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記憶も0と1

前回では、文字符号を例にして、電圧の増減が0と1として捉えられ、16進数が文字に割り振られて、画面に表示される一連の流れを説明した。では、電脳の記憶装置はどうなっているのだろうか。

電脳の記憶領域メモリも論理回路でORとNOTを組み合わせて作る。図1.

この回路は少し頭が混乱するが、特徴はORの出力の0又は1がNOTによって逆になる事だ。RとSの0又は1により、Qの出力が変更出来たり、出来なかったりする。ORが0出力、つまり入力が無い時は、回路がONとなり1ビットの記憶が保持される。これが幾つも連なると、2進数の羅列が出来、電脳の情報粒データ(情報粒子)が記憶領域に留まる事になる。

電脳の記憶領域には、もう一つ種類があって、電 蓄 電 器コンデンサーを使うものだ。電蓄電器は、薄い紙状の電気を通す金属と、電気を通さない紙状のものを重ねて丸めた構造をしている。この金属に電気を流して止めると、一瞬だけ電気が溜まり電圧が保たれる。しかし直に流失して無くなる。電圧を保つためには、一秒間に何百回、何千回と電気を間欠的に流し続ける必要がある。

フリップフロップ回路の記憶を静的記憶領域スタテッィク(メモリ)、電蓄電器を使う方を動的記憶領域ダイナミック(メモリ)と言う。動的記憶は構造が簡単かつ動作が速いが、繰り返し電気を一定間隔で流し続ける必要がある。電脳で利用するには様々な工夫がいるが、多くの卓上電脳で主流の記憶方式となっている。

一方、静的記憶は記憶保持に何もする必要がなく、扱いが前者に比べて簡単である。しかし、構造が複雑なので、集積度を上げる、つまり素子の中に沢山組み込むのが難しい。静的記憶媒体にはその他、フラッシュメモリ、電脳のSSD、携帯のシムメモリ等がある。

静的記憶媒体では、電子を溜め込む部分に電子があれば1、無ければ0として情報粒データを記憶する。電子の有無とは、下敷きなどのプラスチックを擦って、静電気を溜めるのに似ている。この静電気は電子であり、静的記憶媒体で利用する電子と同じである。

下敷きと違って擦る代わりに、電圧をかける事で電子を溜めたり放出させたりする。電子を溜める部分は浮遊ゲートと呼ばれ、半導体の一部で周りから完全に絶縁されている。一度溜めた電子を長期間保持することができる。絶縁されているのに電圧をかけると電子が移動して溜まるのは不思議である。

この仕組みは、浮遊ゲートにはトンネル酸化膜という物が貼り付けられていて、通常は絶縁体だか、ここに高電圧をかけると酸化膜は絶縁性を失って電子が流れると言う事だそうだ。何れにしても電子の有無が1と0に翻訳されれば、後は今までこの連載で説明してきたのと同じだ。

次は、有形具記憶盤ハードディクス

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