そこにお金をかけても大丈夫?と心配になるというところ。

でもこれまで学校や塾で費やしてきた時間を考えれば、大したことないなと。あと留学したら現地図書館が使えて入手が楽になりました(ただし小学生用コーナーにあるので借りるのがちょっと恥ずかしい)。

ちなみに多読による勉強法はあの夏目漱石も推薦していたということで、イヤ昔の人はいいことを…(略)。騙されたと思ってやってみることをお薦めしたいと思います。

詳しくは以下のウェブサイトをご確認ください。
URL : http://www.seg.co.jp/sss/


【英語スラスラ読み書きに必要なこと:その3】
万全の整備がされている初心者コースから訓練を始める


4.類語辞典をひきたおす


これで読み書きの読みはできた、と。

簡単にいうなと思う方もいらっしゃるかも知れませんが、僕はこれで1年後、TOEICが700点に上がりました。喋れはしないですが、とりあえずスピード感を持って読むことはできる。そんな感じです。

ちなみに語学学校は授業が英語で進むことを除いて英文法を習うことには変わりないので、それだけだと飛躍的に英語ができるようになるわけではないです。ニューヨークに留学に行っているピース綾部にも伝わって欲しい(※元記事は2018年1月1日に公開)。

なので次は書く方。書く方は読む方の逆です。

日本語の考え方のまま単語だけを一言一句ずつ辞書変換してしまい、時間がかかる割に意味が通じない謎の英文ができてしまう、というのが問題になります。僕もよくやってしまうので偉そうなことは言えません。

これを避けるためには、文章の骨子をつくるときに既にある言い回しをなるべく多く覚えてしまうこと。

で、それは前述の多読である程度カバーできてしまいます。なんだ英語でスラスラ読み書きはもう多読で全部できるじゃん。ということなんですが、

そこには更なる問題が!

というのも現実では、純和風のものごとを英語で伝わるように翻訳することが必要になってくるからです。ペンパイナッポーアッポーペンは英語の発想だから英語圏で流行したけれども、漫才の掛け合いはそのまま英訳してもウケないみたいなものです。既にある言い回しだけでは、僕たちが本当に伝えたいことがカバーできません。

そこで僕がお薦めしたいのは、類語辞典。英和や和英辞典も時には必要なんですが、それだけだとどうしても日本語の考え方を辞書変換する羽目に陥りがちなので、なるべく使わない方がいい気がしています。

「類語辞典」は英語でThesaurus Dictionaryといって、ネットでもひけるので重宝します。思いついた単語をひくとそれに近似した単語が列挙されるので、例文を参考にしたり記憶をたどったりしまして

ニュアンスの違いに気をつけてなるべくピッタリな言い回しになるようにする

という非常に地味な作業がこちらです。

また、文章を全て書き換えてしまった方が元のニュアンスが伝わるんじゃないかと考える場合は、逐語訳をやめてしまうことも視野に入れます。


【英語スラスラ読み書きに必要なこと:その4】
類語辞典を使って日本の発想ともピッタリあう表現を探す


5.最後に必要なこと


そしてそうやって地味な作業を延々とやっているうちに、やがて大切なことに気づきます。

正解はない、ということに。

英語でスラスラ読み書きの最後のコツ、それは「間違いがあることを認めるけれども、時間がないのでそのまま押し通す」です。ここまできてようやく普通人も

出川哲朗の低みに到達できる。

いやー深いですね、低みだけに。


【英語スラスラ読み書きに必要なこと:その5】
間違いがあっても気にしない


ということで、こんな低みまでお付き合いいただき誠にありがとうございました。多少なり、皆様が英語スラスラ読み書きを身につける御力添えができましたら幸いです。

サンキューベリーマッチ!

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