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8月9日 米国のハイテク輸出規制拡大

こんにちは。shutoです。ここ二日間、スケジュールの都合上、「日経新聞を切り取って」のマガジンを更新することができませんでした。では本日の記事を切り取っていきましょう。

トランプ政権は2018年8月に成立した国防権限法に基づき、ファーウェイを含む中国企業の5社の製品を政府機関が調達することを13日から禁止することを発表しました。

国防権限法とは
アメリカ政府が国防総省に対して予算権限を与える法律。当該会計年度より5年間にわたり特定の事業計画に対する支出について権限が与えられるもので、年度ごとに制定されるものです。アメリカの予算は上院と下院でそれぞれ予算に注文を出し、それを両院で整理し大統領の署名によって発行されます。

そして今年の国防権限法では表紙含め788頁から成る“法律”ですが、その第889節は「特定のテレコミュニケーション及びビデオ監視サービスまたは機器に関する禁止」と題されています。

そして米政府機関に対し今回、禁止事項として、特定の会社の通信機器、通信・監視関連機器、サービスを利用している機器、システム、サービスの購入・利用や、これらを利用している企業との契約・取引を禁止、などとなっています。

簡単にまとめますと、13日以降米国政府機関はHUAWEIと中興通訊(ZTE)、監視カメラの杭州海康威視数字技術(ハイクビジョン)と浙江大華技術(ダーファ・テクノロジー)、特定用無線の海能達通信(ハイテラ)の五社から製品を購入したり契約を更新することができないということです。それに加え、米政府機関と上記の商品を取引をしている企業もそれらの範囲に加えられるということです。

記事によると、米政府で上記の製品を合計で9000台近く使用しているということで、全面撤廃をするにはコストと手間がかかり、長い道のりになるだろうと予測しています。

では一体なぜ、米国は中国企業に対して規制するのだろうか?
私なりの見解を述べさせていただききます。

①安全保障上による理由

②5Gの覇権争い

の二つだと私は考えております。

一つ目の安全保障上における問題は昨年度より、中国製品に余計なものが見つかったなどの報道が相次いでいました。実際中国のスパイ活動を助長している可能性も大いに考えられます。

中国は超法規的な措置をとることが可能で、それが国防動員法です。
国防動員法とは(Wikipediaより引用)
・中国国内で有事が発生した際に、全国人民代表大会常務委員会の決定の下、動員令が発令されます。
・国防義務の対象者は、18歳から60歳の男性と18歳から55歳の女性
・国務院、中央軍事委員会が動員工作を指導する
・個人や組織が持つ物資や生産設備は必要に応じて徴用される
・有事の際は、交通、金融、マスコミ、医療機関は必要に応じて政府や軍が管理する。また、中国国内に進出している外資系企業もその対象となる
・国防の義務を履行せず、また拒否する者は、罰金または、刑事責任に問われることもある

といった内容があり、これを今回の問題に適用すると、政府によって命じられれば、国内企業や市民、組織は治安当局に協力と支援をする義務があると法律で定められているため、ファーウェイのような企業であっても、政府に協力するよう命じられれば、どんな要請にも全面的に従う必要があるということです。

アメリカにある中国企業はそのまま、中国工作員となり、中国製品を通じてハッキングなど不正アクセスを繰り返すことができるということです。情報の漏洩は国家の安全を揺るがすことにもつながりかねません。

それが身近な携帯電話やカメラなどから漏れていたとするならば危険であることは自明でしょう。

二つ目の5Gの覇権争いは今後の電波社会において大きなアドバンテージをもたらすと予測されています。

5G
第5世代移動通信システムのことである。現在はLTE・4G回線が主な移動通信システムとなっているが近い未来に5Gが主流になるとされている。システム的には4G回線とは違い複数の回線を利用するため、通信速度や安定性が数10倍から100倍になるといわれている。また様々なデバイスに接続可能になりIOTの発展にもつながるそうだ。
例を出すと、現在動画のダウンロードに30分かかっていたものが、およそ10秒程度になるそうだ(某会社の人からの情報)

5Gの覇権争いは軍事的な意味も持ちます。それは無人戦闘機やドローンなどにも5Gは適応されるからであり、どちらがこの武器を先に得ることがれきるのだろうかと世界が注目されています。また先に5Gをとることができるならば、技術的な意味においても政治的な意味においても優位に立つことができるでしょう。

ファーウェイやZTEなど中国企業は5Gの開発に注力しており、米国と中国は5Gの開発で争っています。

実際アメリカは将来的に規模的に中国に抜かれてしまうだろうとされています。トランプ政権は中国の経済成長に懸念を示しており、これで5Gをとられてしまうとさらに大きな差が生じてしまうだろうと考えているようです。

仮にこのままファーウェイ主導で5Gインフラが世界各地で整えられると、中国政府が通信網を支配し、上記したようにスパイ活動や知的財産権の侵害を行えるようになる危険性も高まります。米中の貿易戦争の本質は5Gの覇権争いとも言われているのです。

米国が輸出規制をする理由がなんとなくつかめていただけたでしょうか?中国の危険性をアメリカは指摘し、それに付随する中国企業の製品すらも関係してくるとトランプ政権は考えているようです。

現在米中の貿易摩擦や元の数年ぶりの安値など米中との関係でのニュースは大変多いです。これからもアンテナを張って知識を深めていけたらいいなと思います。

読んでいただきありがとうございました。次回もお楽しみに。
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今日覚えておきたいワード
国防権限法、5G、国防動員法

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