きょうの最終電車
今日が終わりを告げた、鴨川を眺めながら三条大橋を渡る。淀屋橋から最終電車に飛び乗り、祇園四条に着いた頃には0時を回っていた。
ふと橋から鴨川に目をやると、街の灯りがじわーっと広がっていてまるで、こっちの景色とあっちの景色が別の世界のように見えた。
静かに川の音が聞こえる。
あ、ここは京都だ。と思った。
わたし、京都にいるんだ。
小さい頃からずっと憧れの場所だった。何度も何度も訪れて、三条大橋からこの景色を眺めていた。
いつか京都に住んでみたいと淡い憧れを持ち続けて、15年が経っていた。
ふらり、ふらりと迷いながら、たどり着いた場所。私は今、京都に住んでいる。
さわさわと流れていく川の音を背に歩いてゆく。
さ、急いで帰ろう。
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