詩 理解の病理
詩 理解の病理
寂しいなんて云わないで
その言葉を発するから
渇望は顕わになる
嫉みが蘇ってくる
そして飢えを満たすために
暴力的なほどの 夥しいほどの
共感を求めてしまう
そのせいで 大切なものを
きみをゆっくりと、根強く支えてくれるものを
蔑ろにして
食傷になるまで 他人の広告を喰らって
濃い味のもたらす疲弊の虜になって
誰にも触れずに 眠ってしまう
幾度繰り返したのだろう
その影で死んでいく微醺のたよりを
いまだに陶酔できるだけの感慨を
見殺しにするなよ、
自分で拾ってきたんだろ
自分で見い出したんだろ
最後まで見届けないで どうするんだよ
孤独は 犠牲の言い訳じゃない
何もできず眠ることの正当化にはなり得ない
不自然で急峻な治癒なんて要らない
だから、もう
理解の果実を掻き込む毎日が
来なければいい
これ以上、来ないでください
『東方地霊殿』に登場する橋姫『水橋パルスィ』を基にした詩