雑記4

その1
新元号が発表された。

私は勤務中で人伝てで聞いたのだが、まずリアクションに困った。初めて聞く新しい単語なのだから当たり前だと思う。一方で個々人が漢字や音の響きに対して抱いているイメージによって好意的に捉えたり、またはそうでなかったりするのも理解はできる。

ただ、平均年齢が高く、且つ女性ばかりの職場で聞き耳を立てている限りでは「言いにくい」「冷たく聞こえる」「昭和は言いやすかった」「昭和は書きやすかった」という声が多かった。……平成も終わろうとしているのに、あの人たちはいつまで昭和を生きていくつもりなのだろう。

何やかんや理由をつけて文句を言っているけれど、きっと本当の理由は自分たちが生まれて生きた時代が終わり、新しい時代や人がたくさんやってくることへの不安や恐怖、嫉妬なんだと思ってしまう。それならそうと言えばいい。ちゃんと正面から世相を案ずる言葉を持てばいい。未だに馬鹿の一つ覚えみたいにゆとり世代と言ってくる人を見ると頭が痛くなる。新しい時代や人に取り残されない柔軟な心と知性を私は持ちたい。

そもそも元号を私という超一般的な個人を象徴する要素の1つだなんて大それたことを思ったことがない。あくまで日本という小さい島国の1つの時代の区切りにすぎないのに、と思う。



その2
新年度が始まった。

私の職場にも新入社員がやってきた。私の職場は毎年新人が配属されるとは限らないので、その子が入ると決まってから上司同僚含めみんな大騒ぎである。何をそんなに、と思う。

新卒受け入れマニュアルとやらが配られた。みんな他の書類はろくに目を通さないくせして、そのマニュアルは浮き足立った様子で丁寧に読んではいちいちリアクションをする。「新入社員がミスしたり分からないことがあっても否定しない」という項目が重要らしい。私よりふた回りも年上の人たちが、そんなことをマニュアルで指示されないと分からないなんてなんだか悲しくなる。

同僚も初めてできる後輩にそれはそれは興味津々で、本人には大して話しかけられないくせに本人がいないところで「○○さんってどんな人ですか?」「○○さんって落ち着いてますよね」などと新卒の話をやたらする。否定も肯定もしないような微妙なニュアンス。本当は自分とその子の差異を測りたいのだろう。気持ちは分からないでもないけど、ね。

上での新元号の話もそうだが、新しいものや人に対する態度でその人の本性が見え隠れする。じろじろ観察したり、こそこそ話したり、勝手に比べて勝手に評価したり。そうやって大騒ぎしているわりにはみんな平たい心で歓迎しているように見えない。もちろん、その話題の中心に自分がいた時もかなりメンタルをやられたけれども、側からそういった様を見ているだけでもかなり疲れる。私はなるべくフラットにいたい。

#日記 #雑記 #エッセイ



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