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333/1096 自在なる郷愁先

吾輩は怠け者である。
しかしこの怠け者は、毎日何かを継続できる自分になりたいと夢見てしまった。夢見てしまったからには、そう夢見る己を幸せにしようと決めた。3年間・1096日の毎日投稿を自分に誓って、今日で333日。

(この毎日投稿では、まず初めに「怠け者が『毎日投稿』に挑戦する」にあたって、日々の心境の変化をレポートしています。そのあと点線の下から「本日の話題」が入っているので、レポートを読みたくないお方は、点線まで飛ばしておくんなましね。)

333日目は日本滞在最後の日。
今日も書く!そしてドーハでの更新を目指して移動中にも書くのだ……途切れさせずに更新できることを祈る。GOOD LUCK…自分よ…

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ハァッ…2ヶ月弱もいた祖国を離れるというのは、なんという切なさだろう。
またすぐに来られるというのに、それでもなお恋人と離れるだけの寂しさ恋しさだ。口数すら減る。

お寿司も食べたし、コンビニにも何度も行ったし、日本語もたくさん話したし、焼き魚も食べたのに、なんか、なんか、オラ……

日本を満喫するというのが、これほどに終わりのない奥深いことだとは…!この国には、どこまで追っても尽きない魅力がある。わたしがこの世界で最も深く魅力を追求できるのは、育つ間に文化を吸収し、言語を母国語として話すことのできる日本だ。

自分にとって、最も探求しがいのある場所が、どこか遠くの、まったく知らない国なのではなくて、生まれ育った国だというのは盲点でもあった。

日本に住んでいた頃、わたしはまさかここを離れることになるとは夢にも思っていなかったため、ここがわたしの世界だった。
馴れ合いの夫婦がついつい互いに相手の嫌なところに目がいってしまうように、ここに住むうえでのあれこれに文句をたくさん持っていた。

街が美しくないと思っていたし、学校制度が嫌いだったし、日本人のさまざまな特徴に不満があった。

でも、住んでいないとなると、
別のところに帰らなくてはならないとなると、、

街は輝いて見え、歩道の境界ブロックが、コンビニの新しい分別用のゴミ箱が、駅の飲料の自動販売機が、ただただ別れがたくなる。どれもが愛しく、いかに自分の愛する対象なのかを思い知る。

これを読んでも、人にとっては、それらがそんなに素敵なものとは思えないかもしれない。

でも、例えばもし、わたしたちが突然灰色の檻に囚われて、そこで一生を過ごさなくてはならなくなり、何年もそこにいたあとになんらかの理由でそこから解放されたとしたら、コンビニに入れることをどう思うだろうか。この歩道を歩くことをなんと思うだろう。

わたしはきっと、この街を、歩道を、人々を、涙なしに見ることができないだろうと思う。そして、深く悟るのだ。どんな楽園に自分がいたのかを。

わたしたちは、同じものを、まったく違う感覚を持って見ることができる。対象物へのわたしたちの反応は、決して固定された動かぬものではないのだ。

住み慣れた日本が、今のわたしにとって、本当に興味深い場所だ。そしてこの感覚を、国単位で考える枠を突破して惑星単位にしてみれば、きっと長年他の惑星に囚われていて地球に戻ったと考えたとき、それがアマゾンのジャングルの中だろうと、タイのビーチだろうと、香港のマンション街だろうとローマのゴミだらけのストリートだろうと、わたしは歓喜の声をあげて泣くだろう。

だからわたしたちは、視点さえ変えれば地球のどこにだって郷愁を覚えることができる。自分の意識を自在に拡大させ、縮小させることが可能なのだ。
人間の感覚の、なんと自由なことよ!

長い間、太陽系の外の暗いところにいたとしたら、太陽の光を見たときにどれほどの喜びを感じるのだろう。こうして途方もないスケールで意識の届く範囲を広げてみると、

そのあとに見るこのリムジンバスから見える高速道路は、まるで、幼い頃に親しんで遊んだ玩具のように、懐かしく暖かい。建物や街路樹に至っては、まるで家族のようだ。
安心と、懐かしさと、親しみと、人間らしさと。
いい星だね……

さて、ここまで書いたら羽田空港に到着した。
可愛い空港。宇宙から見ると、まるでわたしの家の一部だ。

さて、地球の上をちょっと移動だ!
寂しいけれど、またね、日本。
わたしの存在すべてのエナジーをもってして、愛を込めて。

それではまた、明日!!

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