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クルス・ヤンが現場である廃倉庫に到着したのは、丁度、標的である資産家ロバート・ユナーの頭部上半分がぞるりと滑り落ちているところだった。 その向うには、脇差を手にした薄紅色の和服を着た美女が。 「俺の標的のはずだが」 「さあ。ダブルブッキングかしら」 美女は、薄っすらと笑う。標的の血飛沫が、クルスの安全靴のつま先に、染みを作った。 クルスが無音無造作で拳銃を跳ね上げる。すでに美女は目の前で、男は親指以外の四指を中程から切断され、拳銃が零れ落ちる。 クルスの全身から