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page 50 Story of 美月 8/29






     永遠「…カウント…18」



          .


       カウント18?

     それって…どういう意味?





      永遠「こういう意味」


          .



  前髪から覗く綺麗な瞳が近付いて来る。


    首を傾けて睫毛を伏せる瞬間、

    柔らかな唇がそっと額に触れる。

     彼から漂う切ない香り… 



       ザッ…・・・


       「 !! 」

  突然打ちつける強い雨に目を開けた。


       …青い天井…

      ここ レッスン室


知らない間におもいきり指先で掴んでる見覚えの無い黒いアウター



ザー⚪︎

゜  ◯…

    。ザー…◯。

  ◯    ――        ―⚪︎―゜――。

   。     ◯

   ◯― ――ザー…―

            ザー ―――゜

                。 ◯⚪︎ザー



相変わらず降り続ける雨に、はっと我にかえって起き上がると、柔らかそうな栗色の髪と 投げ出した長い足が目に入った。



                    「え、 榊さん?」


サイドテーブルには、読みかけの本と携帯が無造作に置かれている。

私はそっとソファーから降りて 体育座りをした。


 ぐっすり眠った彼の顔をのぞき込んだ。

       長い睫毛、

      柔らかそうな唇


   あんな夢を見てしまうなんて…

   思わず体育座りの膝に顔を埋める。


     あんなのただの願望夢だ!

普段の“お知らせ”的なメッセージドリームとは、かけ離れた夢に顔が赤くなる。

  意識した事無かったけど、私の中に

   あんな願望が有っただなんて…


沢山の人を夢中にさせちゃうくらいの魅力的な人だもんね。こうやって無意識にドキドキしてしまうのも無理無いのかもしれない///


そういえばピアノを弾いた所からプッツリ記憶が途切れて覚えてない。

私、あれからどうしたんだろう?


時計を見ると朝の5時…

白いレースのカーテンの隙間からぼんやりと明るい光りが漏れてる 。

明るい朝の始まりの五月雨に、頭がぼんやりとクリアリングされている気分になる。


    あ、風邪を引いたら大変かも


クロゼットから出して来たブランケットをそっとかける。

雨音に閉じ込められたこの空間が、びっくりする程心地良くて、しばらくの間膝に頬杖をついて榊さんの寝顔を見ていた。



こんな所にいるような人じゃないのにね。

仕事も凄くハードで、きっと貴重な睡眠時間なのに、こんな所で眠らせてしまった・・・…


こんなに優しい人に想われてる女の子がもし居たら、その人は絶対、世界一幸せだね。

そんな思いで榊さんのアウターを畳んだ。


   雨の音が旋律に聞こえる・・・…

   雨音に意識を向けると心がだんだん

      透明になって行く…


   それはキラキラ降り続く雨の音楽



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