見出し画像

Double FaceヲタクがDouble Face アルバムシリーズ『TRIP』をレビューする

はい、タイトルのまんまです。

9/20に発売されたDouble Faceのアルバム『TRIP』をレビューします。
と言ってもまずレビューとはなんぞや。格好いいから使っているだけで、このアルバムが最高だってことを叫びたいだけです。

まずこれを書いている私の自己紹介です。

筆者
・もう少しであんスタ歴8年目になるヲタク。
・プロデューサーというよりかはアイドルヲタク目線であんスタを楽しんでる(プロデューサーはあんず想定)
・ズ!の頃から三毛縞を追っかけていたらDouble Faceと桜河こはくも好きになった。
・キャラ単体萌えなのでMaM・DFってよりかは三毛縞斑が好き。ユニット的にはDFが好きです。

という、あんスタ界隈には珍しい『ズ!』から三毛縞を推しているのにMaMじゃなくてDF好きという女です。
だから大抵の三毛縞推しとは話が合わないです。もちろんMaMも好きです。

では早速レビューするぞ!


ジャケットイラスト

まずはアルバムのジャケットのお話から。

はい、最高。

あんスタ始めてもう長いですけど、多分あんスタ人生の中で一番好きなイラストです。
よく「あんスタくん絵が上手い」なんて言われてますけど、これを見たら「そうですね」と返事するしかない。

クレビとRa*bitsの時点でジャケットイラストのハードルめちゃくちゃ上がってたのに、それを簡単に超えたどころか天井突き抜けて空まで駆け上がっていきました。あれがネビュラか。

これは憶測なんですが、今回のアルバムシリーズのジャケットイラストを手掛けてくださっているのは、普段周年のキービジュアルなどを手掛けてくださっているあんスタのキャラクターデザインを担当された方なんじゃないかって思うんです。
5周年展覧会のキービジュアルの英智のイラストと絵柄や線の細さ、色の塗り方が似てるなと感じました。

5周年展覧会『ring for SMILE』キービジュアルイラスト

私、このイラスト大好きで。このイラストがゲームで星4で配布されたときは「こ、こんな麗しい英智くんを星4で!?!?星100の価値ありますが!?」と公式のことを心配してしまいました。

このイラストの他にも6周年のキービジュアルとかもそうですが、この方の書くアイドルは普段アイドルがしない表情を落とし込んでくれるというか、アイドルたちの新しい一面を見せてくれる感じがして凄く好きです。
これから公開されていくジャケットイラストも楽しみでなりませんな。

というか楽曲レビューに行く前にこのジャケットについて語らせて欲しいんですけど、誰かDFがこういう感じのジャケットで来るって予想してました?してた人いないと思う。

Double Faceってユニットはメンバーそれぞれが元のユニットと兼任しているユニットなので、結構関係性はあっさりしているというか、他の二人組ユニットであるValkyrieや2winkと比較すると仲良しって感じのユニットではないんですね。

私もジャケットが公開される前は「DFだし背中合わせのイラストかな?」などと予想を立てていたんですけど、ジャケット公開前日に突如公式がTwitter(現・X)に投稿したシルエットを見て驚愕。
すぐに親友にLINEをして、なんとかそのときは冷静さを保つことができました。

いや、近すぎる。どう考えても近すぎる。し、なんか三毛縞くんがこはくに壁ドンしてるように見える。
でもまだシルエットだし、もしかしたらコラ画像みたい感じでシルエットを近づけているだけかもしれない。

シルエットの時点で既に限界を達し、私はただひたすらに心を無にしてMusicのイベントのラストスパートをしました。

そして翌日の18:00、ついにそのベールを脱いだわけですけど……す、凄い、凄すぎる……
こんなことがあっていいのか。私は普通に会社で頭を抱えました。そして親友に連絡しました。

まず何が凄いって、二人の顔面偏差値が億を超えて無限大数すぎる。顔、とにかく顔、顔が良すぎる。

三毛縞くん、流石日日日に「あんスタ随一の美形」と言われているだけある。この男を美形と呼ばずにしてなんと呼ぶのか。
三毛縞くんの誕生石であるエメラルド色の瞳の細め方。ニヒルに開いた口元。完璧すぎる。確かにこれはMaMじゃない、Double Faceの三毛縞斑だ。

そしてこはく、なんだその顔は。いつそんな顔覚えたんだ。ふざけるのも大概にしてくれ。最高すぎるじゃないか。
あんスタ最年少の15歳で浮世離れした雰囲気と言われているのがありありと分かる。このこはくは人間じゃないような、ちょっと人外地味た何かを感じる。とにかくこちらを煽るような顔が最高だ。

そしてなんといっても構図、二人の体勢。これにはまだ残っていた私の理性も「えらいこっちゃ」と両手を天に向けた。
よくよく見たらなにか箱に詰められているような、よく言う二次創作の箱に閉じ込められているような構図である。

何が凄いって三毛縞くんの股の下にこはくの両脚が入ってしまっている。DFの体格差がこれでもかと表現されている。
てかこの体制で耐えれてる三毛縞くんの体幹凄い。いや、三毛縞くんの体幹が凄くないわけないんだけど、三毛縞くんのこと馬鹿にしてるんですか?謝ってください!ごめんなさい。

そして何よりも、何よりもっていうかもうここが全てなのだけど、こはくの指。大変ありがとうございました。

こうしてみると体の近さは半端ないけど、私たちが見えているところで触れ合っている部分はないというか。二人の繋がりって三毛縞くんの衣装のパーツにこはくが指を引っ掛けているところしかないんだなぁ。
いや、指引っかかるってなんなのさ。あんさんぶるスターズ怖!なんだこのコンテンツ、ここにきて何がしたいのか分からなくなってきた。

あと衣装にも触れとこ。アイドルのスーツ衣装嫌いなヲタクはこの世にいないでしょ。色味が暗いのもDF風で、何よりもグラデーションが星空みたいで綺麗。このスーツを染めてくれた方の口座に一億円が振り込まれますように……

グラデの色もですが、膝のリボンとイヤリングの色もそれぞれの瞳のカラーになってます。
二人の担当カラーって普段は茶色とピンクなんですが、DFになると瞳の色の緑と紫に変化するところが個人的にめちゃくちゃ好きでして……私もついこの色で雑貨を集めがちです。

命救われたなって思うのはこのカラーがお互いの瞳の色じゃなかったところ。カラー交換なんかされてた暁には「こ、こんなの、こんなの結婚じゃん!!!」とその場で崩れ落ちていたでしょう。(ちなみに筆者は腐女子ではありません。ですがあまりにも仲良しなことを『結婚』と言ってしまうことがあります)

まあ三毛縞くんも「距離近いだけで『結婚した!』って言う界隈」って認めてたしな。じゃあこの距離の近さはなんなんでしょうか? 結婚したということでいいのでしょうか?

