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気合いの入ったカーネーションのはなし。

しばらく時間を遡りますが、先日の母の日の話。

LAではその日5月9日だったので、「日本は今日母の日だな〜」と、ぼんやり思っていた。

毎年、母の日には何かしらを送るようにしているけれど、ちょうど5月頭に引越しをしてバタバタしていたのが気が抜けた事もあったのか、この日はなぜかまあ、まっことに「人と喋るという気にならず、ちょっと一人でこもりたい気分」だった私。

ああー何かしなきゃ、、、でもすごいしんどい今日、、、ああ、、、なんか全然やる気がわかない色々。。。。となっていたのですが、そんな所に姉からLineのメッセージが届いたので、ちょっと姉に心情を吐露。

「今日日本、母の日だね。後で実家に電話しようと思うんだけど、なんかすごい今日しんどくて」と送ったら

「そかそか、疲れてるんだね(スマイル絵文字とグッド絵文字)そんな気分の時もあるさぁ〜。」と姉。

「そうなんよ、多分ちょっと疲れてる。」

「女子はホルモンのバランスとか、色々波があるしね〜。そんな時は、リラックスしてのんびりだらだら過ごせばいいよ。」

いつも穏やかで優しい姉の言葉は、ほとんどの場合私をさらりと受け止めてくれる。

のんびりだらだらして、と言われたら、心がふっと緩むので、人間不思議なものでやる気が湧いてくる。(少なくとも私はそういう風にできているらしい)

よし母に花を送ろうと思い、実家のすぐ近くの近所のお花屋さんに頼む事に。ここは数年前の母の日に花を送ろうと思って、カード決済ができなかったので結局違うお花屋さんにその時はお願いしたのだけれど、(その時「すみません、近いうちにカード決済システムを導入しますので、またお立ち寄り下さい。」と言っていただいた)実家のすぐ近くだからお花屋さんも配達が楽だろうし、もうあれからしばらく経ってるし、きっとカード決済できるようになってるはず!とそのお花屋さんのホームページにいってみる。○○生花店、と検索、クリック。支払い方法を探してーあ、あったあった。

お支払い方法、お支払い方法っと、、、、

【銀行振込】 

【電子マネー】nanaco、waon、ID、Edy、交通系電子マネーをご利用頂けます。

【代金引換】 代引手数料はお客様負担になります。(全国一律300円(+税))

。。。。。アレッ。

目を皿のようにして見てもどこにもカード決済の方法が見当たらない。

もう花キューピットとかイーフローラでさくっと頼んじゃおうかな、とも思ったけれど、いや待て私。利便性に逃げてはいけない。サポートスモールビジネスサポートスモールビジネス、と思いとどまり、その花屋さんに電話をかけてみる。

プルルルル、、、、、カチャッ、

「はい、○○生花店です。」(女の人の声)

「あ、お忙しい所すみません、お花の配達をお願いしたいんですけども」

「はい、結構ですよ。いつが宜しいでしょうか?」

「あ、できれば今日お願いしたいんですけども、、、母の日で、お花のアレンジメントを。で、すみません、私実は海外に住んでおりまして、できればクレジットカード決済とかできるとありがたいんですが、、、、」

「あー、ごめんなさい。うちはカード決済やってないんですよ。(アッサリ)」

やっぱり花キューピッドでもうサクッと。。。いや待て私。踏みとどまれ。

「銀行振込の方法もありますけど。」と続ける花屋のお姉さん。

「あ、あの、海外に住んでるので、(苦しいほどのアピール)銀行振込だと時間がかかっちゃったりするんですけど、、、大丈夫でしょうか?カード決済とかって、できないんですかねぇ、、、、?」(しつこく引き下がる私)

