見出し画像

足袋さえまともに履けなかった

文字にすると自分でもびっくり。笑
二度見した方もいらっしゃるかしら。


冗談でも何でもなく、実は私
着付のお教室に通い始めた当初は
足袋さえまともに履けなかったんです。
すごいですよね!?笑
よくここで書いたな自分。笑

※前回までのお話はこちら。


着付け教室に通い始めた当初
生気はないわ、足袋は履けないわで
着付けを教えて下さったパワースポット先生
相当びっくりしたようです。
そりゃ、逆の立場だったら私も目を引ん剝くかも。笑


恐らく3回目のレッスンまでは
足袋を履いても、すぐに脱げてしまっていました。
原因は足袋を留めるフックのような金具(ハコゼ)が
きちんとハマっていなかったため。



また、肌着の上、着物の下に着る長襦袢の
攻略にも、相当時間がかかっていました。
長襦袢を上手く着れないランキングがあれば
間違いなくトップ3に入っていたと思います。



着物を着るのってこんなに難しいもんなの!?
お祖母ちゃんやお母さんって凄すぎない!?
改めて尊敬しました。笑
けれどレッスン4回目あたりから
少しずつコツをつかみ始め
徐々に着られるようになっていきました。
そんな私をパワースポット先生は見逃さず
私にとあるミッションを課したのです。
それは


「レッスンには洋服ではなく着物でいらっしゃい」


上級者コースになると、レッスン時にも
着物着用が必須になるのですが、私が受けていた
初級者コースは服装の指定がなかったため
いつも洋服でレッスンに通っていました。
それが一転、着物deお稽古に。
当時、着物でレッスンに行くという事が
そこまで大変だとは思っておらず
先生からのひと言に「はい!」と
元気よく返事をしていた私。
全力でハグしてあげたい。。


なぜなら、レッスンに行くためには
電車に乗ったり街中を歩いたりして
街行く人に、着物姿をお披露目するワケです。
着物をきちんと着なくてはという
意識が出てくるのももちろんですが
周りでヒソヒソ声が聞こえようもんなら
「私の着物がおかしいのですか!!!!!」
と自意識過剰女になってしまうのです。
それを避けるためにも
レッスンの日は通常よりも1時間半早く起きて
朝食、化粧、髪をアップにまとめたら

いざ、着物へ!!

たいてい一発で着られないため
2~3回、着る脱ぐを繰り返し、最後の方は
半べそをかきながら、とりあえず完了。
そして、たいてい小走りでお教室へ
向かっていました。


それからというもの
レッスンの道中に恥をかかないよう(笑)
レッスン以外の日も着物を着るようになりました。



もちろん始めのうちは
あんな着こなしでよく外に出られたなという
レベルの着付けでした。
けれど下手でも自信がなくても
実践してみる事がとてつもなく大事だと
いつも思います。
なぜなら、実践する事によって
様々な気づきがあるからです。


裾合わせが決まらないと、歩く度に着物の裾がめくれてしまう。
歩いているうちに、帯がずるずると落ちてくる。
長襦袢の衿合わせがすぐにズレてしまう、などなど。



その時々で気づいた事を
パワースポット先生に伝えると
気づいた事の解決策と合わせて
先生は
「実際に着物を着て外に出たからこそ
 たくさん気づきがあるね」
と嬉しそうに言って下さいました。


それ以降
どんどん着物が着られるようになっていくと
今度は、どうすればパワースポット先生のように
上手く着られるかを考えるようになりました。
けれど先生は必ず
「そんなすぐに上手くなられたら
 先生いらなくなってしまうわ」
と笑っていました。


また先生みたくカッコよく着こなしたいと
思うようになった時も
「先生みたいにって言ってくれるのは嬉しいけれど
もうあなたの衿合わせは先生とは違って
スタイルが確立されているでしょ?
そのうちあなたの衿合わせに
憧れる人が出てくるからね。」
と言って下さいました。
(その後、先生の言う通り
私の衿合わせがキレイだと褒めてくれる方が出現!
とっても嬉しかった事を覚えています。)




パワースポット先生から教わったのは


・実践したり外に出してみたりする事が上達の一番の近道
・一足飛びに上手くはならない
・誰かの真似ではなく唯一無二の存在である事に胸を張る


という事でした。



こうして、足袋さえ履けなかった私は
いつの間にか帯結びより何より
衿合わせをいかに綺麗に見せるか
衿合わせ命の稀有な女になっていきました。



つづく



最後まで読んでいただき誠にありがとうございます! サポートいただきました暁には、書道具購入費用、並びに、楽しさ優しさ笑顔の循環に使わせていただきます。