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株式会社LATRICO|医療用医薬品を当たり前に使える「文化」を創る

ー対面でお会いするのは初めてですねー

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株式会社LATRICO代表取締役 CEO 濱口 友彰さん(左、以下LATRICO)に向かって、少し緊張気味に挨拶をしたHIRAC FUND檜山 悠太朗さん(右)

出資までは非対面でのコミュニケーションであったにも関わらず、濱口さんも驚くほどのスピード感で進んだというLATRICOへの支援。今回リアルで会うのは初めてだったお二人にお話を聞きました。

株式会社LATRICO
LATRICOは、「医療にテクノロジーのチカラを」というビジョンのもと、医療のIT化を通じて、人々の医療へのアクセシビリティの飛躍的向上に貢献するべく、2020年10月からオンライン医薬品ECプラットフォーム『東京美肌堂クリニック』を展開。
『東京美肌堂クリニック』は、「美容に医薬のチカラを」をコンセプトに、お肌のトラブルや悩みに対して医薬品 × 漢方薬による最適なソリューションを提供するオンライン医薬品ECプラットフォームです。オンライン診療とECのスキームを組み合わせることによって、ユーザー(患者)は、医師による診察、医療用医薬品の処方を、安心・便利・安価に受けることができます。
※LATRICOは、東京総合美容医療クリニックと提携し、プラットフォーム・システムの提供、マーケティング、医薬品の発送を行っています。

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https://bihadado.tokyo/main/

驚愕のスピードで出資が決定!ビジネスへの共感が鍵に

ー最初に、HIRAC FUNDとの出会いを教えてください。

濱口:もともと出資を受けていた、ミダスキャピタルの投資本部の寺田さんという方と金坂さん(HIRAC FUND代表パートナー)が懇意にされていて、今回の資金調達のタイミングで、寺田さんからお声がけいただいたことがきっかけです。

檜山:HIRAC FUNDにどんな印象をもたれましたか?

濱口意思決定の早さに感動しましたし、ビジネスに対する審美眼に自信をお持ちなんだなと感じましたね。

ー意思決定のスピードを評価していただきましたが、初めてお会いしてどれくらいのスピードで出資がきまったのでしょうか?

濱口:すごく早くて、最初にプレゼンをしてから2週間くらいで出資がほぼ決まったと記憶しています。

檜山:濱口さんのお人柄・スキルはもちろんですが、LATRICOのビジネスはユーザーへの価値だけでなく、医療のIT化を推進する素晴らしい存在になると私たちも確信し、このスピード感で進行することができました。

濱口:医療領域は規制も多く参入ハードルが高い分野ですが、私たちのビジネスの社会的意義と実績、事業推進力を評価してもらえたと理解しています。

「きれいになりたい」女性の悩みを解決するプラットフォームを提供

ーLATRICOのビジネスや『東京美肌堂クリニック』について教えてください。

濱口:オンライン診療と医薬品のeコマースのプラットフォームの開発・提供・運営をしています。詳しく言うと、お肌の悩みを抱えている女性に向けて、オンライン診療で提携クリニックの医師と結びつけ、お肌の悩みを相談してもらい、医師が適切な医療用医薬品を提案、ECで購入いただくというサービスです。

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そもそも医療用医薬品は、病気になったら利用するという考え方が根強く、とくにスキンケア領域では多く使われてこなかったため、今後成長ポテンシャルがある市場だと考えています。

ー現在ユーザー数はどれくらいでしょうか?

濱口:LINE公式アカウントのお友達登録数を指標としていますが、2022年1月現在で10万人を超えました。他にないサービスなので成長ペースはあまり意識していなかったのですが、着実に増えてきています。

ーLATRICOのビジネスをはじめたきっかけを教えてください。

濱口:2020年の春、オンライン診療の規制が緩和され、初診からオンライン診療が可能になりました。そこでミダスキャピタルの中で新しいビジネスの種について打ち合わせをするなかで、オンライン診療の活用で医療用医薬品の力を引き出せるビジネスの検討が始まりました。私はここに途中からジョインする形で入り、ビジネススキームを模索しながら医師や弁護士の方とのヒアリングを経て、2020年9月にLATRICOが設立されました。

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檜山:半年で創業というのは、スピード感がありますね。

ースキンケア領域なのでメインのユーザーは女性だと思いますが、事業を進められる上でご苦労などはありませんか?

濱口:そうですね、一緒に仕事をする社員も、提携しているクリニックの医師も、女性が多いです。私自身、ユーザーの声を聞くことが重要だと思っているので、ユーザー・医師・社員それぞれにヒアリングをして、キャッチアップに努めています。

ヒアリングを通して、私が想像していた以上に、「きれいになりたい」と強く思っている女性が多いことに驚きました。一方で世の中にはスキンケアに多数の選択肢があり、簡単に入手できるがために美容難民になっている方も多く、藁にもすがる思いで私たちが提供するサービスの門を叩いていただいています。

ーユーザーの方はどういった方が多いのでしょうか?