と、まあなかなかの数のあんスタユーザーを困惑させた異常ジャケットでした。
でもなんだろう、さっきも話したようにDFって関係性があっさりしているお陰でこういう構図でも生々しいという感じはしない。どちらかというとお仕事でやってます!というのが伝わってくるのがいいなぁと。

ちなみに私はこちらのジャケットイラストをスマホのロック画面に設定しています。だってジャケットが公開される前から「アルバムジャケットはスマホの待受にしよ♪」って決めていたんだもの。
お陰で会社でスマホを見る時に後ろに人がいないかを確認してから見る癖が付きました。ですがつい先日、家で父が自分のものだと勘違いし私のスマホを持ち出したお陰でばっちりロック画面を見られました。今家に居場所がないのはそのせいです。

という私の話は置いといて、とにかく素敵なジャケットですよね!今ならこちらのジャケット衣装がついてくるスカウトもやってますので是非引いてみてください!
ちなみに私は無事二人とも完凸して完全体ネビュラになりました。ずっと交互に出てきて可愛かったです。

(追記、まさかアルバムスカウトが終わるまでにこの記事が書き終わらないとは思いませんでした。だけどこの記事読んでくださってる方はきっとDFの二人を引いてくれたことでしょう。そう信じています)

と、ジャケットのレビューだけでもう3000字近く語っているんですけど大丈夫でしょうか?もうすでにこの時点でかなりの人が離脱しているような気がします。
ここまで残ってくださった物好きな方は是非続きの楽曲レビューの方も見ていってください。

ではでは、ジャケットの話はここまでにして続いて収録曲のレビューです!


アルバム収録曲レビュー

ここではアルバムで聴ける楽曲だけのレビューということで、ゲームで実装されているMVなどには触れずにレビューしていきたいなと思います。
歌詞の考察などでイベントストーリーの内容に触れるかもしれないので、ネタバレが怖い方は注意していただけると幸いです。

また私は普段DF二人のことを「三毛縞くん」「こはく」と読んでいるのですが、片方だけくん付けするのもあれなので、ここから先は「斑」「こはく」と名前で呼んでいきます。

ちなみにアルバム収録曲はここから聴けるのでまだ見てない人は是非見てね!

https://youtu.be/CXq6ccGhz1E?si=uikP1ddHVAZgY1Bm

では早速一曲目の『ネビュラ』から。

01.ネビュラ

作詞:ミヤ (MUCC) 作曲:YUKKE (MUCC) 編曲:ミヤ (MUCC)

しっとりした歌い出しからの疾走感のある楽曲。
Double Face解散前の最後の楽曲ですが、ここに来て新しいDouble Faceを魅せてくれるとは。なかなか憎たらしい。

とにかくDFのアルバムが出ることが嬉しすぎて、クライマックスイベの楽曲の他にもう一つDFの曲が増えるんだとワクワクが止まりませんでした。
そして今回のアルバムシリーズのリード曲って、有名アーティストに楽曲提供していただいていて、先に発売されたORANGE RANGE、大塚愛があまりにもBIGすぎて正直ビビり散らかしてました。

正直Double Faceの楽曲のジャンルって音楽に詳しくないので分からないんですよね。どのジャンルに当てはまるんだろうか。
格好いい曲もあれば爽やかな曲もあって、でも歌詞は重たいものが多いので、「ま、まさか米津!?!」とまで思考が飛躍しましたが、DFの楽曲に関してはハマる自信があったので(どんな自信)、どんな曲が来てもあの二人が歌うんなら好きだろうなぁと確信していました。

そしてアルバム告知動画をジャケットイラストに脳を焼かれながら会社のトイレで鑑賞。最初聞こえてきた音に結構びっくりしたの覚えています。
DFの曲はストリングスが多いと思っていましたので、「え、なんか違う動画見てる!?」ってなりましたね。

Double Faceとしての最後の曲、てっきり『=EYE=』路線で来ると思っていたこともあり、「ここにきて新しい路線に挑戦してくれるんだ」「なんて惜しいユニットを無くしてしまったんだあんスタ!」とトイレで一人悶えていました。
そして告知動画のあの短い間だけでも、二人の声の重なりが今までで一番綺麗だなと感じ、こはくの言う通り本当に集大成なんだなと感慨深くなりました。

そして肝心な楽曲提供はMUCCさん!最初『MUCC』の四文字を見たときに、「なんか知ってるぞ!?」と思いまして。
ただこれまでバンドにハマらずに生きてきたので初っ端からピンとは来ていなかったんです。

しかしRa*bitsの告知動画見たときに「"AIO"ってどんな方なんだろう」と検索して大塚愛だと知ったときおったまげたので、早速『MUCC』と検索してWikipediaを拝読。
なんか海外公演とかしてて武道館ライブも何回も行なっている。めちゃくちゃ凄いバンドなのでは!?

というか告知動画が公開されたあと、『MUCC』というキーワードがTwitterのトレンドに載っていたので、そんな凄い方々に楽曲提供をしていただき感無量でした。
あとあと知ったのですが、MUCCさんは『ニルヴァーナ』という曲を昔発表していて、私はそれが好きなアニメの主題歌だったということもあって学生の頃にカラオケでめっちゃ歌っていたんですね。まさか思い出の曲を作ってくださっていたとは……

まさかここに来てビジュアル系バンドとDouble Faceが繋がるなんて思ってもいなかったです。
ですがネビュラは初めて聴いた時からビビっときて、DFの中でも一二を争うぐらい好きになるぞ!と確信しました。

やはりV系の方が作ってくださっているということもあり、ゴリゴリにエレキギターを掻き鳴らしています。特に間奏のギターソロのところ、絶対みんな好きですよね。
アイドルの楽曲でギターソロがあるの珍しいなと思いつつ、これこそ楽曲提供をしていただく新鮮さだよなと感じました。

あと歌詞なのですが、今回はMUCCのミヤさんが担当されているとのことなのですが、ビックリ。「もしかしてDFのストーリー全部読まれたんですか?」と言いたくなるくらいDFに合いすぎている!
歌詞だけ見ても二人のものの受け取り方や感じ方の違いが読み取れて、どこを見ても胸が締め付けられる歌詞ばかりでアルバムが家に届いて直ぐに歌詞カードを見て一人唸っていました。

というかめちゃくちゃ「〜まま」という歌詞が出てくるんですが、これ偶然なんですかね?偶然だとしたら本当に凄すぎませんか?

