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英語話者の起業家との「壁」をなくしたい。ALL ENGLISHで開催したスタートアップイベントレポート

こんにちは!HIRAC FUND広報の矢頭です。

最近、HIRAC FUNDでは支援先のサポートだけでなく、起業家の支援やネットワーキングを目的にしたミートアップイベントを開催しています。

9月と10月にそれぞれ起業家やVCのミートアップイベントを開催しました。今回のnoteでは全編英語を使ったイベント「How to set your milestone for Pre A/series A」についてのレポートと主催したHIRAC FUNDシニア・アソシエイトの檜山のインタビューをお届けします。

イベント概要

9月26日(月)、「How to set your milestone for Pre A/series A」と題した、英語話者の起業家を対象にしたイベントを開催しました。マイクロソフトのスタートアップ向け支援プログラム「Microsoft for Startups」とHIRAC FUNDとの共催となります。

セッションは最初から最後まですべて英語で展開。

当日は100名近くの起業家、アクセラレーター、VCなどスタートアップに関わる方に参加いただきました。

セッションの様子。立ち見が出るほど大勢の方にご参加いただきました

イベントレポート

今回のセッションはMicrosoft for Startupsの陳宇鴻氏、UB Venturresの頼嘉満氏、STRIVEの四方智之氏、DG Daiwa Venturesの野島隆太郎氏、ファシリテーターとしてHIRAC FUNDの檜山が登壇しました。

左から、主催者のひとりであるMicrosoft for Startups:陳氏、UB Venturres:頼氏
左から、STRIVE:四方智之氏、DG Daiwa Ventures:野島隆太郎氏、HIRAC FUND:檜山悠太朗

ディスカッションした主なトピックは以下の通りです。

  1. 市況感

  2. 日本におけるプレシリーズAとシリーズAラウンドの定義

  3. シリーズAラウンドまでのマイルストーンの設定方法

市況感

はじめに、世界のVC資金調達の市況感の解説から始まり、アジアやアメリカ、ヨーロッパの市況感について解説しました。以下、話のポイントをまとめます。

  • 世界の調達市場環境として、2022年に入り調達金額はヨーロッパを除き減少傾向。欧米では冬の時代と呼ばれることもある

  • アジアの概況としても投資額は減少しているものの、EXITの動きは活発

  • アジアの上位案件は国別で見ると、中国が4件、インド3件、韓国1件、シンガポール1件となっている

  • 日本のVC調達に関して、元々は金融機関系のVCが多かった。その後独立系のVCやグローバルのIT企業のVCが参画し、2017年頃からイノベーション志向の日本の大企業のVCが誕生してきている

