詩　呪縛

希き求きゅうの限りを尽くし
願いだけで生きていたような日々の
果てない感情も
一年も経ってしまえば
ほとんどの日常において　忘れ去られてしまう
けれど時々
ほんの一瞬　輝きを思い出す
その瞬間が確かにあって
すると　自分の記憶力を許せなくなって
あの森林へと飛び帰ってしまう

そういうことを繰り返してきた
乱雑な人生に
連れ立つ友人は
あの日の願いをおいて　他に
いない
その願いさえ　気を抜けば
指の先から零こぼれ落ちそうなのを
必死で抱き締めている始末だ

忘れさせないで
あらゆる数多の忘れ薬よ
世間に転がる忘却の快楽よ
近寄らないで
わたしには
願いがあるから
この身を賭けなくちゃ
一生涯　叶うことのないほどの
途方もない　身の丈に合わない
無鉄砲で　身勝手で　どうしようもない
願いがあるから

東方Projectシリーズに登場する魔法使い『霧雨きりさめ魔理沙まりさ』を基にした詩