色々好きなところはあるのですが、全体を通して同じような歌詞を繰り返しているように見えて、実は少し変えていっているというのがお洒落だなと思いました。

特にサビ前のフレーズは一番二番でそれぞれ斑とこはくが順番に当たっているのですが、
一番では斑が、

手を伸ばしても 届かない"から"
壊したくても 壊せない"から"

と歌っているのに対し、二番ではこはくが、

手を伸ばしても 届かない"なら"
壊したくても 壊せない"なら"

と歌っていたのが印象的でした。
最後の二文字を変えるだけでも、かなり受け取り方が変わりますよね。

斑の方は諦めがちのように聞こえますし、それをこはくが訂正しているような、二人の関係性が見える歌詞で大好きです。
二番でこはくが歌うときにバックの音が変わって重低音がゴリゴリになるんですけど、それを背負って歌うこはくに震えましたよね。絶対生バンドで見たいぞ……

あと何度か出てくる「手を離せない」というフレーズを毎回こはくが歌っているというのも肝でして。なぜなら斑は絶対に「手を離すタイプ」だからですね。
どれだけ手を離したくなくても離してしまう男なので、そんな男のことをぎゅっと掴んでいるこはくが歌うことで歌詞の説得力が違うというか。

最後「滲んだままでいい」と肯定に変わるところも、こはくと出会って斑が変わったことを示唆しているのかなと考えたり。
考察すればするほど、これほどDouble Faceというユニットを体現した曲はないなと思いました。

あとタイトルの『ネビュラ』も、あんスタの楽曲のタイトルでは珍しいなと感じました。あんスタは英語タイトルが多いので、多分あんスタサイドが制作していたらタイトルは英字の『nebula』になっていたでしょう。それもそれでお洒落ですが。

『ネビュラ』って言葉にはいろんな意味があって、「霧」とか「星雲」なんかがあるんですが、最初Double Faceの雰囲気だと前者のイメージなのかなと考えていました。
しかしフルを聴いたり、天文台コラボなどをみると「星雲」の方でいいんだと思います。

私は「星雲」という言葉を今回初めて知ったのですが、どうやら「星が星になる前の状態」のことらしく、宇宙の塵やゴミなどが集まって星のように光っているように見えるものらしいです。
そして「星雲」はいずれ「星」となり、「星」が死ぬ時はまた「星雲」に戻るとのことです。

「星」を「アイドル」に例えるとすると、他のアイドルたちのように輝けていないDFの二人がそれぞれのなりたい「アイドル」になるために一度別れ、そして「アイドル」になったあと、時間が経った頃にまた二人で集まったりするのかなと。

まるで二人のこれからと未来が詰められた素敵な言葉だなと感じました。

試聴の時から思っていたのですが、この曲の二人の歌声の重なりがめちゃくちゃに綺麗ですよね。
Double Faceの好きなところの一つに「二人の歌声の相性の良さ」があって、それぞれがソロパートを担当しているときはそれぞれの声だって認識できるんですが、ユニゾンになると二つの声が合わさってまるで一人の人が歌っているように聞こえるんですよ。

それは新曲を出すたびにそう思うようになって、この『ネビュラ』がDouble Faceの歌声としての最高傑作になったなと感じました。
本当に本当に素敵な歌声です。溶け合うような、と表現していいのでしょうか?

私はALKALOID×Double Face『夜に駆ける』の「抱きしめた温もりで溶かすから」のDFの歌声が綺麗すぎてまるで宝石のようだと思っていたのですが、『ネビュラ』はそれがずっと続いている状態です!なんと素晴らしいのだろうか!

二人とも優しい歌声だからこそこんなに綺麗なハーモニーを作り出せるのだと思いました。
それなのにこれが最後の楽曲なんて……なんてことをしてくれたんだ、あんさんぶるスターズ!!!!

ゲームサイズのものだと印象的なイントロと歌い出しの斑が息を吸う音が入っていないので、是非フルで聴いていただきたいです!
さっき言ってたこはくがゴリゴリの重低音背負って歌うところもいいので是非!お願いします!!

『ネビュラ』、本当に大好きな曲です。
MUCCさん、本当にありがとうございました!


02.Foggy night (Instrumental)

こちらはインストになります。
今回のアルバムシリーズにはインストが入っているのが特徴的で、これがあるだけでぐっとアルバムの世界観に入り込めるので凄くいいですよね。

「Foggy night」、直訳すると「霧の夜」になります。
静かな夜に響くコツコツといった足音。しっかり聞くと大きく聞こえる足音に重なるように、小さな足音も鳴っています。

二人が裏仕事に出勤するときの音なのか、それとも仕事を終え退勤した後の音なのか。
建物に挟んだターゲットを追い詰めている状況なのかもしれません。もし私がそのターゲットなら怖すぎて泣きながらちびってると思います。

イヤホンで聞くと右から大きな足音、つまり斑の足音が。左からは小さな足音、つまりこはくの足音が聞こえる仕様です。
つまり聞いている私は二人に挟まれている、そんな状況で合っているのでしょうか? どんな状態ですか? 私殺されて二人に運ばれているのでしょうか? それも本望ではありますが。

とにかく、「これからDFの物語が始まるんだ!」と感じさせる、とても素晴らしいインストです。
アイドルじゃない、裏の顔を持つDouble Faceというユニットを音で表現するのがとても上手だなぁと思いました。


03.Sleeper Mystery Train

作詞:松井 洋平 作曲:SHIBU & YU-G 編曲:SHIBU

てっきりトラックリストが公開されるまでは『=EYE=』が一曲目にくると予想していたの、まさかの一曲目で驚きました。
だけどジャケットや天文台とのコラボなどから、Double Faceの『TRIP』は『銀河鉄道の夜』がモチーフなのではと考えられます。だとすると鉄道が出てくるこの曲が一曲目なのは今回のアルバムにぴったりだと思いました。

ファンの間では『SMT』と呼ばれている楽曲で、個人的に私もDouble Faceの楽曲の中で上位に好きな曲です。
この曲、まだMusicにMVが実装されていないし、スタライでの披露も一度もなく、私の記憶が正しければリクアワで流れたことも一度もないんです!つまり世の中にはまだこの曲を知らないあんスタユーザーがいるかもしれないということ!

そんなこと許されますか!? こんな名曲がですよ!?
なので一刻も早くMV化&スタライで披露するのを待っています。この曲が発表されてから、私はずっと振り付けの妄想をしています。

曲調は『=EYE=』に近い、『The・Double Face』と言えるような楽曲で、『=EYE=』のときよりもしっかりと互いの信頼関係が築けていると分かる歌声です。
イントロの汽笛の音からまるで映画の始まりを感じられます。実は歌詞の中に『夜霧』というワードがあり、一つ前のインストと合わさってめちゃくちゃにいいんですよね。これこそ今回のアルバムの醍醐味!って感じがします。

こちらの歌詞は松井神!Double Faceではイベント楽曲をこだまさんが、カップリング楽曲を松井さんが手掛けています。
こだまさんが二人の関係性が深まっていくのを表現してくれているのに対し、松井さんは斑、こはくそれぞれの人間性に焦点を当て、宛て書きされています。

