まどろむ夏

真理を捕食する夢、老子が歩くゆったりとした気圧を保つ夜更け、近景にゆらぐ羽虫の身体、いくら終わりだなって告げても、この瞬間は終わるだけで、ほとんどは永続し、同じことを同じように繰り返してゆき、ゆくゆくはゆっくりと消え去るだけであり、そこで張り合っても、ほとんどは似たようなもので形勢され、些細な出来事の中で加速する理由が枷かなんかに変わり、今にも身動きが取られなくなる、と語る今とは、どこを指すのかすらあいまいなほどに語られるだけの今とは分岐すら持たず、気分によって次々と変わる今とは、どの瞬間なのか、と簡単に循環して、死と肉薄しながら、しなびた真理を継続して、語られる理由を利用して、真偽とつなひきしながら、引き返すことはできなくて、一度でも過ぎ去れば、そこには何かに似たようなものが、あたかもそこに存在するかのように思えるけど、それはそこには何も無くてそこで無くしたものなんて、探してもどこにもありはしないのだから、探しても同じだ、と打算的な彼女たちを差別することでしか、自らを癒すこともできない男たちが、ちぐはぐな理想を携え、真実の愛なんかを語る割には、すべてを根絶やしにするための論理なんかを継続させ、意思に軛を嵌め、今に引き摺られてゆく奴隷的な観念が捻出する思いが引き出す絶え間ない瞬間な重なり合いながら、今とは過ぎ去るために存在し、たゆまぬように歩み続け、未来を紡ぎ出すために、見つけたものなどは、瞬時に置き去りになり、そこでおざなりになり、打ちひしがれる彼らが引き合いに出すものどれもが、誰かを満足させたり、しあわせなするために語られる独善的なものが、正義なんかを謳い、制御不能になり、統御なんかを保つために、次々と短絡的な破壊を続ける。そこでの奇跡なんてものは、なんら奇跡的でもなく、そこでは必然的に合わさるものが次々と意味を孕んで、簡単に今を飛び越えて、現在なんか意味すら持たなくても、次々と生まれるものが必然的に執り行われるものの執拗さに反して、自らの意思を貫いて、与えられた奇跡を次々と超越してゆくために、私たちは生きていることなどを強制されずに、ただ生きたいように生きることに苦しむことすらなく、ただただ今から飛び出してゆく。

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