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大手14社との協業に向けた面談を終えて

みなさま、お久しぶりです。
今回は、大手14社との協業に向けた面談を終えて、予防ヘルスケア業界のこれからの時代の潮流が見えてきたので、そのことについて感じたことを書いてみたいと思います。

なぜ大手企業と面談をするのか?

まず、これについて書いていこうと思います。
昨年から今年にかけて弊社の方針は大きく変わってきました。

昨年は主に法人営業に力をいれていて、いわゆる健康経営支援というところでビックなクライアントを獲得するぞー!という感じでゴリゴリ営業してきました。

しかし、結果は惨敗・・
コロナ渦で企業はきっと従業員の健康に気を遣うはずだ!投資するに違いない!と意気込んでいたのですが、それは気のせいでした笑

時代は個の時代に変わり、福利厚生に投資する企業はこれからますます少なくなっていくと思います。従業員が流動的に職を変えていくことを企業もある程度理解しているので、投資対効果が合わないという空気感がありました。さらに、コロナの影響で多くの企業が売り上げ減少でボーナスの支払いに苦労している中、福利厚生を充実させるなんていうのは二の次ですよね。

健康経営は、極めて難しい。
少なくとも日本の企業文化には馴染まない。
これが我々の結論です。

ということで我々のようなベンチャーがいつまでも固執してたら沈没するだけなので、法人向けサービスはひっそりと撤退しました。

となると、王道のtoC領域を攻めていくしかないわけです!!

『じゃあ、なんで大手と面談してるの??』
その理由は目的が変わったからです。

toC領域を開拓していくには何が必要か?
それは、圧倒的な広告費です!!
そして、ブランディング。

となると我々だけの力では不可能。
ということで、大手をクライアントにするのではなく、今度は我々の仲間に引き込んで一緒に事業を創っていくという作戦に切り替えた結果、今回の面談に至りました。

どうやって面談を獲得したのかというと、ひょんなきっかけで、イノベーションリーダーズサミットというマッチングプラットフォームに登録してみたら結果的に14社からご興味いただいたということです。

大手各社をみるとヘルスケア事業に興味を持ってる企業がとても多かった印象があります。しかも、面白いのがほとんどが”新規事業として”だということです。


どんな企業と面談したのか?

今回、弊社に面談オファーいただいた大手企業は驚くほど多岐にわたる業界の企業です。当然、名前は公表できないですが業界をあげてみたいと思います。

・日用品メーカー2社
・不動産会社1社
・電力会社3社
・素材開発メーカー2社
・電機メーカー2社
・製薬メーカー3社
・インフラ系1社

ざっくりこんな感じで、結構ばらついてました。
コロナという社会現象もあってか、予防ヘルスケアは大手もかなり興味あるんだなという空気感がありました。


電力会社の苦悩

個人的にまず面白いなーと思ったのは、電力会社でした。

なぜ、電力会社がヘルスケア??と思いますよね。
話を聞くと、なるほどと思うのですが、電力事業の売上というのは人口に比例していて過疎化していく地域ではどう考えてもこれから先細りになるんですよね。なので、この大量の顧客リストを活かして何かしたい!!

というか何かしないとやばい!!
という理由でヘルスケアとかやってみたらどう??で新規事業を始めたいとのことでした。ただ当然、畑違いですので全く知見がなく、具体案もないということでベンチャーとのマッチングに期待しているとのことです。

我々にとっては、チャンスなのか?まだなんとも判断できないですが、これは少し時間がかかりそうだなーといった印象でした。


ヘルスケアをリードしていきたい日用品メーカー

続いて、誰もが知ってる某有名日用品メーカーさん。
今回は2社とお話をしましたが、どちらも共通していたのはトータルヘルスへ乗り出していきたいという構想です。

つまり、これまでは部分的なヘルスケア(例えば、口内ケアとかお肌とか)に特化してきたが、これからはパーソナライズで一人一人の状態をセンサリングして体全体をケアしていく商材へ結び付けていきたいとのいうことです。