SMTは『オリエント急行』を彷彿とさせるようなら、まるでミステリー小説のように歌詞が展開されていきます。
それぞれの目的のために乗り込んだ汽車での偶然の出会い。事件に巻き込まれ、協力して事件を解決していく。何度脳内でDF二人が主演のミステリー映画を上映したか。

好きな歌詞は沢山あるんですけど、一つ挙げるとするならばラストサビ終わりが好きでして。

暗夜から夜明けへと向かう Sleeper Mystery Train

『暗夜』という言葉でDFヲタクなら気付くかもしれませんが、Double Faceが結成したストーリーのタイトルが『目覚めの暗夜行路』なんですね。
『暗夜行路』のストーリー内で二人はとある目的のために共同戦線を張り、ユニットを組みます。それぞれが自分の過去や生い立ちを後ろめたいを感じ、薄暗い路地裏に生きる仕事人としての道を進みます。

まだこの曲を歌っている頃、二人は暗闇の中にいるのかもしれません。しかし歌詞の「暗夜から夜明けへと向かう」というフレーズは、二人の未来が明るいものになるという示唆でもあるのです。
この曲はカップリング曲ではありますが、しっかりとDouble Faceのストーリーの内容を汲んでおり、それを意識しながら歌詞を読み込むことでまた違った面白さに気づかされました。

あと単純にですが曲が良すぎます。正直これがカップリングであることがまだ信じられません。
私はこの曲をDouble Faceの3週目☆5桜河こはく☆4三毛縞斑のイベント楽曲だと思っています。MVも絶対PV風だと思います。

MVが実装されることはあるのでしょうか。もっとたくさんの方にこの曲を知っていただきたいです。
とにかく次のリクアワでお手紙を読んでいただからように、日々手紙の内容を考えていこうと思います。


04.=EYE=

作詞:こだま さおり 作曲:本田 正樹 (Dream Monster) 編曲:椿山 日南子 (Dream Monster)

Double Faceの始まりの曲です。Double Faceのイメージを固めてくれた楽曲でもあります。
Crazy:B、MaMとは全く違う二人のアイドルとしての新しいステージ。それぞれが新しい一面を見せてくれた楽曲なので、やはり初めて聴いた時に強い印象を受けました。

イントロが始まる前、「プツ……」というまるでブラウン管のテレビが付くような音がします。仕事人としてターゲットを追い詰める姿はまるでテレビドラマを見ているようですが、起こっていることは現実で。
この夢と現実の狭間を生きているのがDouble Faceなんだと、再認識させてくれます。

暗夜行路のストーリーではこの楽曲の作曲と衣装(DFデフォルト衣装)はあんずが担当している設定です。二番のサビ前では転調が入るなど、飽きさせない展開に初めてフルで聴いた時にワクワクしたのを覚えています。

DF最初の曲ということもあって、歌詞からもまだ二人の間に距離を感じます。まだ絆はなく、ビジネスパートナーとして隣に立つ姿。
この頃はまだDouble Faceはどんなユニットなのか、ストーリーを読んでも分かっていなくて。いつまで続くユニットなのか、どんなストーリーが展開されるのか、秘密に包まれたユニットでした。

私もDFが好きだ、推しだってなるのはもう少し先の話なのですが、ユニットのコンセプトや楽曲が好きだったので「多分推しがいなくてもこのユニットのこと好きだったな」と度々思います。
それくらいDFの楽曲や衣装、パフォーマンスが好きで公開された当時、何回もこのMVを見ていた記憶があります。あと個人的に格好いい路線の斑を見たかったっていうのもあります。

DFの楽曲はゲームverには収録されていないCメロが入っている曲が多いのですが、このCメロの歌詞にこそその楽曲に込められた想いが強く感じられて好きです。
こちらの『=EYE=』だと、

綺麗な嘘の裏側にある もっときれいな醜ささえ
全てを見抜く正しさを お互いの目に映して
誰に責められてもいい 気づかれないままでいい
選んだ道に迷いはないだろう?

まさに『暗夜行路』って感じなんですけど、この「誰に責められてもいい 気づかれないままでいい」っていうのが自分たちが汚れてまでも大切な人を守りたいという二人の覚悟が見えて凄く好きです。(アイドルゲームです)
最後の「選んだ道に迷いはないだろう?」はお互いに最後の確認をしているような、少しだけ後ろめたさが残っているような感じもして切なくなりますね。どうして二人がこんなことを……(アイドルゲームです)

この間のアルバム発売記念のスタンプラリーでも披露していましたが、Double Faceという仕事を終えた二人が歌う『=EYE=』は、初披露した当時とはまた違った印象があるんだろうなと思います。
『暗夜行路』のストーリー内だとこの楽曲が流れるシーンって結構えぐい執行シーンなのですが、ライブで歌われるとアイドルソングにしか聞こえないのがまた酷いなぁと思います。

私が誰かにDouble Faceを紹介する時に、最初に聴かせたい曲はやっぱりこの曲だなって思いました。
Double Faceの『原点にして頂点』、そんな楽曲になっています。

05.Stippling

作詞:松井 洋平 作曲:神田 莉緒香 編曲:中村 タイチ

続いてはしっとりとした雨の楽曲『Stippling』です。
『Stippling』とは日本語で「点描」という意味ですが、なぜこのタイトルが付いたかはまた後に説明します。

こちらの楽曲の歌詞は松井さんが手掛けています。
『=EYE=』のときにも話しましたが、こだまさんはDouble Faceのアイドルとしてのイメージと二人の距離の縮まりを、松井さんは二人のパーソナルな部分を歌詞で描写していただいています。

この楽曲は特にその描写が美しく、まるで純文学のような歌詞に思わず惚れ惚れします。
もしこの歌詞が現代文の授業に出てきて、先生に「大事なところにマーカーを引いてください」って言われたら、私は全部の歌詞にマーカーを引くと思います。

オケが静かめなので二人の優しい歌声が更に際立ちます。今は独りよがりで、どこか寂しく聞こえる二人の声が切なくも、お互いを支え合っているように聞こえます。
まるで雨に打たれた二人の野良猫が身を寄せ合って少しの熱を分け合っているような。Double Faceのモチーフはダスティハウンドなんですけど。

先ほどタイトルの意味が「点描」という話をしたのですが、この楽曲は「点描の絵」がテーマになっており、それも『雨で描く「点描の絵」』になります。
一サビでは「斑」、二サビでは「こはく」という言葉で絵の具を表現しています。DFという立ち位置上、どうしても孤独だと感じてしまう瞬間がありますが、それでも春の嵐によって二人の絵の具の色は一瞬交わることができるのです。

どの歌詞も本当に本当に好きなのですが、私が特に好きな歌詞はこちらです。

交わらない無数の道さえ
流れ行く河、そのほとりで
並ぶこともあるなら……

こはくと出会うまで、様々な人と出会い別れを繰り返してきた斑。交わることない一本の道を一人で歩いていた時に桜河こはくという『河』が合流するかのように隣に並びます。
一時的な共同戦線だとしても、そのときだけは斑はこはくに背中を預けることができます。がっつりと隣に並ぶと言うよりかはそっと肩を貸し合うような、そんな二人の関係が表現された素晴らしい歌詞だと思いました。

