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海岸防災林アイデアコンテスト「現地見学ツアー」を開催しました!

前回の記事で、海岸防災林アイデアコンテストの開催についてご紹介させていただきました。今回は、そのコンテストの様子について、事務局の(株)トビムシよりお伝えします🌲

↓前回の記事↓


海岸防災林アイデアコンテストに取組んでくれる学生を募集したところ、7名の学生の方々から応募がありました!
そして先月5月27日から28日にかけて、その皆さんと一緒に、対象地域となる東松島市と亘理町を巡る『現地見学ツアー』を開催しました。

初日27日は東松島市を巡りました。東京から来るメンバーもいたので、東松島に着くころにはお昼近くだったため、美味しいお蕎麦と海鮮を頂ける奥松島クラブハウスさんでまずは昼食を頂きました。食後にはすぐ近くの「のびるノ茶屋」さんでデザートに舌鼓を打ちました(美味しすぎて写真を撮るのを忘れてしまいました。)。

お腹を満たしたところで、いよいよ現地を見学…する前に、今回対象の各地域に馴染みの無い応募者もいたので、座学で基礎情報をインプットしてもらいました。奥松島クラブハウスさんで催されている、ブルーインパルス専属カメラマンによるギャラリー「GALLERY黒澤英介」の傍ら、スペースをお借りしながら、大量の情報を学生の皆さんに吸収してもらいました。

 

↑これまで開催してきた「海岸防災林対話会」のことも共有しました。


その後は、すぐ近くにある東松島市震災復興伝承館で、震災の記憶を学びました。この伝承館は震災当時、旧野蒜駅として使われており、施設の方がそのときの様子を教えてくれました。また、岩手県陸前高田市の“奇跡の一本松”は有名ですが、東松島市には津波から生き残った椿の木があり、今も青々と茂っています。


↑生き残った椿の木。よく見ると、横には植えられた稚樹があります。

次に、『奥松島』を擁する東松島市(主に沿岸部)の地理情報・観光情報をインプットしてもらうため、宮戸島から野蒜海水浴場にかけて、ひととおり巡りました。


最後に、鳴瀬川を渡り、旧矢本町側にある、セイホク株式会社さんが管理されている海岸防災林を見学しました。セイホク株式会社さんは、管理林地をしっかり手入れされているほか、近年、地元のまちづくり協議会との取組を進めています。

↑もう人の背丈を超すくらいに成長した、セイホク(株)さん管理の海岸防災林

日没が迫る中、宿泊予約していた「KIBOTCHA」に到着、みんなで協力してBBQをしながら、今後の活動に向けて親睦を深めました。



翌日28日は、亘理町に移動し、「わたりグリーンベルトプロジェクト」さんが管理している海岸防災林を見学しました。

海岸防災林に入る前に、海岸ならではの植生について、ご案内いただきました。

内陸では見ない珍しい植物に、みんな興味津々です。

さて、いよいよ海岸防災林の見学です。
わたりグリーンベルトプロジェクトさんは、管理している林地を主に4つのエリアに分け、それぞれの特性に応じて管理する取組を行っています。

まず1つ目は、松林再生エリア。過去に植樹した広葉樹の生育不良を受けて、昨年、抵抗性クロマツの苗木を補植しています。順調にすくすくと育っている模様です。

2つ目は、混交林再生エリア。クロマツと一緒に植えたコナラの生育が比較的良好で、団体が発足当初から目指してきた混交林の再生が進んでいます。海岸に面する最前線は、潮の影響で難しいですが、クロマツより内陸側、若しくはクロマツに囲まれた環境だと、育っている様子が窺えました。

3つ目は、植生遷移モニタリングエリアです。海岸防災林は、地下水から木の根を守るため盛土されていますが、その盛土造成後に、ハンノキが自然と繁茂し、写真のように立派に成長しました。他のエリアに比べて特に生物多様性が豊かで、とても面白い場所になっているとのことです。

最後、4つ目は天然更新優先エリアです。残存林由来の実生と、震災後植えた植物とが混在しているエリアです。

東松島市にも残存クロマツ林はありましたが、わたりグリーンベルトプロジェクトさんのようにゾーニングをしっかり設定している管理体制に初めて触れ、大変勉強になりました。


その後、亘理町での農業の様子をお聞きするため、地元の方に農地を案内していただきました。潮による農機具や作物自体への影響を考えながらの作業を余儀なくされるなど、現地でしか聞けないお話をお聞きしました。また、震災前の海岸防災林が成熟していた頃より、現在は潮風や波の音がだいぶ強く感じるとのことでした。

最後に、引き続きわたりグリーンベルトプロジェクトの皆さまにご協力いただき、地元のお話をお伺いしました。震災当時の様子、それからの地域の事情など、たくさん教えていただきました。

さて、ここで『現地見学ツアー』の全ての行程が終了しました。最後に、参加した学生の皆さんに、このツアーで感じたこと、考えたことをまとめ、共有してもらいました。

この時点で、「自分がどの地域で活動・アイデアを練るか」を決められた学生は少なく、その点については、ツアー後に応募者全員で話し合うこととなりました。

たくさんの方々にご協力いただき、天候にも恵まれ、海岸防災林アイデアコンテスト『現地見学ツアー』は無事、終了しました。ご協力いただいた皆さま、誠にありがとうございました。

ツアー後、学生は全員で話し合いを重ね、共に発想・構想を出し合いながら、
東松島市チーム:4名
亘理町チーム :3名
で活動することに決まりました。

現在、7月15~16日の「アイデア発表会」に向け、各チーム、鋭意活動中です。関係者の皆さま、地域の皆さま、引き続き、暖かいご支援を頂けますと幸いです。応募してくれた学生の皆さんと一緒に、新たな取組・仕組の実現に向けて、邁進していきます!

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