詩 後悔
詩 後悔
またこうなる
微温湯と空調下ばかり選んで
灼熱と凍結を遠ざけて
世界をわかりきったつもりの
とき
ふいに
宣告が 汚濁が 災害が
来て
この身から消え去ったはずの
嫌悪と拒絶が
熱暴走のように 止め処なく沸いて
世界を 他人を 天上を
睨む 泣き腫らした剣幕で
何年かに一度
だけどけっして 忘れられはしない
制御不能の敵意が
身を裂いて あまた生まれ出る
そんな季節
日々の 小さな喜びを
なるべく大袈裟にしないよう
慎ましく扱っていて
だって
雷雨は 旱魃は 豪雪は
いつか訪れて
閉塞した安寧を
壊してしまうから
そのとき
微温湯と空調下ばかり選んだ人が
どこにも適応できずに
行き場を失くして
空を睨むのだから
きみは
そうはならないで
と
呪いを振りまく
ことが
預言
『東方緋想天』に登場する竜宮の使い『永江衣玖』を基にした詩歌