不良品作り2

不良品を作ってしまう理由は テクの無さに加え 仕事も多かったのも理由。
当時のお客様で 日本最大規模の桐専門の木工所 テレビショッピングとかで破格の桐箪笥とかあったでしょ その素材工場、桐はご存知のようにかなり柔らかいのですが、繊維は固い 木材の直径も大きめで直径80センチ程度が普通 デカイのは120センチ程度 刃の付きが悪いと繊維が刃先に引っ掛かり切れなくなる、布のカタマリを切るようなイメージでいいのかな とにかく難物。 
これを小さいアサリで切りたいので何とかしろ 耐久性が悪い ひき肌が悪い ひき曲がりすると 厳しいリクエストの連続。
しかも釘が半端ない多い 中国産の材でしたが 伐採時に割れが入ったのを多数の釘で止めてその割れを隠してあった、輸出だから出荷したもん勝ちみたいな なんでも出しちゃえって感じだったのだろう。

他にも異物は石が中心部にまで入っているし 散弾銃の弾とか 柔らかく成長が早いためにチョットの異物も巻き込んでしまうので 時にはレンガ、有刺鉄線 スパークプラグまで異物だらけ 製材機1台で5本使って全部石釘とか普通に有ったりして こんな製材機8台も有った 小さいアサリ1.9ミリから2ミリでコレだもん ステライト加工に追われ修理に追われ めちゃくちゃな状態が毎日。
 
この木工所 ここの社長がかなり厳しい 文句言われても仕方ない品質だったので 黙って聞くしかなかったのですが、時にはアサリ幅1ミリの鋸を作れって司令とか 後工程でプレーナーを掛ける関係で挽き曲がりの許容範囲は0.3ミリ以内 この中には当然、挽肌の粗さ分も含まれるとか 今でも、できっこないよと思うんだけど いや本当に厳しかった 何が問題なのかもある程度把握できてきたので何時かこの社長を黙せてやるぜと 黙々と改良を続けたのです

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