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耳の悪い人か、変な人か、

わたしは突発性の感音性両側難聴です。
人工内耳手術をしているので、今はわりと聞こえるのと、後天性難聴なので、健聴者の人に紛れて生活しています。

手術前にほぼ聞こえなかった状況のときも、手術して結構聞こえる今も、聴覚障害のわたしが生きていくために色々な工夫をしてます。
工夫の中で一番大事なのは、どうしたら周りの人に理解して協力してもらえるかなのですが、これは一番単純です。

わたしが聴覚障害であると伝えること。
何ができて、何ができないのか、伝えること。


障害は恥ずかしいことではないけど、障害のせいでたくさん恥ずかしい思いをしてきました。

だから聴覚障害があると伝えるときはやっぱり恥ずかしいし、抵抗もあるけど。
でも、言わずにいるほうがよっぽど恥ずかしい思いをするって学びました。

言うは一時の恥、言わぬは一生の恥です。

例えばお店等で待っているときに名前を呼ばれてもわからないし、番号札なんてもっとわからないし、呼ばれるまでずーっと緊張してるし。

何回も「番号札5番でお待ちの方ー?お待ちの方はいらっしゃいませんかー?」って呼ばれ続けたあとに行く恥ずかしさ。

それだったら最初に「すみません、わたし耳が悪くて呼ばれても気づかないかもしれません」と伝えたら配慮してくれます。

美容院は人工内耳の装置を外さなければいけないので何にも聞こえませんが、どの美容師さんも筆談してたりスマートフォンに文字入力してくれたりします。(特に今の担当の美容師さんは本当に心遣いが素晴らしくて本当に感謝しています。)

ネイリストさんはマスクをされているので、マスクがあると会話できないと伝えておけば世間話は振られないし、必要事項の確認はマスク外してくれます。

職場では手術前でほぼ聞こえなかったとき、なるべくメールかチャットツールでのコミュニケーションを全営業にお願いしました。
これは新卒入社してすぐだったので、本当に勇気が必要だったけど、全員優しい反応で、協力してくれました。

今は自分から電話はかけられるけど、代表電話の対応は出来ないことを伝えています。
誰と何の話をしてるかわかった上での会話はできますが、どこの誰かわからなければ名前も内容もさっぱり聞き取れないので。
でもこれを伝えておかなければ、電話できるくせにかかってきた電話には一切出ない人になってしまいます。

友達と食事に行くときは座りたい席(会話が聞き取りやすい席)があるのでなるべく早く行きますが、場合によっては替わってもらいます。
ちんぷんかんぷんな返答をするよりは、ずっとイイかなと思います。


聴覚障害であることを打ち明けて不快な思いをしたことは10年で一度もなくて、基本的に友達も親戚も職場の人も取引先の人も他人も、みーんな優しいです。

わたしが恵まれた環境にいることができているというのもあると思うけど、世間はイメージよりずっと障害を持つ人に優しい。

誰にとっても、こんな社会だったらいいな。

少し勇気を出して伝えることで、余計な恥ずかしさや緊張、不快感を感じずに済むことも多いように思います。

言えない人もたくさんいるって知ってるけど、わたしは変な人と思われるより、耳の悪い人のほうがいい。

きっと差別もあるけど、それを避けて変な人として生きていく空間は、きっと孤独だなと思います。

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