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夢の中にはもうひとつの幻想がある(十)

本棚を作ろうと思ったが、材が無い。
前の下宿からこっそりもらってこようと思う。前の下宿は材木屋である。

木切れを拾って金槌で打ち付ける。
本棚の最上段ができたところで、大家のおばさんに見つかってしまう。
あらあら、言ってくれればいいのに、とおばさんは言う。作業場からは大将が出てきた。
タケさんが見習いに来ている。結局、手ほどきを受けながら、一緒に本棚をつくることになった。

昔勤めていた図書館でまた働いている。
書架に番号をふる作業をしている。書架番号には先代によって考え抜かれた規則性があり、それをノートに書き留めてマニュアルとして残していく。

私は車で通勤している。駐車場に停めた車の中で、客人たちが歩いて去るのを見送っている。

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