「あー、電子マネーとかも使えますけど。持ってないですか?」

「ごめんなさい、日本のは持ってないんです。。。。(というか使い方よく分からないしEdyテナンデスカ)」

うわあちょっと不便だな、どうしようやっぱり違うとこに頼もうかな、との考えが一瞬よぎる。

「どこまでの配達ですか?」

「あの、すぐ近所なんですけど、○○(実家の住所)までお願いしたいんですが」

うちの実家は田舎なので、近所周りは皆知り合いという田舎あるあるゴールデンルールに則っており、実家の住所と名前を言ったらすぐに分かったのか、

「ああ、ここのすぐ近くですね。わかりました。」とのお姉さんの声。

「じゃあ、今日お届けできますよ。あと3時間後ぐらいには。」と続く。

「えっ、ほんとですか?ありがとうございます!あ、でも、お支払いは、、、」

「銀行振込で大丈夫ですよ〜」と快く引き受けて下さった。

「あ、あの、お日にち少し頂くようになるかも知れませんけど大丈夫でしょうか?」

「大丈夫ですよ。ホームページの方に振込先が乗ってますから。」

「あ、はい。じゃあそちらにお振込させてもらいます。」

「お花にメッセージはつけますか?」

「あ、お願いします。じゃあ「お母さん いつもありがとう」で お願いします。」

去年も同じメッセージで花を送ったような気がする。母の苦労を労うのに相応の言葉は見つけ難い。「お母さん いつもありがとう」が一番それに近しい言葉のような気がするし、他に気の利いた何かが思いつかない私は今年も「いつもありがとう」を送った。

「分かりました。じゃあお届けしておきますので。どうもありがとうございました。」

「あ、こちらこそ。ありがとうございます。よろしくお願いします。」

ぺこりと会釈して電話を切り、そのままいそいそとネットで銀行の手続きをし、振込を完了。(『1日半で送金できます』と出てきて、以外に早くできるんだな。と思った。)

アメリカ生活が長くなってくると、日本に帰った時に「キャッシュレスの浸透してなさ具合」に結構な差を感じてしまう事が以前はあった。(こちらでは安全のためほとんどキャッシュを持ち歩かずカードで支払いを済ませる人が多い)不便だな、と今もたまに思ったりもするけれど、ところ変わればなのだし、それでやれているんだったらそれでいいんだなと最近は思えるようになった。それだけ日本が安全であるという事だろうし、それは素晴らしい事だ。

先日書いた(エルカミーノのはなし。)スペイン巡礼をしている時に、田舎の町や村を何度も通るのだけど、その中にはカードを使えないレストランや商店もたくさんあって、旅の際中で、通りすがりの巡礼者の一人が「カードが使えないなんて全く不便だよ。」と言っているのが聞こえてきて、「まぁ不便といえばそうだよねぇ」と心の中で同意していた私。その後に続いた彼の「アメリカのやり方でやればいいのに、全く。」という言葉を聞いてなんだかぞわっとした事があったのですが、(そう言った彼がたまたまそういう性格でたまたまアメリカ人だっただけで、彼が何人かというのはあまり重要ではない)いつのまにか自分もそんなオラオラムーブメントに加担しそうになっていた。危ない危ない。

さて、電話を切って3時間ほどして、そろそろお花が届いたかなと思っていたら、ほくほく声の実家の母から電話があった。「可愛いお花が届いたわぁ、ありがとう。」と喜んでいた。やってよかった、と思った。

姉から写真が送られてきたので、皆さんにもお見せしたいと思う。

こちらです。


カーネーションが


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虹色です。


「お任せでアレンジメントを」とお願いしてあったので、赤色とかピンクのカーネーションが届くんだろうなと勝手に思っていた私は、これには良い意味でズガンと意表を突かれた。

それもそうだ、世の中には七色の薔薇だってあるんだから、七色のカーネーションがあっても不思議ではない、と妙に納得、(今まで私が見た事なかっただけで、別に虹色カーネーションは日本のお花屋さんにはゴロゴロある、とあっさり終わるお話だったらごめんなさい。)

母も姉も、「虹色のカーネーションが届いたよ〜、可愛いね(ほくほく)」としていた。

私はこの虹色カーネーションを届けてくれた花屋さんの仕事っぷりを想像して、なんだかほっこりした。きっと○○生花店さんは、こんなご時世だし、海外からわざわざ花を送る娘の気持ち、汲んだろうやないかいっっ!!(腕まくり)と相当な気合を入れてレインボーのカーネーションを使って下さったに違いない。(そこまでその花屋さんが思っていたかどうかは分からないけど、そういう事としよう)どんよりムードが続くこの世の中に色を振りまくべく、彼女が選んでくれた虹色カーネーションは、私と私の家族の心に さぁっとさわやかなレインボーをかけたのだった。

今日は母の日ではありませんが、遅ればせながら勝手にシャウトアウト。 世界中のお母さん達ありがとう。あなたは偉大です。

(母の日の話なのでお母さんの話してますが世の中のお父さん方、あなたも偉大です。)

そして世界各地のお花屋さん、お母さん達に幸せを届けてくれてありがとうございました。 母の日お疲れ様でした。

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ちなみにうちの母は『木村拓哉』を『木村カズヤ』と呼ぶ相当なうっかり者ですが、その血は脈々と娘に受け継がれているとかいないとか。




それでは皆さん今日も良い1日を!










えっ、、、、神様ですか?