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詩 刺を食む



  詩 とげ



 壊滅
 肥大の針が
 痛覚を貫いて
 心象に達する
 流血は逆流して
 命のもととなる鼓動は
 息も絶え絶えの
 致命傷
 を与える

 痛みが
 皮膚にまで到達したとき
 荊棘いばらが生まれる
 優しいつもりの包容も
 棘により 相手の皮膚を貫く
 季節のように 運ぶ風のように
 どこにでも吹く熱風が
 荊棘いばら
 傷から生まれた
 傷を与える
 荊棘いばら
 ひとの間に巡らせていく

 地下室に流れ着いた
 身元のわからない
 血肉を
 生存のために
 すす
 と
 ひとつ
 棘が、背中から
 生まれた
 気がした








東方とうほう紅魔郷こうまきょう』に登場する吸血鬼『フランドール・スカーレット』を基にした詩