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生きてるあいだのこと

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実は、59歳にして子供が生まれまして…。考えてみると、関われる時間には限りがある。まぁ、これは息子への遺言みたいなものかな。30代前半の離婚からこれまで、勝手気ままに独身生活。さ… もっと読む
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10.選択と後悔

10.選択と後悔

しみじみ人生は選択の連続だと思う。たとえば朝起きて、トイレが先か歯磨きが先か。どの服か、どの靴か。小さな選択をしながら進んでいく。重大な局面も、やはり受け入れるか拒むか。たとえ悩んで結論を先送りにしたとしても、いずれなにかしらの道筋を選んで決着する。

時の流れは、人は変化させる。そうなると、かつてとは違う視点で、やってきた選択を評価するようになる。あの選択は、間違っていたのかと、くよくよしてしま

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9.やらなければいけないこと

9.やらなければいけないこと

寝ても醒めても、好きなことへの情熱は尽きない。諺に「好きこそものの上手なれ」ってのがあるけれど、まったくその通りだ。なんたって好きなことは長続きする。結果、その取り組みは磨かれ、質も向上する。

僕は、中学の入学式で聴いたブラバンの生演奏に魅了され、その興奮のまま部活見学に行ってみた。小学生時代、音楽の授業はあまり好きじゃなかった。ハーモニカもリコーダーも苦手。それがどういうわけか突き動かされるよ

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8.自覚すること

8.自覚すること

大人の社会は、本当のことを明らかにしてはいけない。周囲の空気を読んで、適当なところで合わせておくのがいいね。たとえば自分の人生観と照らし合わせて、どうしても相容れない価値観に遭遇したりする。もし相手が多数派なら、自分の考えを明らかにすることなくその場をそっと離れればいい。他人を説得するのは疲れるだけだ。ゆるやかに、なんとなく。無難に付き合う対人関係の作法。そんなものを身につけておいたら、それはそれ

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7.誰と出会い、誰と過ごすか

7.誰と出会い、誰と過ごすか

“良い環境”ってものを考えてみると、気候や地勢と同じように、人も環境を構成する要素の一つ。であれば、誰と一緒なのかは、とても大事だ。気の合わない人とレストランで食事をするよりも、好きな人と近所の公園でコンビニおにぎりの方がよっぽど楽しい。一緒に過ごす人の顔ぶれが、日々の雰囲気をつくると考えて間違いない。

職場や地域。また趣味の領域であっても、顔ぶれで雰囲気はガラッと変わってくる。ただ、自分の意思

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6. 放課後に見つけるもの

6. 放課後に見つけるもの

授業が終わると、先生や親の目も届かない子供だけの時間が始まる。放課後の寄り道は、とにかく楽しい。授業だって好きな教科なら楽しいけれど、それとは根本から違う。過ごし方を自分が決めていいのだ。

帰りが一人なら、自分の考えだけでいい。友達と一緒なら、みんなが納得する合意点を探す。友達と遊ぶ中で起こる共感や反発は、他人の考え方に触れる機会。正しいとか間違っているとかじゃない。“自分の考えと違う”というと

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5.好奇心の種

5.好奇心の種

好奇心旺盛な人は、新しいことに躊躇しない。成果は二の次で、ともかく動き出す。貪欲で行動的。そのキャラクターは、なんだか面白い。ただ、手を出してはみたものの、道半ばで投げ出してしまったものも少なくない。だけど経験してきたことは、けっして無駄にはならない。後々なんらかの形で回収できることも多い。
好奇心がうずく動機はいたってシンプル。“面白そう”という感覚。飽きずに取り組める何かに出会えるかどうか…。

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4. 楽しさを追求する生き方

4. 楽しさを追求する生き方

楽しむことを後ろめたく感じる必要はない。
「お行儀良く、大それた望みは持たず、控えめに行動しなさい」とか、まさか今の時代、こんな説教をする大人はいないだろうけれど…。ただ時々、日本的全体主義に凝り固まっている人間もいて、あまりにも無邪気にはしゃいでいると冷や水を浴びせられたりする。世間には、首尾よくいっている人とそうでない人が渾然一体となって生きている。余計な摩擦を生まないために、多少なりとも場の

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3. 心は自由に

3. 心は自由に

あれダメ、これダメ。現代社会は、なにかと制約が多い。羽目を外すにしても、その加減を間違えると大火傷しかねない。最近特に、不寛容の時代と呼ばれるそうだけど…。実は、昔からずっとそうだった気がする。ネット社会になって、些細なことも表面化し悪目立ちしてしまう。
まぁ、世の中がルールだらけなのは仕方がない。なにもかも自由では、集団生活は成り立たない。国を維持する法律はもちろん、学校や地域社会にも様々なルー

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2. 普通って何なんだ?

2. 普通って何なんだ?

人は、生まれながらにして社会の一員となる。親兄弟は最小の社会。出産を担う医師や助産師は、最初に関わる他人。産着も誰かがどこかで作っている。無自覚ではあっても誰かの力を借りて生活が始まる。たとえ“ひきこもり”になってしまったとしても、誰かが作った服を着て、誰かが作った物を食べる。そしてテレビやインターネットに流れる情報も誰かが発信している。どうあがいても人は、社会と無縁に存在することはできない。常に

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1. 気づいたら生きてたって話

1. 気づいたら生きてたって話

実は、59歳にして子供が生まれまして…。考えてみると、関われる時間には限りがある。まぁ、これは息子への遺言みたいなものかな。30代前半の離婚からこれまで、勝手気ままに独身生活。さすがにもう子供はないだろうと、人生設計から外してやってきた。期待と戸惑い。さて、どうする。と、人生再設計だ。仕事は、写真や映像の制作。いわゆるフリーランスだから定年はない。しかし、アラウンド還暦がこれから子供を養っていくの

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