(随時更新中)光文社古典新訳文庫、全部読む

古典がスッと入ってくる、「今を生きている言葉」にこだわった光文社古典新訳文庫。最近どハマりしているので、名作たちの山を登ろうかと思います。
すでに100冊以上出版されているらしい。

1.『アンナ・カレーニナ1~4』トルストイ 訳:望月哲男

トルストイが40代に書いた、言わずと知れた名作。そして長すぎて積読になりがちな名作。

2.『すばらしい新世界』 オルダス・ハクスリー 訳:黒原 敏行

1984年などと同じくディストピア小説。誰も老いず、60歳まで健康的に生きる世界で、野蛮地区から文明地区に連れてこられたジョンが困惑していくのだが、戦前の人々が今の時代へ急に連れてこられたら、ここまで極端ではなくても、同じような驚き、呆れがありそう。最後はなんとも言えない口惜しさみたいな感情になる。私が地方に住んでいるから余計に、かな。

3.『椿姫』 デュマ・フィス 訳:永田千奈

高級娼婦マルグリットと青年アルマンの恋の話。読みながら号泣した。アルマン~、そうじゃない!ってつっこみたくなるところ多数。マルグリットの行動はアルマンからすると一見不合理に見えるかもしれないけど、生きるための苦渋の選択だったろうな。意外とマルグリットは出てこないです。アルマンと語り手の会話調で物語は進む。

4.『水の精』 フケー 訳:識名章喜 

ドイツロマン派の傑作。フロンブラントは椿姫アルマンと同じく、いけてない青年かと思いきや、意外とそうでもない。ウンディーネは人間になって、良い人になりすぎて逆に怖い。切ない物語。恋人を1回しか選べないって難しい・・人生100年時代の私からすると、運命の人を10代~20代で、経験や判断力がそこまでない中選ぶって、すごく怖いし踏みきれないなー。

5.『崩れ行く絆』 アチェベ 訳:栗飯原文子

欧米化されていくアフリカ社会の中で、特に宗教という形で忍び寄る植民地支配への不安、おそれ、世代間の未理解などを描いた小説。今のアフリカ社会はここから1~2世代後だろうけど、まだこの時の屈辱やずれみたいなのは残っているのかな。

6.『方丈記』 鴨長明 訳:蜂飼耳

教科書にも載っている方丈記を最後まで読んでみた。鴨長明、隠居のおじさんってイメージだったけど、色々精力的に活動してる。

7.『マノン・レスコー』 プレヴォ 訳:野崎歓

ファム・ファタールを最初に描いた小説にして、不朽の名作。マノンに心奪われたデグリューが、愛と宗教的道徳的なこれまでの生活にふらふらいったりきたりする。実はマノンはほぼ出てこない。マノンは第一に快楽、第二に愛、と結構人生の優先度がはっきりしているのだけど、デグリューはそうもいかない。(でもそれが普通だと思う、まぁ書かれた時代が時代なので、女性が結構デフォルメされている)面白い!そして、よく聞くけど読了している人って案外少なさそうなマノン・レスコーが読めてちょっと満足。

8.『書記バートルビー/漂流船』 メルヴィル 訳:牧野 有通

9.『ヴェネツィアに死す』マン 訳:岸 美光

10.『老人と海』 ヘミングウェイ 訳:小川 高義

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?