もちろん最後のフレーズも好きなのですがこの曲に関しては永遠に語れてしまうので今回はここまでといたします。
本当に一つ一つの歌詞に意味が込められていて、度々歌詞カードを眺めてはため息をついてしまいます。

静かな雨の夜に聴きたいそんな一曲になっておりますので、秋の夜長に是非。


06.Secret of Metropolis

作詞:松井 洋平 作曲:西寺 郷太 & 谷口 尚久 編曲:谷口 尚久 & 西寺 郷太

DFファンにとても人気がある楽曲です。あんスタ全体でも隠れた名曲だと思うのですが、隠しておくのがもったいないくらいの名曲なので是非たくさんの方に聞いていただきたいです。

作詞は『Stippling』に続いて松井神が、作曲はマイケルジャクソンの研究家と知られる西寺郷太さんが担当されました。
西寺さんはテレビにも出演されることがあるので名前は知っていて、クレジットを見た時に驚いた記憶があります。

西寺さんが作曲ということもあって洋楽チックな曲調で、これまでのあんスタ楽曲でも珍しいのではないかと思います。
特にサビ部分が特徴的で、二つのメロディーが重なっているところがあり、多分一度聞いただけでは歌詞を聞き取るのは難しいと思います。この楽曲を歌い上げた鳥海さん、海渡さんは本当に歌がお上手なんだなと思いました。

『Stippling』が二人の心情を歌った楽曲だとしたら、『Secret of Metropolis』は二人の役割や守りたいものを歌った楽曲だと思います。
都会のビルとビルの隙間、それこそ路地裏でひっそりと活動するDouble Face。誰に知られることもないその活動の中で救われている人々がいること。そのために二人は自分たちの役目を果たそうと活動を進めます。

こうしてみると斑とこはくって、性格は全然違いますがそれぞれの信念は似てますよね。お互いに守りたい人がいて、その人のために自分が汚れても平気なところ。
そう言った利害の一致から組まれたDouble Faceですが、それぞれ個人で今の役割をしていたらきっと精神が擦り減っていたと思います。二人だから傷も分け合える、そんな対等な関係なんだと思います。

Double Faceの楽曲の歌詞には『夢』というワードがよく出てきます。ここでいう『夢』は『眠っているときに見る夢』のことを指します。
DFの二人にとって『夢』というのは、とても都合のいい幸せな時間だと私は解釈します。だから二人は守りたい相手に対して「夢を見てていいよ」とこの楽曲の中で伝えるのです。

大切な人が幸せな夢を見ている間、二人はそんな時間を壊さないために、守るために動き続けます。
そしてその人が迷いそうになったとき、彼らはそっとその手を引いて夢の入り口へと連れていきます。しかし二人は夢の中には入りません。大切な人だけを夢という空間に閉じ込めて、自分たちは夢と現実の間で戦うことを選ぶのです。

こうしてみると別のコンテンツの話なのですが、『魔法少女まどかマギカ』を思い出すなぁと。あの話に出てくる魔法少女たちも、一般の人たちに気付かれないところで魔女と戦い、体と精神をすり減らしていきます。
一緒に戦う仲間とでしか共有できない痛み、寂しさ、虚しさ。この楽曲を聞いていると、そういうのをDouble Faceにも感じてしまうのです。

あんスタの中には「大切な人だからこそ、壁にぶつかって傷付いて成長していってほしい」と考える人間がいます。
しかし斑とこはくは「大切な人にはずっと綺麗でいてほしいし、汚いものを見てほしくない」と思う側の人間だと思います。だからこそ自分たちが行なっていること、生い立ちなどに引け目を感じているんだと思います。

SoMはとても格好いい楽曲なのですが、二人のことを考えると『究極の二人ぼっち』に思えてしまう楽曲なんですよね。
ラストミッションで斑は遂にこはくにまで『綺麗でいてほしい』という感情を持ち、離れる選択肢を選びます。斑らしいといえば斑らしいのですが、やはりSoMの歌詞を思うと胸がぎゅっとなりますね。

この楽曲はDouble Faceの真髄を歌った楽曲だと思います。格好いい曲なのでパフォーマンスを見たい気持ちもありますが、それでいてまだファンだけが知る、隠された名曲であって欲しいと思う気持ちもあります。
しかしスタライで足音を立てながら二人が近づき、背中を向け合ってからイントロが流れるというのは是非やっていただきたいので、いつかスタライで見たい楽曲の一つです。(結局見たい人)


07 Bye-Bye Buddy

作詞:こだま さおり 作曲 / 編曲:アッシュ井上 (Dream Monster)

Double Faceの最後のイベント楽曲です。タイトルから分かるように、ストーリー内ではこの楽曲を持ってDouble Faceは解散することになりました。
これまでの楽曲と違う点として、曲調がアップテンポで明るいことが挙げられます。MVには触れないと言っていたのですが、MV内で一番笑顔が多い楽曲になります。

一番最初のイベント楽曲の『=EYE=』と聞き比べると分かりやすいんですが、二人の声の重なりが本当に綺麗なんです。新曲が発表されるたびに二人の歌い方や声が似てきているような気がして、そういうところからも関係性が進んでいることが垣間見れていいですよね。

そしてなんと言ってもこの楽曲は歌詞ですね!本当にこだまさんが書かれた歌詞が最強なんです!
二人の関係の終着点を素晴らしいくらいに表した歌詞で、ゲームサイズの時点でもヤバかったんですが、フルで聞いたときに思わず目頭を押さえてしまいました。

なんというか、一番の歌詞はDouble Faceのパブリックな解散の歌詞なんですが、二番からがDouble Faceの物語を追っている人なら追っているほど胸にくる歌詞になっているんですよね。
一番だけならバディものの歌詞だなってなるところが、二番に入ると「これもう斑とこはくじゃん!」となってしまうんですよね。本当自分たちのことを歌いすぎてるって話ですよ。

この曲がDouble Faceの物語の最終回だなぁと感じるところは沢山あるんですが、実は最初の方にそれが示されているんですよね。
それが歌が始まった直後、「through the dark」と歌っているのですが、直訳すると「闇を通り抜ける」という意味になります。

これまでの楽曲では「暗夜」や「暗闇」と言ったものをテーマにしていたDFですが、ここで「暗いところを通り抜ける」という歌詞がある通り、二人は後ろめたい暗躍を卒業したというふうに受け取ることができます。

