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詩 冀えなかった一生たち


 詩 こいねがえなかったいっしょうたち

  

わいしょうはなごえ
轟音ごうおんによりとくする
ちょう高速こうそく蜈蚣むかで
地下ちかとお
その体内たいないると
警告音けいこくおんどう
こうじて
はなごえはなくなった
ひととして
ひととして かえない
幻想げんそうきのちょうとっきゅう
半券はんけんもなしにじょうしゃした
人々ひとびと
てい穿うがおお蜈蚣むかで
かけがえのないにえ

日々ひび
空想くうそう
現実げんじつ
りゅうせいが いちけのねがいをかなえる
あるいは
彗星すいせいが 一世一代いっせいいちだいめつあたえる
ってさえいなかった
はんゆうしゃたちが
ありあわせのおもいつきをって
顕現けんげんした
いびつそう怪物かいぶつ

だけど怪物かいぶつ
一心いっしんらん
専心せんしんして あなすす
地下ちかがいかい
まなすことはあっても
ふいとそむけて
あなっている
その姿すがた
ひとつのねがいを
とうとうかなえられなかった
潜潜ひそひそばなしゆうしゃたちの
くろずんでいるけれど
たしかな
ぼう






東方とうほう虹龍洞こうりゅうどう』に登場する大蜈蚣おおむかで姫虫ひめむし百々世ももよ』を基にした詩