詩 届く範囲
詩 届く範囲
あなたとわたしを
同じように愛することは
とてもできそうにない
渇いた内心を満たすのは
草木に水をやるようには
いかないの、だから
自他の境界を割って
溶かす作業と
割れて、漏れ出した灼熱が
罅をより深くしてしまわないように
抑えて
そんな営為を
じっと、繰り返して
ようやく、辿り着けるか
あるいは、互いに傷つくだけで終わる
そういうものです
救いの手なんて
とても短くて
頼りない
この手を取って
自己の惰弱に疲れた
閉塞のひとへ
この手を取って
と
手を変え品を変え
示し続ける
けれど結局は
互いの指先が
交わるかどうかに
賭けるしか
救済なんて
ない
だから
『東方星蓮船』に登場する魔法使い『聖白蓮』を基にした詩