そしてゲームサイズの中で特にDFらしさが出ていると感じる歌詞はこちらです。

Buddy Buddy 油断なんかは微塵もない その背中が
Buddy Buddy 妙に居心地いいのは 気の迷いってことにして
感傷は後のお楽しみに取っておこう

背中を預け合う関係が居心地がいいと感じているのに対し、それが別れることへの未練に繋がることから「気の迷い」という誤魔化し方で無かったことにしようとする、という歌詞が本当にDFらしいです。
ストーリーを見る限り、最初は利害の一致から手を組むことになった二人ですが、時間が経つにつれて次第に『Double Face』というユニットに愛着を持っていることが分かりました。きっと裏仕事がなくなった後も、出来ればユニットを続けていきたいという気持ちもあったと思います。

しかし二人は「解散」という道を選ぶことになります。というか選ばなければいけなかったのです。
いつかくるピリオドに対して、自分の感情を否定せずに納得させるには「気の迷いのせいにする」という誤魔化し方がとてもいじらしく聞こえます。

この「気の迷い」という言葉が本当に刺さりまして。斑はDFのときの方が自分らしいキャラであり、こはくも斑に対しては自分の薄暗いところも曝け出すことができると話していました。
いつのまにか共感し合える仲間という関係になり、出来ればそんな存在がこれからも隣にいることを願っていました。斑は『ラストミッション』のストーリーの中でそんな本音を素直にこはくに伝えましたが、普段ならそんなことを口にしないでしょう。

きっと普段のDFなら『君でよかった』という気持ちを無かったことにするんだろうなぁと思ったので、それを歌詞にすると「気の迷い」という言葉に終結するんだなと感じました。
その後の「感傷は後のお楽しみに取っておこう」という歌詞も、「いやいや、結局寂しがってますやん!」とツッコミを入れたくなる愛おしさがありますよね。

ここから二番に入るのですが、あまりにも好きな歌詞が多すぎる!

夢でも見てたように 日常に戻るだけ
別に誰も咎めたりしない

ここでも『夢』という言葉が出てきました。先ほども話しましたが、DFにとっての『夢』というのは「都合がいいもの」「幸せな時間」を指していると私は考えています。
二人にとってDFの活動はというのはいつのまにか二人が守っていた「幸せな時間」へと変化していたんだなと感じます。実際に斑もストーリー内で「君とのアイドル活動は幸せだった」とこはくに告げています。

「咎めたりしない」という歌詞もそうで、実際に二人がDFの裏仕事を辞めることに対して誰も怒ったりはしないと思います。そもそもアイドルがすることではないですし、二人は自分たちの責任感から勝手にやっていたことだと思いますし。
それぞれの活動の目標が達成できた今、DFを続けるというのは『二人の意志』が基にあり、二人が「辞める」という選択肢を取るだけであっという間に終わってしまうものなんだというのが分かります。

(風化する)
そんなもんさ
(永遠なら)
他にある
綺麗事じゃなく 手を組んだ日から

ここから少し曲調が変わるのが凄く好きです。結構この楽曲は一番と二番でメロディーが違うので、フルで聞くとゲームで聞いていたよりも印象が変わるかもしれません。

ここの「(永遠なら)他にある」というのはもちろん二人が所属しているユニット、MaMと Crazy:Bのことですね。
DF推しとしては悲しいことですが、確かに二人が今後ずっと活動を続けていくのは各々のユニットだと思いますし、DFは一瞬交わった共同戦線。ここの歌詞もなかなか胸を締め付けられるものがあります。

この時点で歌詞カードを読みながら感傷に浸っていたのですが、このあと特に好きなフレーズが飛び出してきます。
それがこちらです。

見納めさ Side face

二番サビ終わりの斑の歌割です。
この『Side face』というのは「MaM、クレビとは違うもう一つの顔」という意味と、「相棒の横顔」が掛かっていると思います。
一つはファンである私たちに対して、もう一つは自分にそう言い聞かせているように聞こえました。

横顔というのは隣にいないと見えないものですから、この歌詞が一番「Double Faceが終わる」ということを実感させられました。
しかもこれを歌っているのがDFの活動終了に対して未練を持っていそうな斑というところがまた。彼がそう言うのであれば私たちはその事実を受け入れるしかないなと思いました。

またここから好きな歌詞のオンパレードすぎるのですが、

出会い方はイマイチ 減らず口も知っての通りで
そんな関係値ごと 案外気に入ってたかもな
また会う日まで これがラストミッション Ah,

こちらはゲームサイズには載っていない大サビになるのですが、本当にDFの楽曲は大サビにその楽曲の肝を持ってくるなと思います。
ここ歌詞って本当にDFそのものじゃないでしょうか。二人の本音が素晴らしいこと乗っていて、ここを聞くためにフルで聞いてほしいと思うくらいです。

あと歌詞全体から伝わってくることですが、この歌って「ラストミッションに向かう直前」を歌っている曲なんですよね。
二人での最後の仕事を実行する直前に、出会いから今までを振り返っているようなそんな歌詞になっていて。尚のこと「感傷は後のお楽しみに取っておこう」という部分が響きます。

最後が「行くぜ Bye-Bye Buddy」で終わるのもなかなか粋だなと思いました。二人のラストミッションがどんな結果になったか。まだ読んだことのない方はDouble Faceのクライマックスイベントのストーリーを読むことをお勧めします。

あとこれは楽曲とは関係のない話ですが、こはく役の海渡翼さんがくわPスタジオで「楽曲タイトルを見て解散することを知った」と話していて、まさにラストミッション時のこはくのようだなぁと思いがけないリンクで少し笑ってしまいました。
海渡さんのDouble Faceへの思いも聞けるので、まだ視聴していない方はおすすめです。


08 No name yet

作詞:こだま さおり 作曲 / 編曲:佐々木 裕

アルバムに収録されている、Double Face最後の楽曲になります。
個人的にBBBがストーリー的に最後かなと思っていたのですが、まさかのこっちが最後で驚きました。

実は特装版を買った人だけが分かることなのですが、TRIPのアルバムって電車の路線図みたいにトラックラストが書いてあるイラストがついてくるんですが、DFの場合、この『No name yet』と『Bye-Bye Buddy』で二手に分かれてるんです。
個人的に春宵一刻とラストミッションは別の世界線にあるストーリーだと思っていて(あまりにも矛盾が生じているので)、春宵一刻はDFが解散しなかった世界線なんだろうなと思います。

この楽曲はDouble Face唯一の恋愛曲になります。主人公は咲かない蕾のような控えめで臆病であり、なかなか一歩を踏み出せずにいます。そんな自分を見つけてくれた一人が与えてくれた温もりでその花は冬を超えて咲くことができる。
本当にどこぞの誰かさんだなあと思うのですが笑歌詞を手掛けたこだまさん曰く、「イメージは大きな絵画の中の端の小さな花」だそうで、『Stippling』に続き、ここにも『絵』が出てくるんだなと思いました。

