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Apollo - Crystal Lake【和訳】

"俺達は何も持たずに生まれてきた
だからもう一度全てを捨て去るんだ"


Helix Tourに行ってきた。生のCrystal Lakeは初めてだったけど、もう、とんでもない熱量だった。愚直なほどに音と世界を追求し叫び続ける彼らの積年の思いは真実だったとまさに証明されていた、そんなライブだった。
もはやMC一つ一つが洗練された彼らの思いになっているし、Crystal Lakeと観客が最も間近に繋がれる場であるライブの場をとてもとても大事にしていることが何度も感じ取れた。メタルコア好きなら世界で戦う最高の彼らを一度は見ておくべき……

自分の話はさておき、今日は2017年日本産メタルコアの最高傑作"Apollo"を訳したい。
Helixを全訳して、The CircleやPrometheusの訳にも挑んでいるのだけれど、とにかく彼らの歌詞はもうほとんど「怒り」と「前に進むこと」以外にない。どんなに美しい音楽、叫び、言葉もすべては「己を信じて突き進め」しかないのだ。だけど音を変えて技術を上げてそれでも何年も何年もこれをずっと歌ってきている、というのは本物の思いである証明だと思うのだ。

相変わらず長い前置きでしたが、以下歌詞をどうぞ。


Title:Apollo (2017)
Band:Crystal Lake (2002-present)
Album:HELIX (2019)
Vocal:Ryo Kinoshita
Lyrics:Yudai Miyamoto & Ryo Kinoshita



We made from nothing
So take it away
Take it away again
Take it away
俺達は何も持たずに生まれてきた
だからもう一度全てを捨て去るんだ

Taking over earth and beyond the skies
Show me a sign you down to ride?
For progression
We stay alive 'cause we need the pain
For progression
空を越え地球を跨ぐ
落ちてしまったなら合図を出してくれ
前進せよ
まだ俺達には痛みが必要だ
生き延びて、前へ進め

I want it all space time in sync
Life intertwines my desires in sonic speed
So we lift from the ground
Blasting off much higher and higher we go
全ての時空が同調し
現状と俺の願いが光速で融合していく
俺達は地表から抜け出して
より高度を上げていく

You'll never take me under
Never gonna take me under
お前はもう二度と
俺を突き落とすことはできない

Broken down
This burden was mine
'Cause gravity holds nothing refined
重力は不純物ばっかり抱えてる
この荷物だけは俺のモノだ

Now forever
We'll live forever
I want it all there's more to this
俺達は永遠に生きる
より良い場所を目指して

You'll never take me under
Never gonna take me under
Now we're falling down to nowhere
お前はもう二度と
俺を突き落とすことはできない
俺達は自ら落ちていく
誰も知らない場所に

The [universe] ain't big enough for all of us
Open the sky
This universe was not big enough for us
Open the sky
この世界は俺達には狭すぎる
空を開け
この世界はまだ大きくなる
空を切り開け

Taste of our past left in their future
View from the sky
I'm the rainmaker
過去の苦みなんて未来に捨てた
空から見渡してみろ
俺がこの空模様を変えてやる

This odyssey got me lit
'Cause I'm getting fired up in commotion
It's true
この歌が俺を明るくさせた
俺自身の動揺を増幅しながらな
本当のところそんな感じさ

See beyond what you're suppose to
Choose to see what I see
You won't dare to deny it
お前がしようとすることの先を見ろ
俺が見ているものを見て考えろ
この考えも別に否定はしないんだろう?

Who is ever going to find me?
When Gravity breaks away
この重力が絶たれた時
俺を探す者はいるんだろうか

Who ever knew we'd go where gravity breaks away
Now we've reached beyond where gravity fades away
俺達は重力圏の外に出るんだ
たった今、枷は消えた

You'll never take me under
Never gonna take me under
Now we're falling down to nowhere
お前はもう二度と
俺を突き落とすことはできない
俺たちは自ら落ちていくんだ
誰も知らない場所に

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Helix収録曲の歌詞は「自ら落ちていく」「ただ自由になりたいだけなんだ」「最早疲れ果てた」「お前の理想に俺たちはなれたのか」等、前を向いて進んでいった先での苦悩を描いている場面も多い。それでもラストトラックのSanctuaryは「どれだけ傷ついても前に進み続けることこそが俺の安息だ(意訳)」と締めくくられる。
勇気を出して前に進んだのに何も見えなくて、真っ暗で何をすればいいのか分からなくなる、そういうものだけれど、でも我武者羅につき進んだ先にこそ新しい世界がある……
彼らのMCを思い出すと、やはり前に進むことは痛みや不安を伴うし、長い年月ずっと行動し思いを抱き続けなければ夢が叶うまで戦えない。
それでもなおやり続けて、世界の舞台に立って、日本に戻ってなお「怒りに任せろ」「前へ進め」と歌い続ける彼らは最高だ。最高だった。