見出し画像

【海外出産奮闘記#10】 出産直後にハンバーガー!? 「アメリカ出産・カルチャーショック」後編


大学卒業後、まともに就職活動もせず、ふと見つけた広告に応募し採用され、現代美術ギャラリーで楽しく働く私に向かって、ある日母はこう言放ちました。「あんたはきっと“いきおくれ”て、30過ぎで猫と一緒に1人暮らしするんでしょうね」と……。
しかし、人生には時に天変地異の如き出来事が降り掛かります。25歳で出会った彼と、次の日からおつきあいをスタート。半年後に妊娠、入籍する事に!
ドタバタの海外出産後、酷寒の地ボストンでの生活から、夫の就職を機に新天地カリフォルニアに住居を移した私たち一家、そして後陣痛と恥骨痛に苛まれた2人目出産。前回は、かなり恥ずかしい“ナースの前でのおしっこ”など「アメリカ出産・カルチャーショック」前編をお届けしました。
今回は、「アメリカ出産・カルチャーショック」後編をお届けします。

前回はこちら↓

■「産後に…ハンバーガー!?」カルチャーショックだらけのアメリカ病院事情

(1)食事はひどい。

長女を産んですぐ後の食事は忘れもしません。それは、パサパサのパティがイースト臭いパンに挟まったハンバーガーでした。

傍らにはポンポンと無造作に置かれた牛乳やヨーグルト、オレンジにカップケーキ。

目の前に並べられたそれらの食事を前に、一つの啓示がキラリと降りてきました……

「アメリカの病院食には、これから先も期待出来ない」

きっぱりとそう悟った私は(実際それは当たっていました)、今回は前もって母に食事をリクエストするという対策を講じることに。

ちなみに、今回次女を出産した病院の食事のハイライトは、こってりしたラザニア。お腹が空いていたから完食したものの、消化出来ず散々な目に遭いました。(文字にするのは自粛します)

母に作ってと頼んで持ってきてもらったおいなりさんが、心に、身体に沁みました。

(2)オムツとお尻ふきとミルクは「もらいたい放題」

スポンサーがついているのか、州から補助が出ているのか、どちらかは分かりませんが、とにかく持参しなくても大丈夫です。いくらでももらえます。

しかしながら、お尻ふきは使い捨ての布を濡らすタイプなので、持参した方が便利で楽です。

またオムツも、「あ、今、新生児用が無いわ」と、SサイズやMサイズを渡されたりする事もあるので、少しは持っていったほうが無難かもしれません。日本人の新生児にはSサイズだって大き過ぎますからね。


(3)退院時の必需品

アメリカでは“これがないと退院出来ません”と言われてしまう、事前に用意すべきものがいくつかあります。

・退院時必需品・その1:赤ちゃんの名前

日本では出生証明書を出すまで少し間があるようですが、アメリカでは病院で手続きをしてもらいます。産後48時間の入院は法律で定められているので、約2日で退院するのが普通です。

その退院までに必ず名前を決めておく必要があり、わりと大急ぎで名前を決めなければなりません。

・退院時必需品・その2: カーシート(ベビーシート)

車社会アメリカでは、赤ちゃん誕生時には必ずカーシートを用意しなければなりません。日本のように、赤ちゃんを抱っこして車に乗ると違法ですので、親が逮捕されてしまいます。

・退院時必需品・その3:おたふく風邪の免疫

長女出産時、「おたふく風邪の免疫があるかないか」と退院時に突然問われ、「どうしてそんなこと聞かれるんだろう?」と、夫と私はまるで狐につままれたような気持ちがしました。しかしそれは、どうやらアメリカで出産したときの決まりのようでした。

詳細を聞くと、お母さんにおたふく風邪の免疫が無ければ、退院前に予防接種を打たれるとの事。私は母から、「あんたは水疱瘡も麻疹もやったけれど、おたふくだけはやってないと思う」と言われたので、自分では免疫は無いと思い込んでいました。

ところが事前に主治医が調べた血液検査によると、なんと免疫を持っていたのです。確かに後にこども達が続々とおたふく風邪にかかり、ほっぺを膨らませて苦しんでいる時も、私にはこれっぽっちも同じ症状は出ませんでした。いわゆる、症状は出ないが免疫は獲得出来た、“不顕性感染”というものだったのですね、おそらく。


・・・ということが分かるまで、私たちはかなり待たされたことも伝えておこうと思います。

いざ退院というその段になって、「あなたの主治医に連絡して、データを調べるからちょっと待ってて」と言われたその時は、ちょうど運悪くランチタイム。主治医に連絡がつくまで、なんと2時間ほど、手持ち無沙汰に待ちぼうけをくらいました。

ランチを交代制にしてまで真面目に仕事をし続けるのは、どうやら世界的に見て日本だけのようです。アメリカもシンガポールも、ランチタイムは頑として仕事をしないのがフツウです。

最初はこれにも戸惑い苛立ちましたが、今では「食事を摂るということは、人として当然の権利だからなあ」と納得しています。私も知らず知らず外国に馴染んでいるということですね。

(4)退院はもちろん、車椅子で。

退院時には夫がお花を持ってきてくれました。夫はお花に何の価値も見出していないので、おそらく実母の差し金と思われますが。私はお花と次女を抱えて車椅子で、夫はカーシートを抱え、病院を後にしました。3人で車に乗り込み家路につきます。

これからとうとう4人家族になるのです。新たな生活の始まりでした。

Photo by Author

★今回の教訓★
(1)アメリカの病院食には期待しないこと
(2)オムツとお尻ふきとミルクはもらいたい放題だが、少しは持っていったほうが無難
(3)退院時、“赤ちゃんの名前”、“カーシート”、“おたふくの免疫”を必ず持参すること

次回は「太陽に晒される!? 新生児黄疸治療」をお送りします!



サポートは、あってもなくても、どちらでも。