僕、という生き物。
好きなアーティストが歌う「僕」が現実にいたらいいのに、とよく思う。
大抵、「僕」は何かに傷つき、悩み葛藤していて、その行き場のない感情を正直にはなしてくれる。
そのどうしようもない感情があるから、周りにきつく当たってしまったり、素直になれないのだと、きちんとはなしてくれる。
ちゃんと話してくれたらわかるのに。
ちゃんと素直になってくれたら、分かり合えるのに。
現実の「僕」は、かっこつけてばかりで、できる自分ばかり見せようとして、何を考えているのか、何をしてほしいかさえわからない。
だから、もう、歌えよ、と思う。
言えないなら、歌ってほしい。
現実に帰るだけで、吐露できなくなるなら。
歌っちまえよ、歌手であろうとなかろうと。
小説でもいい、日記でもいい。
現実に立つだけで、いきなり格好つけたがる、君たちは何なんだ。
この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?