作詞をしている方は違うのに、Double Faceというユニットから表現されるフレーズが固まっているあたり、コンセプトが凄く上手く出ているユニットなのだなと感じました。
『夢』や『絵画』など、DFからは儚さというものが感じ取れるのではないでしょうか。

Nnyは表題の中ではゆったりとしたバラードに近い楽曲で、『=EYE=』ではがっつりと踊っていたのに対して二人の優雅なパフォーマンスが見られます。
特に二人の優しい声色が引き立てられており、この頃から徐々に二人の声や歌い方が似てきているなと感じました。

歌詞の中で、咲かない花は自分を見てくれるただ一人の人の熱を帯びて初めて花を咲かすことが出来ます。
これはどちらかというとやはり斑のことだと思います。個人的にこの曲が発表されたのがSSの『シークレットサービス』のあとということも大きかったです。

こはくの「無視すんな。ここにおるよ」は斑がそれまで言われてきた言葉の中でも特に心に響いた言葉なのではないかと思います。
Nnyの歌詞は一歩を踏み出せずに燻っていた斑を、一人でどこまでも走れてしまう斑を、唯一見守ってくれるこはくと一緒に新しい一歩を踏み出す、そんな歌詞に思えてきます。

それがDouble Faceの、二人が見つけた関係性で、『相棒』なのだと思います。

斑って、器用でなんでも出来て、どこまでも一人で走れてしまうから。たまに後ろを振り返った時に誰もついてこれていないことに気付いて、どこか寂しい気持ちを誤魔化して「一人が楽だしなあ」と強がってまた一人で走り出してしまう。そんな人間だと思っています。
そんな斑に対して年下ながらもついていって、無視しようなら背中を脚で蹴って、強引に斑の視界に入ろうとするこはくが斑を一人にさせない、そんなユニットだと思いました。

Double Faceのモチーフの一つであるパズルのピースのように、二人の形がぴったりとハマったユニットで、その関係性が改めて好きだなと感じました。
正直『!』時代は斑に相棒のような存在ができるとは思ってもみなかったのですが、桜河こはくという存在は彼が新しく一歩を踏み出すのに必要不可欠な存在だったと思います。

楽曲に関係のないことばかり語ってしまいましたが、この楽曲はDouble Faceのもう一つの終着点。彼らの考える、最適解だったんじゃないかと思いました。
『ネビュラ』の星が宿る夜から始まり、『Bye-Bye Buddy』で暗闇を抜け、『No name yet』で陽だまりに出る。このアルバムの流れも凄く良く出来ているなと感じました。

もし次にDouble Faceの新曲が出ることがあるならば、陽だまりに出た明るい楽曲なのかな? でも『=EYE=』のようなアンダーグラウンドな楽曲も捨てられないし。
Double Faceの楽曲は全部で七曲になりますが、どれもDFの魅力がたっぷり詰まった楽曲だと思います。

『No name yet』、「名前はまだない」。
いや、もうついちゃってる気もするんですけど。でもまだついてないことにしちゃいましょうか。
その方がきっと、未来は楽しいですから。

いつか春宵一刻の衣装でスタライに出ているDFを見れたらいいなぁ。


09. ハンズクラフト

作詞:松井 洋平 作曲 / 編曲:鋼鉄兄貴 (HANO) 歌:MaM

さて、ここからはMaMのターンですよ!
DFだけでもお腹いっぱいなのに、MaMの曲も入ってるだなんて! なんて豪華なアルバムなんだー!

まずは『ハンズクラフト』。これまでのMaMの楽曲とは一風変わったサウンドで、特にソロユニットの強みが出ている一曲です。

当時この曲が発表された時に歌詞を見て、「これはMaMとファンの歌だなぁ」と解釈していたのですが、実際にこうDFの楽曲のあとに並べられると……

これもう『桜河こはく』の曲やんか!

と、なりました。はい、なっちゃいました。

これまでのMaMの楽曲が、「斑」と「大衆」にフォーカスした楽曲だったのに対し、『ハンズクラフト』は明確に斑に対する「誰か」が存在する歌詞になっています。
その他大勢に愛を振りまいて、こっちからの愛は受け付けなかった斑が、初めて誰かと一対一で向き合った楽曲になります。

そんな相手ねぇ、もう一人しかいないんですよ。散々この歌の前にDFの歌聴かされましたから。

その楽曲の歌詞、本当によく出来ているなと感じるのが、一見斑が誰かに救いの手を差し伸べようとしているように見えて、斑も救いの手を待っているように見えるんですよね。
一瞬、どっちがどっちの感情なんだと混乱しそうになりますが、きっとどっちも同じ感情なんだと思います。

この歌詞に出てくる「斑」と「誰か」は対等な存在であり、互いが互いを支え合っています。
作詞を手掛けた松井さんの言うように、「誰かを助けようと差し伸べた手は、自分を助けようと差し伸べられた手なのかもしれない」と説明が一番あっているなと感じました。

斑って自分を助けてほしいと手を伸ばせない人なので、人を助けようとしたらその相手に自分も救われていたってこと、実際にありそうだなと思いました。

二番のサビで四季をなぞるような歌詞があるのもMaMっぽいなと感じました!私の中のMaMのイメージって「新しい風を運んでくる」なので。
ダンスもね、新しい感じで。手を使う振り付けが印象的ですよね。不思議と他のMaM曲では大勢に向かって手を振っているのが、この曲だと誰か一人に振っているように見えてしまうんですよね。

MaMの転機というか、「これからのMaMは一味違うぞ」と感じさせてくれる楽曲だと思います。
あと単純に斑の歌声が他の楽曲より大人っぽく聞こえて少しドキッとしますね。

10.HELLO, NEW YEAR!

作詞:松井 洋平 作曲 / 編曲:浅利 進吾 歌:MaM

こちらもMaMの楽曲です。新年を祝うハッピーソングです。
あんスタって季節ソング沢山あるけど、正月の曲って初めてでは? なんだかMaMっぽいなと微笑ましく思えてしまいました。

こちらは『ハンズクラフト』に対してこれまでのMaMの明るく元気なサウンドで、「久しぶりにMaMの新曲が来たー!」って感じでテンションが上がりますね。
ただ個人的にこの楽曲はDF、そして『ハンズクラフト』を経たMaMの楽曲だなと感じる歌詞がいくつかありますので紹介していけたらと思います。

まずはこちらです。

思いも寄らない 表現なんて 誰かと出会って 生まれるって
わかっているんだから 互いが違いを楽しむようになればいいだけだよ

松井さんの歌詞って言葉遊びが入ってて本当に面白いです。
「誰かと出会って生まれるって」、お前今更気がついたんか!?!?ってツッコミを入れたいのですが斑のことを考えたらそこに気付けただけでも偉いのか?

