10月2回目の三連休。
転職して配属先が決まり、仕事が始まってから初めての連休は、かねてより予定していた親友とのライブツアー参加を含めた広島旅行だった。
1日目から人気だというお好み焼き屋さんに並んで、カウンターでソースの香りを嗅ぎながら本場の味を楽しんだ。

まだお昼だし、ライブ前だし、飲まなくていいよねとお好み焼きを二つ注文しただけだったのだが、
食べ始めて二口で「レモンサワー飲みたいね」と声を揃えて注文。欲望には勝てない。
並んだ甲斐あってとても美味しかったし、店員さんの気さくな会話やお気遣いにもとても癒された。

ライブへ行く前にお腹がいっぱいすぎたので、広島城を見に行くことに。
とっていたホテルから近かったからすぐに行けた。

わたしは日本史に明るくないし地元にお城というものがなかったので、こういった歴史的建造物にはただ圧倒されてしまう。街中で歴史を感じられるっていいなぁ。

ライブへ参加して、それはそれは楽しくて、笑って振り付けを踊って声を出して、マスクはしていても前の日常が戻ってきたことに感動した。
そのまま打ち上げは本通りへ歩いて、親友のおすすめのお店で軽く食べて飲む。

夜も遅かったので控えめにしたけれど、それぞれでとったホテルに帰ってお風呂に入り、二人で電話をしながら結局缶チューハイを２本飲んだ。

二日目は宮島へ。
厳島神社はいまの時期は昼だと干潮なので、海の中の鳥居を見ることはできなかった。調べると18時ごろになるという。その時間はライブがもう始まっているからダメだねと断念。

それでも、あの大鳥居が目の前にあるのだと思うと足元の砂浜が海の下に潜る景色に、心が躍った。
雲が重い天気だったから今度満潮を見にくるときは晴れているといいな。
揚げもみじを食べたり、がんすという練り物を揚げたものを食べたり、また食べ歩きをした。

二日目のライブは開始が早かったので早々に会場に戻る。二日目も腕がとれるほどペンライトを振ったし、喉もかなりやられたけれど、会場の声に満足そうに目を細め何度も「ありがとう！」とお辞儀をする姿に、親友と手をとりあって感動。

夜は1日目に食べたお好み焼き屋さん『五エ門』の本店に行って、ウニホーレンとお好み焼きを一つ注文。

雨がひどくなる前に帰ろうねと言いつつ、ライブの余韻に任せて２杯ずつ飲んだ。
市内の至るところで感じる広島カープ愛にも触れられて心がほっこりする。

ハイテンションのまま久しぶりにプリクラをとったり、好きな漫画のガチャガチャを回してみたり、学生に帰ったような夜だった。

広島最終日。
一人で早起きして、ホテルのチェックアウトの前に広島原爆ドームと平和記念公園を訪れる。
実は訪れたことのなかった場所なので、フラッと寄るというよりは、きちんと覚悟を決めて行きたいと思っていた。
朝８時前でも公園は人で賑わっており、記念館には列ができていた。

驚いたのは海外の方の多さだった。
原爆ドームそばの慰霊碑に丹念に手を合わせる海外からのご夫婦の背中に鼻がツンとする。わたしはまだ海外へ行ったことがない。このお二人がここを訪れている理由はわからないけれど、祈りを捧げてくださることに胸が熱くなる。いつか海外旅行をした時に、その土地や、ずっと守ってきた地域の方々にも感謝を込めてお祈りができる大人になりたいと思った。

公園内を清掃されている地域の方々を見ていても、静かに穏やかに流れる空気にも、川面にも、重なる折り鶴にも、ずっと目頭が熱いのを耐えて、顰めっ面になってしまった。
子供の頃からずっと、怖い　そう思ってしまっていた場所。
だけれど、いま起きているニュースを日々見ていると、ここで起きたことを知らない方がずっと怖いと思う。
でも半べそでカメラを握りしめて、やっぱり一人で来て良かったなと鼻を啜った。

駅で合流して親友と予定していた尾道へのルートを調べる。かねてより行きたかった街なのだけれど、チェックしていたお店が軒並み今日は閉まっていた。連休ラストなので仕方ないのかもしれない。
諦めて第二候補としていた呉市へ。

つけ麺を食べたり海岸をお散歩して、また一つ広島の歴史を巡る。

祝日なので日本国旗が掲げられていた。
スポーツの日。
とても平和になったこの国にも、数えきれないほど問題があるし楽しいことばかりじゃないのは間違いないけれど、いまの自分の命や環境にもっと感謝しなければいけない。

街の人々の優しさにもたくさん触れた。
たった一部だけれど、歴史にも触れた。
美味しいものにも、はるか昔の建物にも。
まだまだ知らないことの方が多いけれど、
知ろうとしなければ出会えないものをもっと見に行こうと思う旅行になった。

ライブと観光、とても楽しく充実していたけれど、親友と離れ離れのホテルは寂しかったなぁ。つぎは二人でお金貯めて宮島の旅館泊まろうね！とお互いの新幹線の時間まで話し込んだ。

広島のみなさん　ありがとうございました。
次は青空の広がる景色を拝みにまたお邪魔します！