〔小説〕白濁(一)
最後の待ち合わせ場所に坂井が指定してきたカフェは、近所だけれど一度も行ったことのないチェーン店だった。たぶんこれから先も行くことはない。その店を選んでくれたことに少し感謝する。遅れて店に入る。不機嫌な顔でiPhoneを見ている。待ち合わせのときはいつもそうだった。最初はどうしたって機嫌が悪いのだ。
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