この「誰か」はこはくだけじゃなくてアイドル活動を通じて出会えた人たちだと思っていて、斑って成長していないように見えてほんの少しずつですが人からの影響を受けて変わってきているとは思うんです。
ただその変化を認めないから気付けていないだけで、気付けたらもっと本音で人をぶつかることができるんじゃないかと思います。

Hello, new year! Happy, new year!
カラフルに描こう
新しい日々を一緒に(Hello, new year! Happy, new year!)
星の公転周期を俺たちに合わせよう(Hello, new year!)

一番のサビです。
この「星の公転周期を俺たちに合わせよう」って、めちゃくちゃ大規模だなって初めて聞いた時は思ったんですが、策士の松井さんがMaMのことを太陽だと例えていて、「めちゃくちゃ大規模な話だな」と改めて思いました笑

個人的に好きなのは「俺たちに合わせよう」ってところです。俺たちって言葉の中にはもちろん斑のことも含まれています。
これまでのMaMの楽曲って斑が一方的に私たちのことを応援してくれている曲がほとんどでした。君印なんて「君も主人公なんだって気づいて」って歌ってるくらいですし。いや、お前が気付け。

そんなMaMが応援する、楽しませたい人の中に自分を含めているというのがこれまでの楽曲と大きく違うところだと思います。
お祭り男らしく、自分が真ん中に入って盛り上がるというのが体現された歌詞だと思います。

NEW COLORのイベスト、私大好きなんですよね。斑の好きなところがたくさん詰まってて。
あの頃ってMaMの活動が上手くいかず、Double Faceとしても今後のことを考えて解散を見据えていた時期なので、斑自身が不安を抱えていた時期だと思います。そんな彼が声を張り上げて「一緒に歌おう!」「楽しもう!」と言ったのが、お祭り男と呼ばれるところだなと感じました。

胸に抱えるマイナスの感情を、強引にプラスに持っていく、そんな力強さがMaMの魅力だと思いました。
今までMaMの楽曲に感じていた独りよがりの優しさは、いろんな人との出会いや関係を経て少しずつ変わってきているんだなと実感した一曲でした。

歌詞とは関係ないところで言うと、間奏部分が特に好きです。あんスタの楽曲の中でも多くの楽器が使われている楽曲ということもあって、とても賑やかかつ楽しげな雰囲気が曲調から伝わってきます。
これからのMaMの新曲が楽しみになる、そんな一曲でした。


11.CROSS SHINE (三毛縞 斑 Solo)

作詞:こだま さおり 作曲 / 編曲:要田 健 (Relic Lyric, inc.)

このアルバム最後を飾るのは斑のソロ曲、『CROSS SHINE』です。
タイトルを直訳すると「交差する光」となり、既にエモい雰囲気が漂ってきます。

初めて聞いたときの印象は「斑がESに入ってからの一年間を振り返っているような曲」でした。
DFやMaMとは違う、三毛縞斑としての楽曲。ラストミッションでこはくに告げた本音に近い、そんな温かさを感じました。

個人的に斑を変えるには多くの人との出会いが必要だったんだなと思います。
いろんな人と出会って、価値観を共有して、自身が意固地になっていた部分を柔らかくする必要があったんだと思います。

特にそれに貢献したのがこはくで、彼のまっすぐすぎる性格と情に厚く、何事にも諦めない姿勢が斑に与えた影響はとても大きいと感じました。
この楽曲はそんな斑の背中を支えてくれたこはくとの決別を歌い、そして彼への最大級の感謝を告げた一曲だと思います。

交差する陽射しの下で 何を思い何を目指し
知らずに出会えてるんだ 世界地図を描きながら 野に咲く花 季節の風 
さりげない日々を共有して
僕らは優しい気配に気づく そこにある光

一番のサビ部分です。歌詞からも凄く温かい雰囲気を感じますよね。
こはくはCrazy:Bの活動を「お天道様の下の活動」というふうに表現していました。それは斑にとってのMaMも一緒だと思います。

斑はずっと一人だと考えていたかもしれませんが、彼はMaMの活動の中でレオや陸上部など、たくさんの優しい人たちに出会っています。
花や風のようなすぐそばにあるような存在に気が付くきっかけがDouble Faceだったのかなと思います。

最後の「僕ら」は斑とこはくなのか、MaMの斑とDFの斑なのか。どっちでも読み取れる歌詞でとてもいいなと感じました。

歌詞の中で「僕」は「旅人」と出会うのですが、旅人ってずっと一緒にいる存在じゃないなと思います。
少ない時間で今まであったことを語り合い、お互いの未来の幸運を祈って別れる。斑がよく口にする「さよならだけが人生だ」という言葉には諦めの意味が大きかったと思うのですが、「僕」と「旅人」の別れはそれだけではない、大きな意味を持っていたと思います。

Double Faceは夏の終わりに結成され、翌年の春に解散しました。斑とこはくが活動していたのは実質半年ほどだと思います。
それぞれのこれからも続いていくであろう長いアイドル活動、人生から見るとこの半年はまるで線が交差している間の出来事のように思えます。

暗闇にいた二人が光になって交差して、世界を明るく照らす。それこそが二人が望んだ世界なんだろうなと感じました。

恵みの雨 微笑む愛に 
かけがえない日々を共有して
僕らは優しい気配の中で
光と歩いている

ラストサビに出てくる「恵みの雨 微笑む愛」というフレーズ。なんとなく、これが斑の目指すMaMというアイドル像なのかなと思います。
周りの人からの愛を知った斑にならきっと、辿り着けると信じたいです。

斑のソロ一曲目と二曲目で彼がちゃんと前に進んでいるのが感じられるのがとてもいいと思いました。
Double Faceをアルバムを締め括る、素晴らしい楽曲ですね。


ということで、とても長かったですが無事に全曲レビューすることができました!
アルバムが発売してすぐあたりから書き始めてたのに、気が付いたらアルバム発売して一ヶ月以上経っていて驚きです。

一曲一曲に思い出があり、曲の流れる順番でまた感じることも変わり、改めてDouble Face、 MaMの楽曲が好きだと感じるアルバムでした。
個人的に楽曲が纏う世界観が暗闇から光へと変化しているところがアルバムならではと感じました。

やはりDouble Faceの楽曲が大好きです。だからもう新しい曲が出ることはないという事実は悲しいです。なので今ある楽曲をこれからもずっと好きでいようと思います。

本当は周年曲の方もレビューしたかったのですが、もう文字数が二万字を超えていて狂気の記事になってしまうような気がするので断念します。
多分「声の相性がいい!」しか言わないと思うので。

もしもまた二人で歌うことがあるのなら、そんな未来が来ることを願いますし、その時はまたこうやって楽曲のことで盛り上がったりしたいなと思います。
とりあえず今は「Double Faceお疲れ様」「Double Faceありがとう!」という気持ちでいっぱいです。

斑とこはくを好きな気持ちは変わらないですし、これからもずっと二人のことを応援していきます。

ここまで長い文章を読んでいただきありがとうございました。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?