藤田理代 (michi-siruve)

ZINE作家。“大切な記憶”を小さな手製本に綴じています。「記憶のアトリエ」/ 連載「まなざしを綴じる」(日本看護協会出版会) / 若年性がん(絨毛がん)経験者 #AYA世代 #zinester https://michi-siruve.com/
固定されたノート

「時間の花」#掬することば

こんにちは。
ふと思い浮かんだことがあって、ご相談です。

ブーケをひとつお願いしたいのですが、ミヒャエル・エンデの『モモ』に出てくる「時間の花」をイメージしたブーケ……なんて、へんてこなオーダーをお願いすることはできますか?

そんなメッセージを花店noteさんにお送りしたのは、20日ほど前。2019年1月14日のことでした。一見唐突すぎる、そして花のオーダーとしてはちょっぴりへんてこなこのオー

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「はなす」#掬することば

今から2ヶ月ほど前のこと。とある取材にお声がけいただき、流産とほぼ同時に絨毛がんの治療を経験した5年前の記憶と、「そのあと」を生きてきた5年間の足跡をお話しするという貴重な機会をいただきました。

日々ことばを掬い上げたり、見つめたり、本に綴じたりという営みを続けているわたしですが。「話す」という行為にはとりわけ苦手意識があって。

問われたことにふさわしいことばをすぐに掬い上げることができなくて

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「永遠なる花」#掬することば

ふと、失った大切な存在への想いがこみあげてどうしようもなくなる時があって。そんな時は、製本机の一番上の隅っこに浮かべた小さな空を眺めます。

『花-Memento-Mori-』の8cmCDの歌詞面をぶらさげたもの。“心の中に永遠なる花を咲かそう” それがわたしにとっての手製本なんだろうな。

この歌を初めて聴いたのは、震災後間もない町に越して、季節が一巡りした11歳の春。

手向けられた花たちを

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「意味」#掬することば

認定NPO法人マギーズ東京の共同代表理事でもある鈴木美穂さんの著書『もしすべてのことに意味があるなら がんがわたしに教えてくれたこと』が出版されました。発売日だった昨日、大阪の本屋さんで平積みになっていたのを見つけて持ち帰り、一気に読みました。

わたしは美穂さんと同じく、20代で罹患したAYA世代のがん経験者です。歳は美穂さんと1歳違い。がん種は違いますが、女性として大切な体の一部が蝕まれてしま

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「汀の虹」#掬することば

※2月4日の「World Cancer Day」に向けて、豆本詩集『汀の虹』の詩を、noteに1日1篇ずつ置いています。
28篇目は「汀の虹」です。

Flowers 「フィリカ」×「ライスフラワー」×「シルバーツリー」×「ユーカリ」×「リューカデンドロン」(2017.05 花店note)

『汀の虹』の詩も、いよいよ今日で最後の1篇。深淵に沈んでいた治療中の日々からはじまり、寛解後は海霧にのまれ

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