最初で最後の犬

11年前だろうか、父が大きな犬を家に連れてきた。老人ホームで飼われていたのだが、大きくて老人に寄りかかった時など危ないのだという。相談した結果一番懐いている父が引き取ることになった。

私は最初老人ホームに対して怒っていたし、それなら最初から飼うな!と思っていた。

でも、いつのまにか私たち家族の一員になり、誰も命令していないのに番犬になった。自分は猫派だったので、犬は初めてで全てをその子から教えてもらった。

犬の心は真っ白だ。
嬉しいときは身体全身で喜びを表す。私たちが落ち込んでるときはそばで癒してくれる。不思議と頭痛も治るのにはビックリした。悲しいときはすごく落ち込んだ顔をし、お腹が空いたときはすごくアピールしていた(笑)

もう少し長生きしてもらえると思っていた。大型犬で12歳を超えると人間で80歳を超えるのですね。愛猫はだいたい16から17歳を超えてくれたので油断していた。

〈この後、腫瘍の写真と説明があるのでご注意ください〉

去年の夏にお腹にイボみたいのができてきた

お腹の真ん中に小さな黒いものがありますよね。右手のけっこう下です。向かって左ですね。

10月には3から5㎝になったので動物病院で切除してもらった。その後経過はそんなに悪くなく、猫の方が12月に腎臓が悪くなったので、そのままにしていた。

愛猫が12月末に亡くなり(このことは別の記事で書きます)年明けてすぐに動物病院で見てもらい、ステロイドなど愛犬に服用してもらうことにした。

1月末だろうか、動物病院の医者がドロン。遠い動物病院で診てもらうことになる。うちの犬は車が苦手だったのでよく頑張った。その別の動物病院を探す手間というか土日が入ったせいで、2、3日の間にだいぶ愛犬の調子が悪くなった気がする。違う病院の診断では肥満細胞腫ということだった

こんなにひどくなる恐ろしいものだった。これだけ大きいと切除はできない。点滴でステロイドや栄養、ビタミンを打ってもらったが、だんだん食欲が落ちていった。しかも毎日は連れていけない。点滴など検査などして6000円くらい。薬だけなら3000円くらい。お金は飛んでいったが、それは覚悟していたし、腫瘍切除の方が3万くらいだった。

思えば何か食べてくれないかと、味付けしてない焼肉(豚肉)や鶏肉を食べさせたのは良かったと思う。その後、水しか飲まなくなり、クスリを水に砕いて飲んでもらっていたのだが、最後のほうはよく吐いた。苦しかったと思う。お腹の外の部分は前より血が止まり、多分お腹の中へ癌は浸潤していったのだろう。どれだけ痛かったろうか…

末期、血尿になり胃液も吐いた。噂に聞く黒い便をもらした。タールのようなのは亡くなった後、体から出てきた。

「ハッピー、よく頑張ったよ…
苦しかったろうに。今までありがとう」

もっと散歩して遊んであげればよかった…

愛犬が骨になった後、家で父がお経を詠んだ。父も泣きながらだったし、自分も泣いた。大型犬を火葬できて葬式できるところは少ないし、高い。しかしあんな大きかったあの子も骨になったら小さかった(母と同じくらいの骨箱を買ったのだった)

ここでこんなことを書く気は無かったのだが、かわいいというだけで動物を飼ってほしくない。もし動物を飼うことになったとしてもペットショップで飼ってほしくない。

動物は飼い主を選べない。そして誰かの言葉だったけど、動物を飼うことは自分の命を削ること(その分多くを得ますけど)

もう、うちに犬も猫もいなくなった。虹の橋で会おう

#犬 #ガン

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