濱口:年齢層的には未成年から60歳代以上と幅広いのですが、地方在住の方や小さなお子さんがいらっしゃる方のご利用が目立っていますね。本当はお肌の悩みや美容が気になっていても、コロナ禍の中、小さなお子さんを連れて皮膚科に行くことに抵抗感や罪悪感を感じられる方もいるので、オンラインで美容皮膚科にアクセスできることに喜んでいただけているという、ポジティブなフィードバックをいただいています。

ー医師の方からはどのような声がありますか?

濱口:多くのユーザーは医療用医薬品のスキンケアについてあまりよくご存知ない状況で受診されるケースが多いと聞いています。そのため診療の時に専門的知識や肌荒れのメカニズムを説明すると、患者さんも納得していただき、知識を深められて、医療用医薬品の利用に前向きになられているとのことなので、医師の方もやりがいを感じてくださっているようです。

今は提携クリニックに医師の方に足を運んでいただき、そこでオンライン診療を行ってもらっている状態ですが、今後は、自宅や勤務先の空いている時間で診察ができるようにシステムの準備を進めています。これにより医師の方が場所を問わず、隙間時間を活用できますし、地方に在住の医師の方にも対応いただけるので、医師の柔軟な働き方に寄与できるようになります。また、ビジネスを拡大することで、美容皮膚科以外の診療可能な分野にも適用できることを期待しています。

檜山:ユーザー、医師と双方にとってメリットのあるサービスですよね。

LATRICOのサービスを「歯磨き」のような文化にしたい

ーこれまで外資系コンサルティングファームなどのキャリアだったかと思いますが、今回スタートアップの代表を務められていかがでしょうか?

濱口:すべてが大変ですね(笑)。自分ひとりでビジネスの推進からバックオフィスまですべて判断して担う必要があったのでその点は苦労しましたが、逆にいうといかようにでも自分で作っていけるのでこんなに楽しいことはないですね。また、これまでいた環境はインフラ面でとても恵まれていたことに気づき、過去所属していた会社への感謝の気持ちが強くなりました。

ー今後のLATRICOについてビジョンをお聞かせください

濱口:私たちが主戦場にしているスキンケアの領域は、広大なマーケットではありますが「医療用医薬品のスキンケア」に限定するとまだ非常に小さい市場です。一方で、「お肌の悩みを解決する市場」という切り口で見ると、化粧品、サプリメント、美容皮膚科も含まれる巨大な市場になるので、ここに医療用医薬品を使った正しいスキンケアを普及させていくことが目下の目標です。

私たちは、スキンケアに医療用医薬品を使うことをごく普通の状態にしていきたいと思っていて、極端な話「歯磨き」のような存在にしたいんです。歯磨きは、長期的にやる習慣が浸透していると思うので、LATRICOのサービスもひとつの文化にしていきたいですね。

HIRAC FUNDがもつネットワーク・人との出会いに期待

ーHIRAC FUNDに期待することを教えてください

濱口一番はネットワークです。例えばHIRAC FUNDが投資している他のスタートアップの経営者の方との出会いや、人材紹介にも期待しています。

檜山:HIRAC FUNDは、支援先だけでなくLP出資していただいている起業家の方とのネットワーク構築もお手伝いしたいと思っており、2021年11月には出資者と全投資先にご参加いただいた懇親会も開催しました。

コロナ禍でなければ、そういったイベントをもっとやりたいですし、今後も勉強会や先輩起業家の個別メンタリングなども企画したいと思っています。

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濱口:かなり手厚いハンズオンサポートをしていただけると伺っているので、楽しみにしています(笑)!人材の相談にものってくれるそうで・・・。

檜山:はい、私も担当している領域です。エージェントと提携しているので、候補となる方を紹介いただいたら精査をして、支援先へマッチしそうな方をご提案しています。

濱口:人材採用は肝ですよね。私もここ最近採用に一番時間を使っているのですごくありがたいです!

檜山:他にHIRAC FUNDのサポートで興味があることはありますか?他の投資先の例で言うと、マネーフォワードのネットワークを使って顧客になり得る業界の方をご紹介して間接的な営業の支援を進めています。

濱口:そうですね、これからの成長フェーズに応じた支援や、自分たちでは接点作りが難しい方のご紹介は大変助かります。

檜山:ファイナンスはHIRAC FUNDの強みのひとつでもあるので、これからも資金調達にとどまらず、多方面で支援をさせていただけたらと思います!

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※写真撮影時のみマスクを外しております。

インタビュー・文・写真/矢頭 ユミ

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