知れば解けるのに。モニック多項式:オモワカ整数#20(全21回)
マニアックな単元ですが、やれば解けます。
整数シリーズ第20回目
オモワカ=面白いほどわかる
整数が面白いほどよくわかります
第20回から見てもOKですが、ぜひ第1回目からどうぞ!! →→ 1回目(倍数の判定)
高次方程式における因数の見つけ方
上記のように、なぜ求める因数が ±(dの約数/aの約数) で求められるのかを問われる入試問題が多数あります。
問題1:定数項の約数から因数を見つける
定数項の約数を見たら整数解が見つかる。なぜ!?
整数解をmとおく。
定数項だけ右辺に持っていく。
そして左辺はmでくくる。
そうすると、整数どうしの掛け算になったので、
m=1,-1,7,-7 となる。
m=1,-1,7,-7をそれぞれ代入すると、✳︎の式が成り立つのはm=1の時
答え:整数解=1
問題2
(1)
整数解mを持つと仮定する。
問題1と同様に、整数解をmとおく。
そしてmの式で表し、定数解を右辺に移動する。
上記を満たすためには、
m=1,-1,5,-5のいずれかでないといけない。
しかし、m=1,-1,5,-5それぞれを✳︎の式に代入しても成立しない。
よって整数解を持たない。
(2)
整数解をmと置く。
(1)と同様に定数解(P)を右辺へ持っていく。
mでくくる。
Pは素数なので、m=1,-1,p,-p であるべき。
それぞれのmを代入してpを求める。
m=1の時、p=7 (pは素数なので1は入らない)
m=-1の時、pは整数にならないので、なし。(解の公式を利用)
m=pの時、pが正で素数であるものがないので、なし。(因数分解を行う)
m=-pの時、(1)と同様の式より、正で素数であるpは存在しない。
答え:p=7
問題3:神戸大学の問題!!
モニック多項式とは、最高次の係数が1である多項式のことです。
その中でも、係数が全て整数でできている方程式は有理数の解を持つのであれば、それは全て整数であるという有名な事実があります。
それを証明させる問題がよく出題されます。
(1)
有理数解をq/p (pとqは互いに素。pは自然数でqは整数)とおく。
符号の問題がややこしくなるので、生か負かはqにまかせます。なので、pは自然数でOK。
q/pを代入する。
上記のように式を変形していく。
整数=分数の形を作る!!なので分数は1つだけ残しています。
右辺は整数であるので、p=1でないといけない(pとqは素なので)
よってp=1となる有理数解はx=qとなり整数である。
(2)
背理法を用いるので、
有理数の解を持つと仮定する。
(2)の式は、(1)の式のa=1 b=0 c=2 を入れた時にできる式である。
(1)よりその解はx=α(αは整数)とおける。
下の式に代入して、積の形に持っていく。
積の形の左と右をリストアップする。
そのリストから、整数となるαは存在しない。
よって有理数解を持たない。
問題4
因数定理において、なぜ求める因数が ±(dの約数/aの約数) で求められるのかを問われる問題です。
(1)まずはpがqの約数であることを示す
有理数の解を代入する
分数を一つだけ残して式変形を行う。(分数=整数の形にする)
そしたら、右辺は整数。
左辺も整数になるためには、
ae≠0 なので、aもeも0ではない。
x=0だと、e=0でないといけないので、xも0ではない。
よって解であるqも0ではない。
よって左辺の分数が整数になるためにはpはaの約数にならないといけない。
(1)次にqがeの約数であることを示す。
今回は定数項に着目するので、分母を全て払う。
左辺は定数項だけにする。
そこから分数=整数の形に持っていく。
よって左辺が整数になるために、qはeの約数であることが示されました。
(2)
問題の4次方程式が有理数解であると仮定する。
有理数解であるなら、今回証明した因数の条件の見つけ方からx=±1,±1/2である。
ところがこれはいずれも✳︎を満たさないので、実数解を持つならそれは無理数である。
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