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[英詩]Bob Dylanと基本動詞(見る、言う)

※ 旧「英詩が読めるようになるマガジン」(2016年3月1日—2022年11月30日)の記事の避難先マガジンです。リンク先は順次修正してゆきます。

※「英詩のマガジン」の副配信です。

英語の単語のイメジを捉えることが重要だと、書いたことがあります(「英語における前置と後置」)。

今回は、その路線で、ボブ・ディランの詩にすこし適用してみます。

取上げるのは、〈見る〉〈言う〉を表す基本的な動詞です。

図解(見る、言う)

大西泰斗『英語表現 WORD SENSE』をもとに作成された図解が「週刊東洋経済」2019年6月8日号に出ている(下)。

どれも「見る」や「言う」と訳される3つの単語があるが、イメージの理解は、表現の気持ちを考えるうえで助けになる。


見る

視線を向ける Look at me when I'm talking to you!
じっと見る Watch your step.
目に入ってくる I can't see anything in this fog!

■ look

こういうイメージの違いが分っていると、たとえば

Don't look now.

という文イディオムに出会っても、理解しやすくなる。これは、たとえば、ふたりが相対して話している場面で、背後に誰かが現れたとする。その人のことが話題に出たので思わず振り返ろうとした時に、今は振り返ったらだめだということを告げるような言い方だ。わざわざ見る動作がまずい場面で使われる。

わざわざ見るというイメジがボブ・ディランの

I turned and looked again but it was gone
('This Dream of You')

にはよく出ている。

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