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[カレリアの口承伝統] ことば遊び:おんどりとめんどり(KUKKO TA KANA)

民話の合間(息抜き)に、さまざまなカレリアの口承伝統も紹介していこうと思います。

本日紹介するのは「ことば遊び」の中でも、後ろにどんどん文章を継ぎ足していくつみあげ歌に分類されるものです(同じ言葉をそのまま継ぎ足してはいませんが)。

おんどりとめんどり

おんどりとめんどりが 村に行ったとさ。水がなかったんだ。
めんどりは水を求めに行ったとさ。
井戸に行き当たったんだとさ。
-立派な井戸さん、麗しの井戸さん、わたしにお水をちょうだいな。
-いいや あげないよ、ヤマナラシの葉をもってこないなら。
-立派なヤマナラシさん、麗しのヤマナラシさん、わたしに葉っぱをちょうだいな。
-いいや 葉っぱはあげないよ、娘さんから糸をもらってこないなら。
-立派な娘さん、麗しの娘さん、わたしに糸をちょうだいな。
-いいえ 糸なんてあげないわ、靴職人さんから靴をもらってこないなら。
-立派な靴職人さん、麗しの靴職人さん、わたしに靴をちょうだいな。
-いいや 靴なんてあげないよ、ブタの毛をもってこないなら。
-立派なブタさん、麗しのブタさん、わたしに毛をちょうだいな。
-いいや 毛をあげるなんて、畑から麦を持ってこないならね。
-立派な畑さん、麗しの畑さん、わたしに麦をちょうだいな。
畑は麦をくれたんだ、
めんどりは麦をブタにあげたんだ、
ブタは毛をくれたんだ、
ブタ毛を靴職人にあげたんだ。
靴職人は靴をくれたんだ、
靴を娘にあげたんだ。
娘は糸をくれたんだ、
糸をヤマナラシにあげたんだ。
ヤマナラシは葉っぱをくれたんだ、
井戸に葉っぱをあげたんだ-そうして井戸は水をくれたんだ。
ようやく戻ったのに-おんどりはもう死んでたんだとさ。

KUKKO TA KANA

Kukko ta kana mäntih kylyh. Ei olei vettä.
Kana lähtöy vettä käymäh.
Tulou kaivo vaštah.
- Hyvä kaivo, kaunis kaivo, anna miula vettä!
- En anna, šanou, kuni et käyne huavalda lehtie.
- Hyvä huapa, kauniz huapa, anna miula lehti!
- En anna lehtie, kuni et käyne tyttäreldä rihmua.
- Hyvä tyttö, kaunis tyttö, anna miula rihmua!
- En anna rihmua, kuni et käyne šuutarilda kenkie.
- Hyvä šuutari, kaunis šuutari, anna miula kenkät!
- En anna, šanou, kenkie, kuni et käyne šijalta šuvašta.
- Hyvä šika, kaunis šika, anna miula šuvaš!
- En anna šuvašta, kuni et käyne pellolda jyvyä.
- Hyvä peldo, kaunis peldo, anna mula jyvyä!
Peldo ando jyvän,
hiän toi jyvän šijalla,
šika ando šukahan,
šukahan toi šuutarilla.
Šuutari ando kenkät,
kenkät toi tyttärellä.
Tytär ando rihman,
rihman toi huavalla.
Huapa ando lehen,
lehen toi kaivolla — kaivo ando vettä.
Tulou — ka kukko joi kuollun.

出典

所蔵:ロシア科学アカデミー カレリア学術研究所(KarRC RAS)
採取地:カレワラ地区のソンパヤルヴィ村
採取年:1973年

N.LavonenとA.Stepanovaによって、Fedosja Stepanovaより採取されたもの。

※タイトル画像:V.Soldan-Brofeldt(1863-1945)

つぶやき

息抜き投稿なので単語は省略。

今後も今回のようなことば遊び謎々ことわざ生活詩歌労働詩歌子守歌などなどを気まぐれにご紹介します。

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