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フリーランス希望者からの相談を通した3つの具体的なお話

きっかけ

弊社イベント#TokyoUppersBoostにキャリア相談に訪れてくれた方とのお話で話題になったことから記事を書こうと思いました。
記事を書くことについてはご本人から許可をいただいております。


相談「今は会社員だが、フリーランスとして独立しようと考えてる」(24歳男性)

ご相談頂いた方は会社員で開発者として働いており、個人でデザインをやっているとのことでした。私はこのお話とご年齢を聞いて「やったらいいよ!」と即答しました。
24歳という年齢であれば沢山失敗することができます。そのため将来的にフリーをやめたとしても就職先はいっぱいあると思います。
お金は老人になっても、どこで何をしても稼ぐことはできますが、時間というリソースは同じものは2度と手に入りません。
「じゃあ、やるか」となったので相談内容は次の「どうやってやるか?」フェーズに移ります。


営業はエージェントを使うって本当に大丈夫?

「営業はどうするの?」と彼に質問してみたところエージェントを使うと言っていました。「自分で営業しないの?」と追加で質問すると営業はやったことない、やることを考えていなかったとお話していました。
確かに営業をエージェントに任せることは非常に便利だと思います。
ですが、自分が営業をやったことないのに、他人に営業を任せることができるのでしょうか?

個人事業主としてせっかく独立されるのに、なぜ自分の事業の営業を自分でしないのでしょうか?
やってみて「向いてない」「上手じゃない」と判断するのは当然で、自分が不得意なことを得意な人にお金を払ってお任せすることも良いかと思います。しかし、やりもしないのに自分の事業の最大の収益窓口を他人にコントロールさせるなんて、事業主として独立した意味があるのでしょうか?

スキルシートよりもまず最初に自分のお店のメニュー表を作りましょう。
メニュー表を作ったらお客さんになってくれそうな人に見せて営業の練習をしましょう。
その上で他社のエージェントと会話するべきです。
エージェントを使うなとは言いませんが、お金を稼ぐために何をやらなければいけないのかを理解せずに事業を立ち上げることはお勧めしません。
正社員から働く形が変わっただけで独立とは言えないからです。
相談者の彼は「考えてもみなかったことなので助かります」と言ってくれました。


今の環境で1番になれることは何?

営業関連のお話がひと通り落ち着いた後、私は彼に質問しました。
「独立する際の武器を考えたいのですが、今の環境で1番なことはなんですか?」
彼は少し考えて「1番と言えることはないです」と正直に教えてくれました。

私の知ってる中で独立後も順調に事業を育てていかれてる方々は何かのジャンルで1番でした。会社や現場、コミュニティの中で自分の武器を知り、常に切れ味を磨き、ここぞというところで武器の力を発揮していた方々です。
「俺はこれしかできないから」「私はこれが好きだから」「Aに向いてないのでBくらいはやろうと思って」などなど理由は様々ですが、動機は驚くほどシンプルで「前の仕事で1番になって褒められたので今の仕事でも1番になろうと考えている」くらいなものです。
ですがこれが実は仕事にとって、とても効果のあることなのです。
彼らはシンプルだけど絶大に効果のあることを身を以て覚えているため、他のスキルやジャンルに手を出しても1番を取りに来ます。
恥ずかしい話でもあるのですが、私は中小SIerに勤めていた4年間は全社で残業時間1位でした。その他に業務で誇れるものは特にないのですが、業務以外で勉強した時間や身につけた言語数、FW数も1位だったのですがこれは業務と関係ないので割愛します。
頭が悪いので業務がインフラでアプリケーション開発ができる人最強じゃんwって自分でサーバ立てて勉強してただけです。

こういう方々と広い世界で競争するのが個人事業主の世界です。
熟達者、先駆者がたくさんいる中、自分の仕事の価値をお客様に提示し続けることを考え、練習し、育てていくことができないと生き残ることが非常に難しくなります。1番という結果は誰が見ても「すごい」と理解してくれる価値なのです。

