細くて長い信頼関係の心地よさ
あんなに、毎日、毎日、同じ空間にいるというのに、ひとたび会社をやめてしまえば、上司と部下の関係は割と儚いものだ。
日本で働いていた頃の上司・Nさんと久しぶりに再会した。
大阪と東京でWeb制作会社を経営しているNさんは、研修や視察という名目で度々異国を訪れている。
前回シリコンバレーでお会いしたのはもう4年前。当時わたしは一人目を妊娠中で、この間にわたしは子どもを二人産んだことになる。時が経つのは早い!
仕事のこと、目標のこと、英語のこと、生活のこと、、、普段は子育てが中心で、話す相手と言えば夫かママ友ぐらいしかいないわたしにとっては、Nさんとお話したひと時はとても刺激になった。
部下として働いていたのはもう10年も前。その後、わたしはアメリカに渡り、コテンパに打ちのめされ、結婚・出産も経験し、本当にいろんなことがあったので、正直一緒に働いていたときのことはあんまり覚えていない。
ただ、とても穏やかで、声を荒げることなく、でも静かに厳しく、本質を突かれてしまう、みたいな印象はクッキリ残っている。
間違いなく信頼できる上司だったことも。
これまで15年近く社会人をやってきて、もっと濃く長い時間を過ごした上司はたくさんいた。
けれど、後々までこうして付き合いが続いている人は、ほとんどいない(海外で物理的な距離があるとか、わたしの性格が淡泊なせいとか、いろいろな理由があるとは思う)。
Nさんとも、普段こまめに連絡を取り合ったりするわけじゃない。でも、こうして近くに来たときは会おうと誘ってくれて、長いスパンで定期的に近況を報告し合えるのは、お互いに信頼関係があるからじゃないかな、と思うのだ。
ゴリゴリに叱られたとか、人生を変える出会いだったとか、そんなインパクトはなくても。
細く、長く、ゆるっと。
自分が元部下として信頼されているというのは勝手な思い込み(笑)。にも関わらず、また数年後ひょっこりお会いする機会があるだろうと確信めいた気持ちがあるので、そういうことにしておこうっと。
最後まで読んでいただいてありがとうございます。これからも仲良くしてもらえると嬉しいです。