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詩 幻影の巫女


 詩 幻影の巫女


誰も背を押さずとも
きみはいつか 辿り着いてしまうのだろう
誰も見出すことない
楽園らくえんの門を
ちきんとした手続きなく 潜り抜けてしまって
誰もその後を見ることはない

連れ立つ者も求めずに
聖典バイブルの一つも持たずに
ただ 存在が
きみの存在そのものが
破滅のつもりもない
破滅に至るであろう願いを
叶えてしまうんだね
踊っていたのは
みなに映るきみ自身であって
そこにいたのは
鏡映しのきみだけ

そんなきみに
安息を、と願ったところで
どうせ休まることなんてありはしない
だから精々、祈ろう
自覚も遠慮も
する間すら与えられなかった
不器用な旅路に
望むものが降り注ぐ日を
祈る

他人事かもしれないけどさ
誰だってそうだと思うよ
自分以外の人に対して できることなんて
それくらいだよ







蓬莱ほうらいにんぎょう』のレーベルのあの子 を基にした詩です