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ルノルマンカードとはどんなもの?

さて、まずはルノルマンカードとはどんなものなのかをお話しましょうか?
18世紀から19世紀フランス、マドモアゼル·ルノルマンことマリー·アデライード·ルノルマンという方がいらっしゃいました。
彼女の占いの評判はとても素晴らしく、貴族や政界の方々やあのナポレオンの奥様までルノルマン婦人のお告げを聞きに通った大占い師であったようです。

ようです………というのも、
このお話はルノルマン婦人の自伝にて書かれているからであり、真偽は定かではありません。
ただ彼女が大占い師であることは間違いなく、
海外まで名声を轟かせていた記録や年収が大きかった記録がありとても強かな占い師だったことを伺えます。
そんな彼女が行っていた占いは彼女独自のトランプを使用した占いであったようです。

このルノルマン婦人亡き後、少し年数が立って「グラン·ルノルマン」というカードが発売されました。そしてその翌年、枚数を少なくして再編集した「プチ·ルノルマン」が発売されました。
さてこのカード、ルノルマン婦人がリスペクトしていたのか…?といわれると微妙な所があります。
このカードを実際にルノルマン婦人が使用することはできないですし。
しかしながら、ルノルマンカードは確かにヨーロッパで浸透してゆきました。
それはなぜなのか?

ルノルマンカードの元となったのは“希望のゲーム”というカードゲーム、このカードゲームが元となったのは“コーヒー占い”のシンボルでありました。

昔のコーヒーは豆ごと煮詰めて飲む方法が主流で、飲んだ後にソーサーへカップを返し豆の形がどのような形に見えるのか…

「ハートかしら? 」「ハトのようだわ!」
「俺のは蛇の様にも見えないか?」

コーヒーを出すコーヒーハウスは多くの貴族やアーティスト達が、時にくつろぎ、時に議論する社交場でしたから、占いについても話を膨らませ楽しんでいたようです。
その時のシンボル達が“希望のゲーム”というカードゲームになりました、そしてそのゲームを行うためのカードはトランプも出来るようになっていました。
そしてそのカードを元に“ルノルマン”の名前を拝借した、“ルノルマンカード”が生まれ、貴族達の間で広がってゆくのでした。

そのゲーム、どうして貴族達を夢中にさせたのでしょう?
それは“1 Rider”から“35 Anchor”をゴールとした人生ゲームのようなものでした。
サイコロを振り…
悪いカードに止まったら足踏み、又はチップを払い、
良いカードが出たらワープやチップを追加出来る。
長い時間楽しめ、スリリングな駆け引きに踊る。
人生に必要な要素がまとまったカードでありましたから、

「やっぱ彼女の元へゆくのは俺が先だな」
「チキショウ、山か!今日はついてねぇ。」

等と自分や人と重ねたり、ゲームの上では素晴らしい人生を歩めたり。はたまたどん底へ転落。
身近なシンボルだからこそ、その楽しさが多くの人を魅了したのでしょう。

そして当時、トランプ占いも流行っていたものですから、トランプと“希望のゲーム”ができるルノルマンカードももちろん占いにうってつけのカードです。
ルノルマンカード占いもまた必然的にヨーロッパで広まってゆき、
その的確さ
納得感
応用展開の行ないやすさから
多くの占い師が占いとして確かなものへと発展させてゆき、
今日のルノルマンカード占いとなりました。

と…いうのがルノルマンカード占いの成り立ちです。
少し胡散臭い気もしますが、確かにその力がある。
そして多くの人がその占いに魅了されたのですね。

参考)実践 ルノルマンカード入門 著:高橋桐矢
↑とても詳しく歴史からカードのシンボルの歴史、読み方まで書かれていて本当におすすめの本です。シンボルを理解している中級者の方もカードの意味の深みへ誘います。

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