相談者の彼には「今いる会社で1番になれることを作ってみてください。ジャンルは何でも良いですが、1番になったら独立する良い機会が訪れていると考えてみてください」とアドバイスをしました。


とにかくお金を稼ぐことをする

ビジネスにおいては「お金を稼ぐことを目的にするとデメリットが多い」と語られています。私も投資家やビジネスオーナーとしては異論はないのですが、立場が違うとこの考えを一転して考えていることがあります。

例えば私が年間100万しか稼げないのに「xxで世界を変えたいんです」とアピールしても信じてくれる人はどれくらいいるでしょうか?
逆に私が年間100億稼いで「xxで世界を変えたいんです」と全く同じ言葉を使ってアピールした時に信じてくれる人はどれくらいいると思いますか?

事業において数字だけが全てではないというのはある一定のラインを超えた人たちが話す言葉です。私を含めて弱小なビジネスマンとしてお金を稼げないというのは致命的なことで、サッカー選手が靴を履いてない、野球選手がグローブを持ってないのと同じようなものです。
AppleのジョブズもAmazonのベゾスもソフトバンクの孫さんも沢山のお金を稼いでいるから、周りの人も信用して協力してくれるのです。

「お金だけが仕事の全てではない」という意見に異論はありませんが、お金を稼げないのは仕事ではないことを忘れている人にとっては暴論だと私は考えています。日本という国や世界の国々の多くでは生活するのにも、新しいスキルを身につけるのにも友達や家族と遊びに行くのにもお金は必要なんです。

ビジネスの世界においてどんな形であれお金を稼げる人は優秀です。
悪いことに手を出していたら反社会的な人として、認められることが少ないというペナルティがありますので注意が必要ですが。
最も基本的な原則で、シンプルかつ美しいこのゲームのルールを間違えないようにしましょう。お金を稼げない事業はいくら理念が素晴らしくても継続することはできないのです。継続できないということは生活をしていくことすら困難なので、身近にいる人から離れていきます。
友達や家族にそんな姿を見せてまで変えたい世界とは一体何なのかをもう一度考えてみる良い機会だと思います。

相談してくれた彼にこの話をすると「考えてもみなかったです」と言われました。「面白くない話ですよね」と苦笑いしながら私が返すと彼は「いや刺激を求めて相談したので、相談して本当によかったと思ってます」と笑ってくれました。


まとめ

このお話を書くにあたって掲載許可をくれた相談者にまずは感謝をしたいと思います。ありがとうございます。

私の拙い文章で誤解を招くかもしれないので補足説明をすると、私は新しい事業についてはできるだけの協力をしたいと考えています。相談者のやりたい事業が面白く、未来を作れるものであれば資金提供、技術提供、ナレッジ提供を惜しむことはありません。このように考えているので彼の話を聞かせて頂きました。マウント取って潰そうなんてことは一切考えていませんし、私は10年以上事業について勉強してきましたので、その分相談者の彼よりは事業について知っているだけなんです。

私は祖父から「自分よりも1歳でも若い人は自分よりも偉いと思え」と育ててもらいました。これは自分よりも失敗できる機会があるから自分よりも偉いという教えでした。若い人が刺激を求めることは本能です。自分もそうであったように考えなしに行動することも多いと思います。
我々経験者ができることは若い人がやりたいことを応援し、環境作りに協力し、共に歩める間学ぶことです。

話を戻して本筋のまとめです。
個人事業主としてやることはいっぱいあるのですが、事業としてやることはシンプルに3つです。
商品をお店に並べて営業すること、1番になれる武器としての魅力があること、お金を稼げること。
これらについて準備ができていないうちは事業を開始するのはおすすめしません。
完璧な準備をすることはできないと思いますが、せめて計画と戦略は作りましょう。
何をしたらいいかわからないという方はぜひご相談ください。
毎週土曜日に開催しているコミュニティでお話をお伺うことができます。
オンラインではなく古臭いオフラインですが、その方が内容をじっくりお聞きすることができると考えています。


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