今流行のPHR(パーソナルヘルスレコード)というやつですね。

どの企業も色んなセンサーでバイタル情報をとることに必死です。
でも、これって実はめちゃ難しいと思います。

・検査ハードの普及が困難
・健診レベルのデータは管理が非常に困難
・そもそも健康だと思っている人はそんなアプリいれない

予防のレベルでは、バイタルってめちゃハードル高いんですよね。もっと手軽で、誰でもできて、コストのかからない検査が必要だと思います。

つまりそれはハードではなく、ソフトでないとダメだと私は思っています。

ということで、ソフトで完結するHQCチェックにこの2社は他の業界と比べると一番興味を示してもらえた気がしてます。まだわからないですが・・


二極化していく製薬メーカー

我々がやっている未病という領域と製薬は本来、水と油の関係なわけです。
病気になる人を減らしたい未病と、病気の人が減ると医薬品が売れなくなる医療の関係があるからです。この辺の話は、過去記事でまとめたので是非ご覧になってください。

そんなわけで、一番協業が難しいと思われた製薬メーカーですが、なんと今回3社からオファーをいただけて不思議だなーと感じていました。

そして、実際お話を聞いてみるとはっきりと二極化していることがわかりました。3社中、国産の2社は医薬品以外のキャッシュポイントも探っていきたいと予防のデジタルソリューションを積極的に探している様子。

これはかなりすごいことで、それだけ日本の製薬メーカーには危機感が漂っていることがわかります。

それに対して、外資系の1社は利益率が医薬品より高いなら考えてみる可能性もあるが、あくまで本筋は医薬品であるという強気な姿勢。

これはもしかしたらジェネリック頼りで、先細りを感じている国産メーカーの苦悩なのか・・はわからないですが、我々にとっては朗報だと言えます。

とはいえ、先方も具体案は見つかっておらず、まだまだ予防ヘルスケアへの壁は高いなーといった印象です。製薬メーカーの中で予防ヘルスケアの新規事業起こすって並大抵のことじゃないと思いますので、ここも期待しすぎず待機ですね。


数々の予防ヘルスケアに失敗してきた大手企業

『予防ヘルスケアってこれからめちゃ伸びそうだよねー!!』
『めちゃ儲かってるんじゃないの??』

ってよく言われることあるんですが、ほんとに甘くないです。
今まで数々の大手企業がここに挑戦してきましたが、すべて撤退してきた領域です。

なぜなら、マネタイズが激ムズだからです!!
そもそも病気だと思って生活してる人はほぼいないし、健康って失わないとニーズが顕在化しないからです。

魚が見当たらない釣り堀にどれだけ釣り糸を垂らしても、誰も餌の存在に気づいてくれません。餌を多少高級にしようが気づかなければ意味がないのです。

しかし、重要なことは魚は水面に見当たらないだけで、存在しないわけではないということです。

実はその魚は深海魚みたいなもんで、ふかーい水深のところにわんさか生息しているのです。なので、まずはスキューバダイビングで水中に潜ってその魚たちに水面に食べ物があることを教えてあげる必要があるのです。それもかなり根気よく時間と労力をかけてです。そしてご存知の通り、水中は苦しいのです。

これが、大手にとっては到底割りに合わない作業なわけです。
そんなことするくらいなら、別の釣り堀を探した方が早いというわけです。

だから我々のようなベンチャー企業が懐中電灯をもって率先して水中に飛び込みます。ただし我々が用意できる酸素ボンベは小さく、一人では深いところまではまだ到達できないのです。けれども、その懐中電灯の先に確かに魚群がはっきり見えるのです。

だから、我々ベンチャー企業の持つ懐中電灯と、大手企業が持つ大きな酸素ボンベを組み合わせないと魚はいつまで経っても目の前に現われてくれません。

これは、魚にとっても不幸なことです。
深海にはもう食べ物はほとんどないからです。水面に食べ物があることを教えてあげないと餓死してしまう魚がたくさんでてしまうのです。

というわけで例え話で説明してみましたが、この手付かずの未病市場の開拓には大手との協力が欠かせないのです。


時代は治療から予防へ

最近、なんとなく耳にするフレーズだと思います。

今回14社の大手企業との面談を終えて、世の中の潮流はやはり予防へと傾いてきていると肌で感じることができました。しかし、まだその確実な手段は誰も見つけていないなとも同時に感じました。

そんなファーストインプレッションでした。
他にも水面下で交渉中のプロジェクトもあるので、今は先方の対応を静かに待ちます。

我々は未病産業のリーディングカンパニーとして、この未開拓で泥だらけの道を懐中電灯を握り締めてしっかりと匍匐前進していきたいと改めて決意し、それができる自信を持つことができました。

我々は一人ではない、チーム未病でこの道を一歩ずつ踏み締めていこう。

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