Typing 38|May 28th,2022

2022年5月28日(土) 6:11am 天気:晴れ

ただいま

って感じだよね

ここにくると
しかし
フェルナンド・ペソアが他人とは思えない
自分と同じようなことを書いてて驚いている
自分も『不安の書』にペソアが書いていることと同じことをしている
だからわかる
ペソアが言っていることがわかる
ということをここに記しておく
「それ、おれもやってる」「おれもやってた」
ということが多すぎる、ペソアに関しては。
しかも自分はそれまでペソアを読んだことがなかったから尚更だ

呼吸を一息入れる

自分がしたい書き方

わたし
あなた

彼女 

お前
きみ

あたし

わし


――

外に
というか
身体を伴った現実のほうで活発になっていたから
そうでない現実のほうにいってみようか

手と言葉でそこへおとずれることができるんだ

今手に任せてみようか
そうすると何を書くのかい
わからない
ことばのなかにはいっていく

緑の中の言葉になっていない緑をわたしはどうにか表現しようとしている
そのような言葉が数多くある

海が踊っている
海が怒っているというよね

海が怒っている

はよく使うけど

そうなんだよね

――――――

さ、ちょっとどこかを歩いてみようか

そこは、どこでしょうか?

今わたしは突然、
高速道路の上にひとりで立っている
その道路の幅は今まで思っていた高速道路の幅より広い
わたしはなぜここが高速道路だと認識しているのかはわからない
ただ事実として
わたしの横をものすごいスピードで車が過ぎ去っていく
音だけしか聞こえないほどの速さで
残像だけをわたしは一瞬目で捉えることができる
残像の残した線に私は囲まれていて
そこからどうやって抜け出せばいいのかわからないが
一歩一歩前進する
空を見上げると青空のなかで雲は泳いでいる
その雲と一緒に泳ぎたいと思った瞬間に
わたしは今度はさっきまでいた高速道路を見下ろしていた
やはり残像の線しか見えない
その線も高速道路も段々と見えなくなる
わたしは上昇しているようだ
そしてあたりは気づいたら真っ白で自分はもうどこにいるのかもわかならいが
両足は浮いているので
ここは地面じゃないことは確かだ
どこを見渡しても真っ白
どこかで見たことがある白
よく見ると動いている
これは霧の中か
しかし濃密だ
わたしは歩くことはできないような気がしていたので
泳いでみようとこころみた
すると
身体が90度傾き
水のなかで泳ぐのと同じ体制になり
わたしはそのまま白の中を泳いでみる
すると前に進むことができた
わたしは今度は歩くのではなく泳ぎながら前進をしているのだ
また先の見えない白のなかをゆっくりと前進している
どの泳ぎ方よりも平泳ぎがしたいと思ったので
わたしは平泳ぎをしている
ここには音がないことに気づいた
音はわたしの声だけだ
わたしの心の中の声といままでおもっていたものは
話す声よりも大きく今は感じている
わたしの心の声は静まることがほとんどないことに気づいた
いつも何かを話している
とてもにぎやかだ
止めようとしても止まらない
むしろ止めようとすればするほどにぎやかになっていく
わたしはつぎに自分の呼吸の音に気づいた
耳をすませばすますほど
その音は大きくなっていき
反対に話し声はさっきまでの賑やかさを失い
段々と静かになっていった

わたしの背後で何かが動く気配がした
気配を感じているが
わたしは振り返らずにいた

わたし以外の人間がここにいたのか
この真っ白な空間の中に

横に線を引く音が聞こえる

そのものは私の背後で何をしているのだろうか

女性か男性か、そのどちらでもないか、
そもそも人間であると誰が断言できるのだろう?

そして私はなぜ振り返ることをしないんだろうか?

そう思った瞬間
わたしはMAC BOOK PROの目の前で言葉をタイピングしている

そしてわたしの妻がアイロンをかけていたのだ

そうか
わたしはタイピングをしていたのか

どうやら私はことばの世界にいたようだ
そして今もおそらく言葉の世界にいる

このタイピングをしている限りはそうであろう

思った瞬間にそこにいくことが実はできている
世界を作っている
今そこに行ったでしょ?
それを書いたでしょ?
それは世界を創り上げているの、あんたが。あなたが。

そう、そしてその世界は刻々と、瞬間瞬間変わるから
無数のさらに無数の現実があってそれはどこかに記録され続けて移り変わり続けるの。
これはもうわたしには当たり前のこととして認識できるようになってきた

そろそろ
眠気があるのでいったんやめよう


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