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文庫版『鎌倉うずまき案内所』発売中です

2019年に単行本で刊行された『鎌倉うずまき案内所』が文庫になりました。現在、令和3年を迎えていますが、私が単行本の原稿を書いているときはまだ平成でした。いつのまにそんなに時間が経ってしまったのかと、あらためてそのスピードに驚愕し、一日一日を大切にしなくてはと思います。
そして、予想もつかぬ事態になった令和を想い、書店さんが普通に開いているのもそれだけで本当にありがたいことだと身にしみて感じています。
鎌倉を舞台に平成の30年間を6年ごとにさかのぼっていく、6人の迷える人々の物語です。どうぞお手に取っていただけましたら嬉しいです。

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装画はミニチュア写真家の田中達也さん。
今回も素晴らしいアートを手掛けてくださいました。
これまでも田中さんは、私の原稿を読んでくださったあとミニチュアアート制作の前にラフを起してくださるのですが、今回、なんと平成から令和に代わるという歴史的な瞬間にその作業をされていたとか。
まさに、作中にあるとおり「ふたつの時代をまたいだ」装画となっております。

帯は、女優で鎌倉市国際観光親善大使の鶴田真由さんと、書店員の新井見枝香さんがコメントを寄せてくださいました。なんと豪華な!

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今回も、裏表紙を白にせず、単行本のまま残していただいています。
登場人物が並んでいる帯もかわいい!

そして今回、初の試みとして、巻末に書き下ろしショートショートと平成史特別年表を収録しました。

年表は見開きで、上の段には作中に出てきた平成の史実、下の段には物語のエピソードと、連動するようになっています。

チラ見せ……

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こんな感じです。
小説は令和元年から昭和64年に戻る時系列で書いていますが、年表は普通に過去から未来へ順を追ってまとめています。

この年表……
作るの大変だった……(;'∀')
でも、めちゃくちゃ楽しかった!!

この年表を作成することにより発覚した単行本でのミスもあり、校正さんのご指摘でいくつか気づきました。矛盾点は調整をして新たに書き換えています。このときに何歳だとこちらでは何歳で……というのが微妙に間違っていたりして、うう、私ってほんとに算数できないのね。

この年表は、あの登場人物がここでこうなって……という、
壮大な「ネタバレ表」でもあるので、ぜひ小説を読み終わったあとに答え合わせをしていただけたらと思います。

私は昭和、平成、令和と3つの時代を生きておりますが、
がんばって長生きして、もしまた次の時代をまたぐことができたら、令和版の『続・鎌倉うずまき案内所』を書けたらいいなあと夢想しています。

そのときまで一日一日、この表紙にあるように、時計の針の螺旋階段を踏みしめていこうと思います。ナイスうずまき!