「World Cancer Day」#掬することば

2月4日が「World Cancer Day」(世界がんデー)だと知ったのは、ちょうど今から2年前の2017年。

絨毛がんに罹患して3年目に差し掛かった頃で、失ったものを憂い、自分を見失い、霧の中にいた時期でした。

若くしてがんになったことで抱えている問題を相談できる拠り所を求めて、豊洲にある「マギーズ東京」を訪れたのもその時期で。マギーズ東京を立ち上げた同年代のがん経験者でもある鈴木美穂さんとの出会いもあり、がん経験者として初めて日本テレビの「生きるってスゴイ。がん新時代へ」という企画に参加しました。

「World Cancer Day」に向けて、がんをとりまく現状や共に生きる人々を紹介するというその企画。「私と、支えてくれたもの」というテーマで開催された写真展に、がん経験者の一人として参加した形でした。その時に綴ったのが下記の文章です。

それまでは「ZINE」という手渡しの範囲のメディアにそっと置いていただけのがん経験者としての「声にならない想い」を、初めてきちんと文章で綴りWebというひらかれた場に置いた記事でした。

この文章を読んでくださった方々からさまざまな連絡をいただき「がんの経験をもう少し置いてみよう」と、その年の夏に制作したのが『汀の虹』という豆本詩集でした。

がんを経験した3年間の“心の変化”を詩と花にこめた豆本詩集。NPOへの寄付を目的としたチャリティーブックでもあります。

“透ける紙”をつかい、“折り”だけで、花のかたちになる豆本。がん罹患から治療中、治療後の心の変化を、28篇の小さな詩にして、1輪ずつ小さな花を添えています。

昨年の「World Cancer Day」の前には、がんになる前から暮らしている地元大阪府豊中市にあるblackbird booksさんのギャラリーで、この『汀の虹』を展示した個展もひらきました。


この記事を置いてから、丸1年が経ちました。この1年も色々ありましたし、何より2019年は、がんに罹患し治療を終え5年目を迎えます。

そんな今年は、プロジェクトに参加したりイベントをひらくのではなく、その日に向けて自分でできることを積み重ねたいなという想いがあって。明日から『汀の虹』の詩を、1日1篇ずつ置いていきたいなと思います。2月3日に28篇目を置き終える計算なので、2月4日は28篇目の先に置く、5年目のことばを綴れたらなと。

記憶の欠片のようなことばの欠片を掬い上げた小さな詩ですが、どうかお付き合いください。まずは豆本の写真と、昨年綴じなおした『汀の虹』-booklet- のあとがきを添えて、最初の#掬することば とします。

『汀の虹』-booklet- あとがきより
『汀の虹』は、2017年、がんになり丸3年を迎えた節目に制作した豆本詩集です。3冊に分かれた詩集でしたが、この度1冊にまとめたブックレットを制作しました。

「深淵」は、ベッドに沈み、治療に耐えた日々の記憶。「海霧」は、失ったものを憂い、霧の中にいた日々の記憶。「汀の虹」は、他者との出会いや関わりの中で、少しずつ歩みはじめた日々の記憶。

制作の道標は、声にならない孤独の中で握りしめていたことばでした。大切な人から贈られたことばや、何度も触れた本や音楽、映画のことば。そんな記憶の欠片を道標に、心の奥に沈んだ記憶を一つずつ掬い上げ、重ね綴っています。

ささやかな手製本ですが、本を手にとってくださったあなたに、気持ちをこめてお贈りします。
世界対がんデー(せかいたいがんデー、英語:World Cancer Day)
毎年2月4日にがんへの意識向上と予防、検出、治療への取組を促すために定められた記念日である
(Wikipediaより)


(flowers 花店note)


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