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その街に合った処方箋を


「なんでそこまでして活性化させないといけないの?衰退してるのはその人たちの力不足だよね?」

大学の卒論で商店街活性化を論じていた私にゼミ生から投げかけられた素朴な疑問。
まるで「風邪ひいたのはその人のせいなんだから、看病しないで放っておけばいいじゃん」と言われているようでショックだった。

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私は岩手県の田んぼと畑に囲まれた所で生まれ育った。高校生の時には市内の駅近に引っ越した。
高校からの通学路にはシャッター商店街という名前がぴったりな廃れた商店街があった。もとともとはアーケードが掛かっていたのだが、市民からの声で撤去され、まさに「衰退しています!」と主張するような見た目になってしまった。

その時から「私がなんとかしないと」と謎の正義感を持って毎日通っていた。
だから「地域は活性化するべきもの」だし、衰えていくものを見過ごすわけにはいかないと思っていた。


大学を卒業後、仙台に行く機会が何度もあった。冒頭の質問を投げかけてきた、彼女の生まれ育った街だ。
仙台は在学中から多い時に月に2回も行く程大好きな場所だし、住んだこともあるから第2の故郷という感覚。
今までは予定があってゆっくり町歩きをする時間がなかったのだが、先週歩いた時に分かったことがある。

仙台駅から国分町にかけては長い商店街がいくつも並んでいて、ナショナルチェーンからハイブランドの店まで多くの店が連なっている。
勿論、ただの通行人もいるだろうが、どこも人通りが多いので「寂しい雰囲気」も「シャッターが降りている店」も無いのだ。

だからシャッターを下ろしている店があれば、客は多いのに売上をたてることの出来ないその店の力不足と言えてしまう。
私と彼女とでは、見てきた「商店街」がまるで違うのだった。

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今日、改めて商店街を含めて地元の街を歩いてみた。

仕事の都合で転入してきた人が多い街なので、活気というより利便性を求められているのかもしれない。商店街が無くなってもショッピングセンターがあれば生活には困らない。
衰退していくことが自然なのに、それを止めようとする方が間違いなのかもしれない。街によって役割が違うのだ。

それでも、全国で同じように衰退している街が元気になっていく姿を見ると、同じようにしたいと願ってならない。
今のままでいいわけではないから、多少なりとも商店街の店が新しい取り組みを始めたり、見知らぬ顔が開店準備を始めているのだろう。

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仙台やほかの街とは前提が違うのだから、この街に合った方法があるはず。症状が違うのに同じ薬を処方するのは間違いだ。

その薬の作り方は、作り手にしか分からない。だったら、その作り手のもとで勉強するのが1番。

この街に合った薬を探してみよう。


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