  • 投資分野に関しては、MaaS、宇宙、セキュリティに関するスタートアップが大型調達を行っている傾向にある

プレシリーズAとシリーズAラウンドの定義

続いて、2つめのトピックである、日本におけるプレシリーズAとシリーズAラウンドの定義についてディスカッションしました。

  • 前提としてシード期は起業家自身が情熱を持ってサービスを開発をする段階

  • プレシリーズAは提供しているサービスがうまくいっているのか、見極めを行うフェーズ

  • シリーズAは売上が立ち顧客が臨むサービス、つまり対価を支払ってもらえる価値あるサービスを提供している段階

  • そもそもラウンドの定義は国によっても業種によって定義が異なる

シリーズAラウンドまでのマイルストーンの設定方法

3つめは、シリーズAラウンドまでのマイルストーン設定方法について。登壇している各VCの得意領域を交えながら話が展開されました。

  • FinTech関係のサービスはバリュエーションが定義しづらい側面もあるため、決済系などは取引量やユーザー数以外に顧客への刺さり具合を指標化

  • ハード開発に関しては、時間がかかる。そのため、開発進捗や獲得市場などボトムアップではないマイルストーンを設定することもある

  • SaaSのビジネスは日本以外で先行事例がある場合、比較できるデータがあり指標イメージしやすい

  • ESGは新しい領域で、日本も1、2年で規制が変わった。競合があまりいない場合は市場のシェアをいかに獲得していくかを重点においているスタートアップもある

その後、参加者からの質疑応答では日本のスタートアップでのアプローチ手法に関する違いや、シード調達にどれくらい時間がかかるのかなどの質問がでました。

セッション終了後は、ネットワーキングの時間として登壇者や参加した起業家、VCなどが思い思いの交流を楽しみました。

ケータリングも参加者にあわせたフードを提供しました

英語話者の起業家の「壁」をなくしたい、HIRAC FUND檜山の想い

今回のイベントについて、主催したHIRAC FUNDの檜山に話を聞きました。

<プロフィール>
檜山悠太朗|YUTAROHIYAMA
英国ロンドンの大学で経営学/金融学を専攻。3年で卒業後(academic acceleration)、EY税理士法人に入社し国際税務アドバイザリー及び国内金融機関のコンプライアンス業務に従事。大学在学中には東南アジア投資に特化した独立系ベンチャーキャピタルのシンガポールチームにインターンとして参画し、企業価値の算定などを担当。2021年6月にマネーフォワードベンチャーパートナーズにジョイン。

HIRAC FUNDシニア・アソシエイト 檜山

<檜山が執筆したWeb3.0/NFTをテーマにしたnoteはこちら>

ー今回のイベントを主催した背景を教えてください。

檜山:
東京はグローバル視点でもスタートアップの資金調達金額のTOP10に入っており、アジア圏の中では大きいマーケットです。一方で情報面において英語話者に対してアンフレンドリーだという声を聞いています。CEOかCFOがどちらかが日本人じゃないとVCとコミュニケーションが取りづらい、といったものです。
英語話者の起業家が日本のマーケットに入る際、日本の投資家がどう思っているかを発信できないか、と考えたことが今回イベント開催に至ったきっかけです。今回のパネルセッションやネットワーキングを通じて、英語話者の起業家と投資家の間にある「壁」を無くしたいと思いました。

ー檜山さんも実際に英語で進行やコミュニケーションをとられていましたが、イベントの背景にある檜山さんの原点はなんですか?

檜山:
私は生まれも育ちも日本ですが、英語を使ってビジネスを学びたいと思い、イギリスに留学しました。経営や金融、VCの資金調達も現地で学びましたし、クオンツのサークルを立ち上げたりもしました。
一方で大学卒業後に帰国して、起業家支援に携わるためにHIRAC FUNDにジョインしてからも、自分が海外で学んだことをもっと日本国内のスタートアップに還元したいと考えていました。

ー海外で資金調達を学んだ経験が原点となっているのですね。実際の参加者の方の反響はいかがでしたか?

檜山:
参加してくれた英語話者の方からは「全て英語で話してくれたので、知りたい情報が理解しやすかった」という感想をもらいました。日本在住で日常会話の日本語はわかっても、資金調達に関する込み入った内容になると理解しづらいそうなんです。

また、日本で会社を数年経営されていてVC調達を検討しはじめている方が、コミュニケーションの面で中々情報収集や相談でなかなか前に進めなかったそうです。ですが、今回英語が話せるVCが集うネットワーキングに参加し情報交換できた機会が貴重だったようで、目的としていた価値を提供できたことが嬉しかったですね。

ー登壇者の方からの反応も良かったですよね。

檜山:
はい、セッションに登壇してもらった野島さん、四方さんからもすべて英語でコミュニケーションしたミートアップは初めてで、良い機会だったと仰っていました。頼さんは規模感にも驚かれていました。

今回登壇メンバー全員と

ー実際、とても賑わっていて交流も活発にされていましたよね。今後もこのような取り組みをしていくのですか?

檜山:
ぜひやりたいですね!今回は英語話者をターゲットにしたものですが、テーマや議論する調達ラウンドも変えたり、それ以外にZ世代やWEB3.0に特化とか業界を絞るのも良いかなと考えています。これからもHIRAC FUNDとしては投資先の成長を支援しながら、今回のように新たな発信や交流の場を設けることで、日本のスタートアップに貢献したいと思います。

ーありがとうございました!


イベントレポートはいかがでしたか?もし今回のイベントの詳しい内容や、今後開催予定のイベントにご興味があれば、ぜひお問い合わせください。

また、HIRAC FUNDからの出資をご希望される方、出資に関してご質問がある方は、下記よりお問い合わせくださいませ。


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